庵KM

技術屋OBの環境問題独り言

経済問題。交通問題。健康問題。そして、日本の国創り問題。快適社会問題。

マスメディアが景気低迷の負の循環を助長してきた20年。

2014-03-14 | 経済問題

近年のデフレ経済に落ち込んだ最大の原因が、労働分配率の低下による【賃金の減少】であることはもはや自明のことである。

それまでは、日本の国際競争力と維持するためには、人件費の削減を含めた「コストダウン」が必須であり、賃金の引き上げは競争力を低下させるとした。

大手企業も含めて、日本中が賃金の抑制に走ったために、働く人の消費力が慢性的に減少して【総需要不足】を引き起こした。

景気が低迷しているから、企業の新規投資が控えられて、さらに景気の足を引っ張るコトになった。

 

このコストダウン要求が人件費の引き下げにつながり、消費力の減退、総需要不足、新規投資の抑制、そして景気低迷のデフレ経済とつながる。

この負のスパイラルを助長したのが、「マスメディア」の大半の論調であった。

1990年代には、マスメヂィアが「価格破壊」と称して、安売りを仕掛ける急進企業を「庶民の味方」であるかの様に持て囃してきた。

この裏には、非正社員の増加や低賃金で働くパート社員の拡大が進んで、人件費の抑制が進んだ企業ほど、安売り競争の勝ち抜いてきたのである。

 

その次には、国内での生産では、土地代、電慮気料金など経費がかさむので、これらが安い「新興国での生産」に工場を移転する動きが活発化してきた。

この動きに対してもマスメディアは、「海外進出に積極的な企業」の国際企業化の拡大を、ほめそやしてきた。

国内の小さい市場だけを相手にする企業では、先行きの経済力強化には限界があるから、今のうちに「海外進出」を積極的に進めるべきだ、と言う理屈だ。

そして、家電製品をはじめとして、高度な産業である自動車生産も、次々に海外への生産移転を進めて行った。

 

この様な企業群を国際企業と一ランクも上に位置づけて、国内特有の価値観に沿っている「国内優先商品」を作り続けることは、「ガラパゴス化」と卑下した。

海外に出る企業経営者が優れていて、国内事情を優先する経営者は遅れている経営感覚だと、単純に思い込む「マスメディア」の論調が大半であった。

その結果が、国内産業の空洞化であり、人件費の抑制による【賃金デフレの深刻化】である。

今頃になって、賃金引き上げを渋る企業経営者は、景気回復策に協力しない「遅れた経営陣」であると、批判の論調に転じている。

誰がその主犯なのか?


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