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反ワクチンに見る「代替治療」との共通性

2021-08-16 22:11:00 | 時事
ワクチン担当相が3回目の分も確保している、と記者会見で語ったそうですが、「契約済み」ではなく「合意済み」と言っているのが気になりますね。担当相が就任してあわててファイザーと交渉をやり直した際、それまで政府は「合意済み」と言っていたわけで、今度は担当相が同じ「誤魔化し」をし始めたのか、と疑いたくもなります。とにもかくにも足元は予約が出来ないという状況ですし。

その報道に対して、ワクチンで「隠された死者がいるのに3回目など論外」と早速不安をあおる人が続出しているわけですが、先日NHKがクロ現+で解説していたように、一部の「陰謀論者」とそのシンパが拡散している、という構図が繰り返されるんでしょうね。無邪気にSNSで拡散する人やメ[タルのコメント欄ははっきり言って「共犯者」です。

確かにワクチン接種後に死んだ人は確実に存在するというか、実数としても無視できない数であることは確かです。ただ因果関係があるかというと断定できませんし、そもそも今回のCovid19ワクチンは接種によるリスクは確実にあるが感染によるリスクを下回る、という相対的な評価に頼っている面があります。その意味で未曾有の「災害」でありながらワクチン接種はあくまで「自己判断」というスタンスを保っているのは、強制した際の「責任」を免れないという自覚があるのでしょう。一定の結果予見性があるのですし。

ワクチンは現時点では抗がん剤のようなものでしょう。抗がん剤は副作用が激越ですがガンに対する効き目は確実にあるわけで、だから抗がん剤治療を選ぶ人もいれば選ばないケースもあります。(放射線治療ほど忌避されませんが)
そして「代替療法」が蔓延って適切な治療機会を喪失するというケースがある点でも似ていますね。ワクチンは不要、と言って感染して死線を彷徨うケース、最悪は死に至るケースも出ていますから。

このケースでも「日本の死者は少ない」、というのがワクチン接種後に死んだ人の数を必要以上に多く見せています。感染しても大したことがない、という主張の根拠として、死者も重症者も「第五波」では少ない、というものがありますが、死ななければ大丈夫なのか、という話です。

医療関係者から、軽症、中等症、重症に関する医療関係者と一般国民の意識におけるレベル差をまとめたものが出ていますが、それに尽きるわけです。一般国民は「重症」は入院が必要、というレベルで見ていますが、医療関係者の評価は重症は「助からないかもしれない」というレベルで初めてその評価になるわけで、死線を彷徨わなければ無問題、というのは明らかにおかしいわけです。

中等症の自宅療養を巡る問題で、酸素吸入で中等症2、という評価が正しく伝わったことで、「中等症」が入院が必要なレベル、という意識はかなり広まっていますが、それでも「重症者は減少していますから」とミスリードを誘う人が少なくないわけです。国士様御用達新聞の常連評論家の女史がCXの報道解説番組で主張して、さすがに維新の黒幕もそれはちょっと、と否定していましたが、しかも都が発表する国の基準よりもさらに重篤なレベルの「重症者」で誤魔化しているケースもある中での評価は論外でしょう。死者が減少、にしても、医療技術というよりも延命技術の向上で「スパゲッティ症候群」で生かされている、という面もありますからね。ECMOにしてもそれで体力の回復を図って生還するケースは否定しませんが、単なる延命のケースもありますから。

話を元に戻すと、死なないまでも死線をさまよう重症者になりたいですか?中等症も相当厳しいですよ、という病気で、ワクチン接種後の死者数や副作用の厳しさとどう比較するかです。高齢者は明らかにワクチン接種のほうが死亡率は低いわけですが、それ以外も、最近ようやく注目されるようになった40代、50代の現役世代を中心に、明らかにワクチン接種によるメリットが上回るでしょう。

若年者は微妙な感じもありますが、一方でそこを起点に家庭内で親世代に感染させる、というリスクを考えると、特に親世代が接種の意思がありながら接種できていない場合はワクチン接種をしないと選択するのであれば感染リスクを極小化して厳しく自粛すべきですね。親世代が感染した場合、最悪の事態を想定すると、子世代は社会に出る直前の世代が多いでしょうから、一瞬にして人生設計が暗転するリスクがあります。奨学金などの対応は可能ですが、社会に出るにあたって多額の借金を背負うか、在学継続を断念するという事態になりかねませんから。

もちろん有効な治療薬の普及があればワクチン無しでも感染時の心配がなくなりますが、まだそこまで至っていません。上記の「陰謀論者」に重なる層が特定の医薬品を推していますが、既に効力が認められないという結論が出ているわけで、ワクチンを否定し、効果がない薬を推奨するという行動は社会を破壊するものです。
その意味でもガン治療における「代替療法」の罠と一緒です。


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