日本が高度経済成長を実現していた時期には、アメリカの経済が不振に陥って、その原因を対日貿易赤字の拡大が影響しているとされた。
アメリカの経済の再生には、日本がアメリカの製品を大量に購入すると同時に、アメリカへの輸出量を制限するように要求された。
日本は、それまでは貿易量の拡大は、両国にとっての利益であると盲信していたが、やはり一方的な貿易黒字の積み上げはいきづまる。
日米貿易交渉の結果は、日本がアメリカへの自動車輸出を自主規制して、各メーカーの実績に応じた数量規制を実行した。
自由貿易を標榜するアメリカのが打出す方針は、このような「ダブルスタンダード」は従来は当たり前の行動であった。
今回の米中貿易摩擦の問題は、やはり、原因の一部には、中国が自国に都合の良い為替管理をして、「元安誘導」を実行していたからである。
このために、中国製品は不公平な安値でアメリカ市場に流入して、アメリカの対中国との貿易赤字は、膨大な累積額なってしまった。
トランプ大統領は、習近平主席にこの是正を強く要請したのに、無しに礫であったから、業を煮やして輸入関税の上乗せに走った。
中国は為替管理を適正にしていると主張しているから、本来は、関税上乗せよりも、輸出の数量規制を実施したほうが適切なのだ。
意地を張った中国は、今更、数量規制の自主的実施はできないのだ。
北京政府は国際経済には、まだ未熟な段階で、痛い目に合うだろう。