庵KM

技術屋OBの環境問題独り言

経済問題。交通問題。健康問題。そして、日本の国創り問題。快適社会問題。

過去の栄光にしがみついて対応の遅れた経営者。

2011-10-22 | 国創り政治問題
「加工貿易立国」を目指す日本の発展段階において、「化学工業業界」が果たした役割は、大きなものがある。
工業生産の基本となる原材料を、高い品質で安価に大量に供給できる生産体制は、その先の製品生産にとって不可欠な要素となっていた。
しかし、大量に安価な製品を日本国内で生産する必要性が薄れて、消費地に近い開発途上国への生産移転が進みだしてからは、それに合わせて原材料の生産拠点を海外に、効果的に移転して生産に転換するのが妥当である。

今の段階となっては、国内での原料輸入・生産・製品の輸出に頼ること事態が、日本の「高付加価値化商品:サービス」を主力とする産業にとっては、必要不可欠の要素ではなくなっている。
それにも拘わらず、「化学工業界」の会長が、日本の産業界をリードすべき「日本経団連」の会長に収まる様な、旧時代感覚を引きずっている現状が、日本経済の対応が後手後手になっていることを表している。

化学工業界は、エネルギー多消費産業の代表業界である。
エネルギー費用が安いことに依存する事業で、日本の円高への潮流は、輸入に頼るエネルギー費用は、円高のメリットを十分に受けて来た。
また、電力の多消費産業でもあり、電力料金が安いことが企業業績に大きく影響する。
そのためもあって、【原発の発電コストは安い】と言う、見せかけの【安価神話】を長年に渡って支持してきた。
地震対策や津波被害の想定を、意図的に甘くすることは、電力料金を低く抑えることに有利であるため、電力業界の言いなりに「安全性の割り切りを容認」してきた。

原発事故後には、安全性の確実な追求よりも津波対策だけで、とにかく【原発の再稼働】の必要性を強く要求して、経済産業省に圧力をかけてきた。
原発運転が減ると「原油の使用料が増えて電力料金が上がる」として、とにかく、自社の利益、自分の業界の利益を最優先する発言を繰り返した。
最後の脅し文句は、電力供給の不安や電気料金の根上げには、もう耐えられないから、「海外に生産を移転するぞ!」である。

これは、政府の対応が不備だからやむを得ず、採らざるを得ない措置で、自分たちの責任ではない。と言いたいのである。

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