Straphangers’ Room2022

旧Straphangers' Eyeや習志野原の掲示板の管理人の書きなぐりです

やむなしで済まない問題

2016-08-13 11:08:00 | 交通
旧盆輸送のピークに、ANAが羽田でのトラブルを理由に、手荷物を積まずに出発させた事故がありました。
復旧を待つと機材繰りがさらに悪化するため、究極の選択ともいえますが、着地が目的地であればいいのですが、乗り継ぎや周遊というケースの場合、後から送るとはいえ、どうやって追いつくのか心配なケースも考えられます。

まあ「やむなし」ではあるんですが、例によっての事業者無謬の香りをぷんぷんさせて擁護している意見も少なくないわけで、国際評価がどうのと自慢している暇があったら、年間でも最もトラブルを起こしてはいけない時期にこんな事故を起こさないように、再発防止を徹底してほしいものです。旅先の空港で手荷物がない、明日以降配送する、といわれて、はいそうですか、現場も一生懸命やったんだから、と納得する人が一体どれだけいるのか。擁護している人に限って我が事となれば大騒ぎしそうな気がします。

気になるのは、約款では確かに状況によって手荷物を別送するとあるので、あってはならない事故ですが、事故後の対応は「想定内」といえますが、セキュリティ面ではどうなのか。
預け荷物があるのに搭乗者が現れない場合、確か出発を中止して当該荷物を下すはずです。そうでないと「犯人が逃げた」可能性が否定できないからです。しかし今回は異常事態とはいえ、持ち主が乗っていない荷物を載せたわけです。ANAは手荷物を積まなかったことをその場では公表していないため、悪意ある荷物預けは極めて困難ですが、絶対大丈夫(相当範囲で大丈夫)とも断言できない状態になって待ったことは軽くない事態です。

今回のようなトラブル、今後に与える影響は小さくありません。
国内線でも一種のロスバケが発生する、ということが分かったわけですから、ただでさえ制限いっぱい、場合によってはお目こぼしを受けたような大荷物で機内は迷惑しているのに、これでは預け荷物にすることの推奨どころか、預けたら大変、というネガティブイメージにより、ますます機内が混乱します。

ANAは最近荷物の球出しが遅く、その時点で預けることに対する抵抗感というかリスクを感じているところに今回の事故です。小さなトラブルが目立ってくると、ハインリッヒの法則じゃないですが、ちょっと心配になります。





「お気持ち」の論点

2016-08-13 10:49:00 | ノンジャンル
「玉音放送」は出張先で拝見しました。
7月の「退位の意向」報道から、もっぱら高齢を理由にしていると「臣下」は理解していましたが、全然次元が違う話だったわけで、恐れ多い話ではありますが、レベルの違いを痛感しました。

「天皇」は法的には日本国憲法でその権能が定められており、皇室典範で継承ルール等が定められているわけです。
では憲法上の権能、すなわち「国事行為」だけを果たせばいいのか、というとそうではないわけで、権限をふるうことが明確に定められていない「象徴」とはなんぞや、というところに行きつくわけです。

「象徴である」といいながら、象徴とは何か、具体的な行動は、という部分が全く示されておらず、帝国憲法下での立憲君主から権限を差し引いて「象徴」を務めてきた昭和天皇に対し、今上陛下はそれを28年かけて積み上げてきたわけです。

その一種の「内規」は国民がぼんやりとはイメージしていますが、狭義の意味ではお一人、拡大しても極めて限定的な存在を対象としているために、イメージはしていても明確にこうである、というものがある、いや、あるべきということには気が付いていなかったわけです。

不遜にも忖度させていただと、若干自家撞着の部分はありますが、築き上げてきた「象徴」についての「慣習法」が守れることが「象徴」の義務である、義務が果たせなくなった「象徴」はありえない、ということが今回の「玉音放送」のもっとも言いたかったことしょう。

一方で、「象徴」とは存在そのものであり、「お務め」はその能力状況に応じて変化すればいい、という考え方もできます。
陛下が築き上げた「慣習法」を実施できることが「象徴」つまり「天皇」の条件なのか。退位(譲位)という継続条件であれば、それは即位という就任条件でもありますが、我が国における皇位継承ルールに新たな、そして最も重要な条件が加わるという重要な論点があるのです。

やや時間が空きましたが、東宮御所から今回の「お気持ち」に対して「重く受け止めている」というコメントが出ました。
実は今回の「お気持ち」を拝見して、これは国民に向けてといいながら、東宮を強く意識している、という印象を受けたのですが、やはり気づいているようです。おそらく崩御による即位で、「慣習法」が変質してしまう懸念をお持ちなんでしょう。譲位することで「象徴」についての「院政」を敷いて、お努めの変質を防ぐ。昭和天皇からの時を踏まえて皇位継承時のあれこれをご懸念されているくらいですから、法定要件でない、「慣習法」に過ぎない「象徴」のお努めは、これまでの様子を見るに、側で覚えるのではなく、実際に「天皇」として実施することによるOJTで引き継ぐしかない、と考えたのでしょう。

それはさておき、「男系男子」という条件しかなく、しかしその条件を墨守して継承してきた皇位は、「お努め」という能力条件を課すべきなのか。「徳」を理由に譲位を繰り返した江戸時代の例はありますが、そういう中国で過去多くみられてきたような発想を取り入れることは、皇位の持続可能性を危うくするリスクがあります。
女系の警鐘を容認するか、という議論が沸き上がった際にも、今の皇室(天皇ご一家)は立派なんだから、旧皇族を持ち出しての男系継承ではなく、女系継承を容認すべき、という話が「能力」「お人柄」という要件とセットで主張されていたことがあったわけです。

あの時は秋篠宮家で高齢出産のリスクを冒して悠仁さまがお生まれになり、男系継承のめどが細いながらもついたことで沙汰やみになりましたが、あの時は秋篠宮家の「行動」のほか、三笠宮家の寛仁親王が女系継承に反対の論陣を文藝春秋などで発信されたわけですが、これ以上小泉政権が無理押ししたら、陛下がご意思を示されて意見の相違が表面化する最悪の事態になりかねないと懸念しておりました。

ところが今回の「お気持ち」はその流れと矛盾しているともいえるわけで、そうなるとそこまで含んで対応すべきなのか、あるいは「主上ご謀反」なのか、「臣下」としては複雑な心境です。

「お気持ち」を受けて政府や各党は、これは政治の側が対応しなければならないという意見で自民党から共産党まで一致した格好です。
「お努め」もままならない状態はどうすべきなのか。「摂政」は国事行為の「代行」のみ定義されており、実は国事行為代行と被るわけで、「象徴」の代行はあり得ない、というのが陛下のお考えです。そしてそもそも「お努め」は何なのか。左派系メディアが「お努め」は君主制の復活ダーと騒いでいますが、やるべきこと、守るべきこと、やってはいけないことが存在していないとおかしいのに、そのアウトラインすらない、陛下が築き上げてきたことが総て、という「立法」の問題もおそらくお考えでしょう。

もちろんそんな「君主の行動規範」を国家が定めた話は聞きません。
国民の期待に応える義務は当然であり、期待が失われたら、極端な例としては「革命」をはじめとする「君主制廃止」になるから、言われなくても守っていく話です。そういう意味では「外部評価」に耐えられる行動を示した「内規」にとどまるわけですが、そうであってもその遵守を要件にすることをどう考えるか、政府筋から「有識者会議」設置検討の発言がありましたが、「有権者」ごときが決める話では断じて無いですし、専門性はなくとも、議院内閣制の政府と国会が自ら判断することに意義があるのです。



海外で見る大相撲

2016-08-08 00:34:00 | ノンジャンル
さて、海外ネタをもう少し続けますが、内なる世界を外から見るとこうなる、というのがNHKの大相撲中継でしょう。
NHK-WORLDで今日の幕内全取組を放映しているんですが、一戦一戦がなんかボクシングか何かのような仕立てになっています。



地位はそのままローマ字表記。東西はEast、Westで、平幕の何枚目は、#2で2枚目、という感じです。

で、勝負がつくとこうなります。



国内の中継では、かつては決まり手だけ、最近は明日の取り組みを出すようになりましたが、何々関の勝ちとは出していなかったので、新鮮ですね。

ちなみにさすがNHKの中継というわけで、英語の解説もかなり専門的です。
ただ、訳せる用語とそうでない用語があるようで、「出足」とかそのまま聞こえてくるものもあります。







乗り継ぎ案内は便利だが

2016-08-07 13:01:00 | 交通
アジア屈指の国際ハブ空港であるシンガメ[ル、チャンギ空港。
トランジット客も多く、出国エリアの内側にあるトランジットゾーンは3つのターミナルに分かれて新交通システムが結んでいます。


(新交通システムでの移動。2両編成の場合、1両は制限区域外、1両は区域内用)

ここはSQの拠点ですが、荷物は最終で受け取りになる正規の乗り継ぎでもターミナルが分かれるため、案内が大変です。


(モニターではターミナルを色分けして表示)

こういう感じでモニターがあちこちにありますが、その右下にある機器がなかなか優れものです。


(これが優れものの案内器)

挿入口みたいなところに搭乗券のバーコードを読み取らせると乗り継ぎ先のターミナル、ゲートが表示されます。モニターの前でにらめっこしていると、係員が寄ってきて、これを使え、と勧めてくれます。

さて、機内でもSQは乗り継ぎ案内を出します。


(これがシートモニターに出る)

それくらい対応しないと、1時間以内で国際線の乗り継ぎが可能、というダイヤは組めないのでしょう。私自身55分乗り換えのチケットが発券され、非常に不安でしたから。
とはいえ、こんな表示になるのはどうなんでしょうね。


(SEE GRND STFとは)

便名は出てますが、行先は「地上係員に聞け」とあります。
アデレード行きなんですが、そんなミステリー列車のような表示になるのは何なんでしょうね。