庵KM

技術屋OBの環境問題独り言

経済問題。交通問題。健康問題。そして、日本の国創り問題。快適社会問題。

農業を知らない官僚が成長戦略を立てるとは?

2013-04-20 | 経済問題
安倍内閣の成長戦略に、攻めの農業政策により「農林水産業の競争力を高め、輸出拡大を進めることで成長産業にしていく」と説明している。
一体、どの様な政策を打ち出して『輸出拡大』に結び付ける計画があるのか、自民党の政策立案能力を、国民に示してほしいモノだ。
今までの農政は、2年毎に役職を代わって行く「農林水産省」のトップ官僚が、
とにかく、おカネをつけるコトで、弱体化する【農業を保護する政策】を40年以上に渡って継続してきた。

外国産の食糧の攻勢に対して、食料安保の見地から、最低限の「エネルギーベース自給率を確保」する大義名分で、高率の関税を掛けて、米、麦、乳製品、砂糖などを「国民の税金」を使って保護するだけの政策を打つのが精いっぱいであった。
お金を配分するだけの政策調整であるから、農業のことなど知らなくても、農政官僚の采配で、やりくりを続けることが、日本の農業政策であった。
守るだけのことしかやっていない官僚に、攻めの農業政策を打ち出す様に指示しても、まともな政策案が出てくるわけがない。

「農林水産業」とひとくくりにする発言を聞くだけでも、如何に、実情を知らない政治家が多いか、あきれ返るばかりである。
林業は遠の昔に「関税ゼロ化」で、国産の林産物は、価格競争力を失って衰退してしまい、今はどん底からの離脱にやっとの状態である。
攻めの農業というだけで「林業が農業とかかわりを持つ」ことなど、全く頭になく、森林の水源涵養効果なども、長い間、ほったらかしであった。
また、陸上の林業の健全性によって、海の幸、漁業にも影響があることすら、政治家は全く知らない状態だ。

工業製品と違って、自然条件と国土をベースにして、適切な管理と改良を積み重ねるコトで、日本独自の農産物や林産物、漁業資源が産まれてくる。
ホンの数年で成果が出て、努力がすぐに報われる様な、安易な代物ではない。
ましてや、ホンの数カ月で成果が表れる金融業や情報産業とも、全く違う性格の産業である。
それを、産業競争力会議のメンバーの人選は、工業界や金融業界、情報産業界の成功者を並べて、【攻めの成長戦略立案】をしても、絵に書いたモチにもならない。

農業・林業・水産業・を一から学ぶ謙虚な姿勢が、まず基本に必要だ。

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。