自由貿易がお互いの産業の適地生産を認め合って、分業的に生産した製品を自由市場を通じて交換することが、双方にメリットが生まれる。
これは19世紀の経済学でリカードの理論と言われているが、この双方のメリットを基本とした交換貿易を発展させたのが自由貿易だ。
1990年の初めにソ連が崩壊して、自由主義陣営の軍門に下ってからは、世界の経済は一体化することが理想であるとされてきた。
そのグローバル化の流れの中で、金融の自由化が積極的に実行されて、海外への投資が自由に選択できるようになった。
その影響で、新興国に製造拠点を移転して、より安価に製造する技術移転が実行された製品は、世界中での移動が活発になっていった。
これを見て、世界経済の将来は明るいと楽観する経済学者が、新自由主義経済と称して、制限のない自由貿易を理想として持ち上げた。
だが、その結果は「先進国での製造業の衰退であり、その敗者の人びとは低賃金にあえぐか失業の憂き目にあう。
雇用環境の悪化を無視した自由貿易は、経済的にも理論的にも破綻しているのだが、【自由貿易での勝者の超富裕層は悪賢い。】
貿易関係の基本には、お互いの国の「雇用環境を最良に維持する立場を理解した二国間」の『信頼関係が基礎にある』べきなのだ。
信頼感による貿易取引こそが、長続きをできる経済環境は生むのだ。取引の価値は自由化ではなく信頼感の醸成が価値を生み出すのだ。