露呈した「オキニ第一」「安全二の次」のダブスタ

交通機関だけでなくイベントや施設の臨時閉鎖も相次ぎましたが、TDRが15時まで営業したことが話題になっています。
実際問題として18時くらいまで営業しても問題は無かったのは事実ですが、周囲の状況、特に交通機関の問題を考えると、そもそも開園すべきだったのか、
少しでも営業すれば入場券の払い戻しや変更といった代替策に手間やコストを割く必要が無いわけで、午前中だといくらなんでも、ということで15時という大人の事情が透けて見えます。TDRのアクセスは京葉線ですが、強風に弱いと評判の京葉線はなぜか運行を継続し、17時から大幅減便となっており、TDRの帰宅ラッシュとあからさまに連動しています。気象状況の見通しで蘇我までの京葉線沿線だけ楽観視できていたなんてありえない話で、もっと陸側を走る地下鉄東西線が午前中から計画運休をしていたというのに、京葉線は平常運転という判断の根拠が知りたいですね。営業判断も加味して、なんてことだと話になりません。社会インフラのストップは社会に大きな影響を与えますが、営業判断次第で継続するのであればその判断などクソであり、公共側は運行継続命令を出すべきでしょう。そう、今回もローカルでは始発から終日運休とか何も考えていないとしか言いようがない状況でしたが、「判断」がインチキなら運行すべきでしょう。

身勝手運休をさっさと実施して、お昼頃から大幅間引きして、15時には運休します、となぜ言わないのか。他の施設やイベントのことなど爪の先ほども考えないから、施設やイベントは電車の運休を理由に早仕舞いしたり終日閉鎖となるのが昨今のトレンドですが、相手がTDRだと「安全二の次」で運行するんですね。本来は開いては営業しようが何だろうが止めているのに。ちなみに災害が見込まれて住民に避難指示を出そうとしたらすでに身勝手運休で移動手段がなくなっていた、という前代未聞な「身勝手」が生じていましたが、相手が公共とか営業面での問題がなければ住民の安全確保ですら知ったこっちゃない、というのに、営業上の上得意なら危険を顧みず営業です。

そしてネット界隈も見事なまでのダブスタですね。身勝手運休で迷惑、というと出歩く方が悪い、何事もなかったんだし、というと「結果論に過ぎない」とか、空振りで良かったねというようにしたいですね、とか非難が雨あられのはずですが、今回はTDRに関しては生暖かい擁護の嵐です。
まあそもそも15日の段階では時短営業とも言っていなかったわけですが、16日朝4時台に浦安市に大雨警報が発令され、9時台には暴風警報、波浪警報まで発令されているんですから、開園の段階で営業に踏み切ったこと自体が見通しの甘さというかおかしさを示しています。

東日本大震災の時にキャストの対応とか、災害があっても大丈夫、と言いたげな擁護の声ですが、じゃあ暴風雨の中で対応できるのか。京葉線が止まったらどうなるのか。嵐の中で帰宅難民をどうするのか。危険が迫っていてもJREとの間で握ってますから大丈夫、ということなんでしょうね。妙な自信は。
まあそれはさておき、警戒は十二分に、空振りでも仕方がないというネット世論が全く炎上しないのも「お察し」の世界なんでしょうね。叩けるところは叩くけど、オキニは叩かない。ダブスタどころか炎上の影響や被害を考えるといかな正義感でも今後炎上させる行為は微塵たりとも正当化できないというようなダブスタが顕在化したわけです。

何ヶ月も前から予約していたのに、というお涙頂戴で、少しでも開園したんだから素晴らしい、と斜め上の賞賛を送る向きも多いですが、南海トラフに台風と、何ヶ月も前から予定、予約していたイベントをキャンセルせざるを得ない、数万円から十万単位のおカネが無駄になった、という人も多いですが、TDRだけ特別扱いですか。だったら全国の交通機関にイベント関係、施設に対しても、台風や南海トラフごときで運休や閉鎖はおかしい、と声高に主張されたらどうでしょうか。補償を求めてもいいでしょう。

そうそう、おりしもOLCはディズニーの世界を満喫できるクルーズ事業に乗り出すそうですが、今回の開園は嵐の中で出帆するようなものですからね。それこそ何事も無くても結果論では済まされないはずですが。