Straphangers’ Room2022

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東に逸れることと可航半円の平穏は見えていたのだが

2024-08-17 14:32:30 | 震災・災害
台風7号は東に逸れた格好で千葉県下も含めて大きな被害はありませんでした。
こういうと「後知恵」とかしたり顔で批判する人が無数に湧いてきますが、早い段階でこの結果は想定されたわけで、既に沿岸を進むどころか列島から完全に離れる格好になった17日朝の段階でも厳重警戒とか、煽りメディアだけがはしゃいでいた格好です。

しかし一番の「戦犯」は煽り官庁の気象庁で、2日前の段階で予報円は東に振っており、上陸の可能性はほとんどないというのが各局お抱えの気象予報士の見立てだったのに、それを織り込まずに危険だなんだと煽り続けたわけです。可航半円になったうえに、可航半円側には雨雲を伴っておらず、台風が離れている段階の東風に乗ってアウターバンドの雨雲が流れ込む段階が過ぎれば災害級の危険の峠は越えます。しかも可航半円側の風速は危険半円側が最大瞬間風速60mとされるのに対しかなり低かったのは当初から見えていました。

で、1時間雨量にしても最大瞬間風速にしても拍子抜けもいいところで、ゲリラ豪雨や低気圧のレベルと同じでした。結果論ではないですからね。いろいろなデータを見れば15日の早い段階で見えてきましたし、15日の夜には確実視できる状態でした。非常に強い台風ですが、暴風圏が陸上にかからない状態は見えていました。そしてそれを予報するのが気象庁の「義務」であり、民間気象会社もその可能性を主張すべき段階でした。でないと民間気象会社の「能力」が強く疑われる話になりますから。

煽り官庁に寄り添ってはしゃいでいた煽りメディアもやることがないわけで、なんとか大雨の画を求めて右往左往したり、路面にカメラを寄せて「演出」したりと必死でした。まあこれも発達のピークとなった八丈島の状況を見れば首都圏の結果は一目瞭然で、可航半円側の八丈島は最大瞬間風速25.6mです。1時間雨量は15㎜程度、八丈島空港で30mに達したくらいでした。これが16日未明にかけての「ピーク」だったわけです。煽ることしか考えてなくて、正しい情報を伝えることを放棄した煽りメディアの罪は重いです。

そして今回は交通機関の対応が明暗を分けました。
東海道新幹線が早々に16日の東名間終日運休を決めましたが、これは早い段階でのアナウンスが必要と言いながらも運休入りが早過ぎました。
確かにアウターバンドの大雨が神奈川県から静岡県にかけて懸念されるとことですが、新幹線を止めるほどのものではないと断言できます。これでは低気圧や「大気の状態が不安定」が予想されるので終日運休ですぅ、ということになりますからね。


同様に欠航の可能性をアナウンスした航空が16日11時台の離発着まで羽田空港を運用したのと比較すると今回のJR東海の対応は「膾を吹く」です。
百歩譲って首都圏が危険という判断でも名古屋までというのもひどいわけで、三島や静岡以西となぜできなかったのか。箱根の向こうはまず大丈夫というのは明白でした。首都圏で台風に備えて不要不急の外出はしない、とはいえ、東海地方でそれは無いでしょう。九州に台風が来るので新幹線は岡山止まりです、と言われているようなものです。こういう部分をきちんと批判できない生温い擁護は社会をダメにします。

一方で身勝手運休の東の横綱であるJR東日本が各新幹線を一部間引きはしたものの運行を継続し切ったわけで、東行き2本とはいえ敦賀回りでの東西間移動の確保とか、今回の対応はうまく見切った好判断と言えます。在来線特急は新幹線に比べると大雨対策が劣ることもあり全面運休は止む無しですが、午前中までの維持が出来なかったのかは今回の検討課題でしょう。台風が逸れつつある、という中で西や北方面は様子見で、常磐線も午前中は継続できなかったのか。進路に近いが来るまでに時間があるのですから。

そして一般列車の運行をSSLやUTLの直通運転を中止する程度で継続したのはかえって驚きでした。千葉県内も房総ローカルが9時頃から全面運休ということで、極力動かす姿勢が見て取れましたから。その意味では久留里線など変動費の回収も出来ないような路線は、通常から動かすだけ赤字ですから台風にかこつけて終日運休という露骨な対応でしたね。

今回台風が東に逸れて大きな被害はないと確実視される段階になっても復旧する気が無かったのはどういうことか。
航空各社にしても16日の羽田の風速は10m台で、突風こそ20m台ですがそれは午前中。台風一過で夜半の便を何とか飛ばすというのがこれまでの通例だったのに、今回は全くありませんでした。JALが沖縄から2時から3時の間に深夜便3本を出して、羽田に5時から6時までに到着としたのが一番早い例です。
フェリー運航もしなかったようで、17日朝の欠航便も出しており、欠航や運休はいいんですが、回復期のリカバリーが今回ダメでしたね。東海道新幹線も20時台以降なら出せたでしょうに。安全確認というけど、夜明け前の段階で確認完了して17日は始発から平常運転したわけです。だったら早い段階で(西から)確認を行えばいい話です。物理的損壊は無かったんですから。

一方で暴風を恐れて計画運休した地下鉄東西線は19時過ぎに運転を再開したわけです。きちんと状況を見て解除したのは鉄道ではここくらいでしょう。道路もあれこれ言われていましたが結局通行止はアクアライン全線とアクア連絡道の一部区間のみで、21時には再開しています。
なお東西線は午前中の三鷹区構内での架線トラブルと思しき原因で出区車両が軒並みパンダ破損という事故があり、東西線も三鷹出区の編成が妙典でパンタ破損、部品飛散という事故となり、8時半頃から運休してそのまま計画運休という泣きっ面に蜂的事象もありました。



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