Straphangers’ Room2022

旧Straphangers' Eyeや習志野原の掲示板の管理人の書きなぐりです

見事なまでの繰り返し

2020-07-17 22:36:00 | 時事
「学習効果がない」という表現がこれほど当てはまる話もないですね。
4月上旬からの感染者数急増と見事なまでの相似形。前回は3月後半の3連休での「緩み」が契機になったわけですが、今回は移動自粛などの要請解除による日常回帰以上の「リバウンド」が契機でしょう。

都内感染者数で比較すると、これも不気味なまでの一致を見せているのが、3月下旬にそれまで1桁から10人台前半だったものが40人台になり、2桁後半になったわけです。4月に入り100人超えとなり、いったん2桁に2日ほど下がった後に一気に当時のワーストだった201人に向けて増加したのですが、今回はそれが2倍以上の規模でトレースしてますよね。7月に入って100人規模になり、10日前後から200人台になり、いったん3日ほど100人台になったあとの286人、293人です。単純計算で7月最終週あたりに400~500人の感染者数が出てもおかしくない状態です。

重症者や死者ガー、といいますが、その数字は爬行します。前回もはじめて1日の感染者が100人を超えた時点の死者累計は23人に過ぎなかったわけです。あるいはこうしたデータの爬行性を「悪用」して少し前のデータを取り出して楽観論をまき散らしている人も少なくないわけです。

一方で良い意味で気になるデータもあるわけで、足元の流行はDNAタイプから見て中国型でも欧米型でもない日本固有、しかも東京や埼玉由来とみられるタイプという研究結果が参院予算委で報告されています。これをもって首都圏が「震源地」になっているという危機感を示しましたが、一方で欧米や南米などで猛威をふるった欧米型ではなく、日本における感染状況のように軽症止まりになるタイプ、ということであれば、「正しく恐れる」ことで効果的な対応や経済活動の両立も可能になるでしょう。

ただそれが確定するには結局2週間程度の観察期間が必要ですし、高齢者や基礎疾患持ちの罹患状況も確認する必要があります。でないとそこからの感染で重篤化しない証明になりませんし、さらにPCR検査などでCovid19ウィルスのタイプまで正確に把握できない限り、「日本型」だから大丈夫、と簡単に証明できないわけで、「大丈夫」というのが日本のローカルルールに留まるうちは外国との行き来が出来ない、という状態が継続します。

インバウンド頼みの観光や飲食産業はともかく、普通の企業活動における海外での活動が大きく制約されたままでは、経済の立て直しは程遠い状況であり、結局は感染収束国での「国際標準」になっているPCR検査での陰性を証明しないといけません。感染者数が大量に出るとしても、きちんと把握して隔離することでクリーンな集団を確立しないと、信頼は得られないのです。

その意味では感染者の把握も出来ていないのに交雑が多発する「移動推進促進」となるGo Toキャンペーンは現状では論外なのです。

ちなみに前回はGWにかけて「Stay Home」でなんとか拡大傾向に歯止めをかけたわけですが、足元はそうした積極的な対応が見られません。となると歯止めはかからないし逆に拡大が続くことも懸念されますね。
「日本型」だから大丈夫、というローカルルールを貫く場合は「鎖国」を覚悟するか、「欧米型」でも大丈夫ともっと割り切った欧州諸国はどんどん入ってきてますます感染収束国との行き来は遠のくという悪循環でしょう。

私もそうでしたが、「8割おじさん」が危機を煽った、と批判しましたが、「何もしなければ」という前提での想定が「いくらなんでも煽りすぎ」と言われていたのに、実際にそうなりつつあるというのは何とも情けない話です。当たり前のことを言われて逆ギレしていただけ、という自省が強く求められる事態ですから。


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