Straphangers’ Room2022

旧Straphangers' Eyeや習志野原の掲示板の管理人の書きなぐりです

ダイヤに関する稚拙な取り扱い

2013-11-05 23:15:00 | 交通
鉄道会社にとってはダイヤは商品であり、安全確保など運行の基本です。
利用者にとってもダイヤは単なる列車の運行目安ではなく、生活を左右するといったら大げさですが、その改廃は影響が大きいわけで、鉄道(や交通機関)が社会インフラの一翼であることを示しているといえます。

ところがここに来てこのダイヤの扱いが杜撰としか言いようが無いケースが目に付きます。
まずは11月1日から多発するトラブル対応で特急の減速に踏み切ったJR北海道。都市間の所要時間が軒並み数十分伸びるというデメリットが喧伝されている中で、旭川などの拠点駅で特急との接続が崩れ、1本後の列車になってしまったケースが出ているのです。

札幌都市圏であれば毎時何本も出ていますし、接続を取るべき支線というネットワーク自体が崩壊しているのが現状ですが、旭川のように拠点性を保っているところでは、1時間から2時間に1本の列車があるわけで、接続があれば札幌との行き来というトータルでの利便性で使われるのです。

そこで接続を切ってトータルの所要時間が減速分に加えてさらに1時間単位で伸びるのでは話にならないわけです。
どうも今回の改正では特急のダイヤだけをいじった感じもするわけで、よしんば接続を総て満足させることは出来なくても、上下どちらかは維持するといった工夫があったのかどうか。報道されている旭川における富良野線の場合、何ケースかは数分の平行移動で接続を確保できそうにも見えます。

ある部分を変更したために接続が取れなくなる、もしくは接続を維持するために変更が出来ない、というような時に、JR西日本や東日本ではその影響や出来ない理由につきサイトなどで説明する(もしくは現地の駅に「お客様の声」と言う形で掲出する)ケースが増えており、見た目サーボスダウンにならざるを得ない理由を説明することで、会社側もきちんと見ていての結果です、というリスクヘッジにもなっています。

そしてもう一つのケースは秋田新幹線と田沢湖線のケースです。
夏の豪雨の影響で減速運転をしていることを失念して「こまち」増発のスジを引いたため、雫石$ヤ渕間で定期普通列車とスジが被さり、普通列車が同区間で運休したというのです。

これは俄かには信じられないチョンボであり、ベテランのスジ屋が鉛筆で引いている時代ならいざ知らず、コンピューターで引いているはずです。ミニとはいえまがいなりにも「新幹線」の区間ですし。
そこで交換不能なのか、閉塞に2個列車が入るのかは不明ですが、本来ありえないダイヤがなぜ「成立」したのか。水害対応での減速は手修正というのであれば、システム的な管理の穴ですし、システム的な穴という可能性もあります。

こちらは突発運休を余儀なくされたことで迷惑した乗客の問題というよりも、安全を担保するダイヤグラムが意味を成さなかったという点で、鉄道というシステムの根本に問題があったのです。
以前篠ノ井線で、交換できないパターンで上下列車が交換駅に向けて進入してしまい、退避列車を含む3個列車が三すくみ状態になったことがありましたが、これも本来システムで統括されているはずなのに、ありえない構成が成立するバグといえます。

北海道のケースは細かいケア不足の話ですが、秋田新幹線の話は実は笑い事ではありません。
篠ノ井線の時にも「鉄道評論家」を名乗り、メディアでの露出も高い評論家が「信号所の信号で止まるのだから何が問題ですか?」と問題の所在に気づかない状況でしたが、今回も地方の話題もの程度の扱いでスルーしているあたり、メディアや「専門家」の質が問われます。

「じぇじぇじぇ」の海外展開

2013-11-05 23:14:00 | ノンジャンル
「あまちゃん」が終了して1ヶ月が過ぎました。次作の「ごちそうさん」も好調ですが、やはり旧来の連続テレビ小説と言う色彩が強く、新しいマーケットを開拓したのに、それが続かない格好になるのももったいない話です。

その「あまちゃん」がタイと台湾で放送されると言う記事が出ていました。
海賊版ではなくNHK自らが乗り出す「正規版」ですが、あの手の小味なギャグが通用するのか。10月に放映された総集編が件p祭参加作品と銘打っていましたが、本放送終了後にNHKが仕鰍ッるスピンアウトの展開が興味深いです。

このニュースで気になったのが、例の「じぇじぇじぇ」をどう訳すかです。
一種の感嘆符なので吹き替えで全く違う言葉になるのではないようですが、台湾ではそれを「接接接」と表示するようです。

「じぇ」と「接」の音が近いから、ということですが、海外展開を見据えるのなら、いっそ「JJJ」でもいいのでは。
まあ冗談はさておき、その「接接接」とする「訳」に対する疑問です。
ご多聞に漏れず「あまちゃん」も非正規の動画が多数アップロードされているわけですが、海外がターゲットになっているものも少なくないようです。当然中国向けもあるわけですが、そこでの「じぇじぇじぇ」の訳が違うのです。

「嗟嗟嗟」がそれであり、「接接接」ではありません。
北京語と台湾語の違いのようですが、「嗟」は感嘆詞でもあることから海賊版の訳のほうがよさそうです。
台湾での海賊版がどうなっているかは不明ですが、大陸側の海賊版が流布しているとしたら「じぇじぇじぇ」と訳していたところが「ぢぇぢぇぢぇ」になるような違和感がありそうです。

NHKとしては海賊版に倣うなんてとんでもない、というところでしょうが、既に海賊版で普及しているところに正規版として商売するのですから、視聴者にとってはある意味「ご存知物」であり、違和感なく入れるようにしたほうが正規版としても売れるのではないでしょうか。
そもそも正規版が展開していないのに海外でも売れる、と言う判断の根拠には、それこそ海賊版を中心とした「人気」が聞こえてきているからでしょう。

そう、知られている、というのは何物にも替えられない強みなのです。
「じぇじぇじぇ」にしても、久慈市の一部地域でしか使われない限定的な方言なのに、岩手県が公式の観光CMで「じぇじぇじぇ!!!の岩手へ」と打ち上げるなど、人気や知名度への便乗は大事です。


食材偽装の病根

2013-11-05 23:13:00 | 時事
ホテル業界を中心とする食材の「表示偽装」問題ですが、正直言ってしまえば「どこでもある話だろ」の一言とはいえ、ここまで騒ぎになったのはやはり「初動」のミスといえます。

自社製品・商品でトラブルが発生した時にどうするべきか。マネジメント関連のセミナーなどで必ず出てくるテーマですが、そこで事例としてあがるのがパナソニックの石油ファンヒーターと、船場吉兆です。この両社がなぜ事例に挙がるかは有名すぎて言うまでもないのですが、今回の一連の問題を見るに、船場吉兆と相似形(あれも食材の虚偽表示だった)の問題に対し、言い訳から入ってボロが出てドツボにはまった船場吉兆と同じ対応を辿っているわけで、学習効果が問われます。

さて、一連の問題で気がついたのは、問題が発覚したのが阪急阪神ということもありますが、いわゆる「電鉄系」「鉄道会社系」に集中しているきらいがあります。もちろん我が国ホテル界の総代とも言うべき帝国ホテルでも過去にジュースの「誤表示」があったと発表されていますが、その大半が「電鉄系」なのです。

このあたり、コングロマリット経営とは言いながらも、鉄道会社の「副業」的な側面があり、そのブランドもホテル専業とは違い、鉄道会社のブランドに依拠していることが、今回の一連の問題を許す下地になってはいないか。
つまり、ホテル経営の根幹が、そのホテルのブランドであり信頼であるホテル専業会社は、そのブランドと信頼が傷ついた瞬間に経営危機に直結するのに対し、鉄道会社のブランドと信頼に拠って立つ「電鉄系」は、ホテル業でのブランドや信頼に対する認識が甘かったのではないか。

さらに言えば、「副業」であるがゆえに、よほどの無茶をしない限り、鉄道会社のブランドや信頼を傷つけることは少ないわけで、そこにも「不正」の付け入る隙があったといえます。
ただこのあたりは「電鉄系」ではない高島屋でも発覚しているだけに、今後の展開次第ではあらゆる物販に蔓延している可能性もあります。

今回の一連の問題で不思議なのは、過去に船場吉兆が大炎上した道をなぜ敢えて辿っているのかということ。
言い訳をすればするほど深みにはまるわけで、悪気はない、と言えば言うほど、自分たちの食材に関する目利きが貧弱だったと言う自爆状態になるのです。船場吉兆の時には地鶏とブロイラーの味の区別もつかない板長、という大恥を晒したわけですが、今回はどんな「味オンチ」を示すのか。

まあ利用する側もたいした味覚ではないと言う証左でもあるわけですが、ホテルの食事というのは、味を楽しむと言うよりも、雰囲気も含めての話であり、それを演出する「高級食材」に「誤表示」というのは、雰囲気やおもてなしを売る業界としてはやはりあってはならない事態なのです。