庵KM

技術屋OBの環境問題独り言

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原子力発電は地域振興にならず利権体質維持の象徴。

2010-02-12 | 核エネルギー・原子力問題
20世紀は化石エネルギーの飛躍的な利用増加で、モノの経済は発展してきたが、取り残された地域や、オイルマネーによって疲弊した社会も多く出現した。
その弊害を減らすことが出来ないままに、21世紀のエネルギー転換に時期を迎えている。
今後の50年間で徐々に、次世代のエネルギー源に主力の座を譲っていくことになる。

その一方で、原子力発電は、燃料の枯渇の心配がない21世紀にエネルギーだとして、各国での技術開発競争が進み、一部のフランスの様に、発電の大半を原子力発電に頼る国も表れている。
しかし原子力発電はいまだに、多くの未解決の問題と安全性の懸念をかかえ、その上、危ない政策を掲げる独裁的な過激政権が、将来の核兵器への保有を狙った原子力発電技術を取り込もうとしている。

さらには原子力発電の燃料の枯渇の懸念も起きて、その代替としてプルトニウムを利用するプルサーマル発電や「高速増殖炉」(プルトニウム239を燃焼させる)を商業化しようとしている。
この技術は、将来性がないとして、米英仏などの核兵器先進国では、とっくに開発から撤退している。
今は、インドや中国、ロシアなど、経済発展を目指す後発大国が、米英仏の支配からのがれるための長期の国益政策として取り組んでいる。

日本は長期的なエネルギー政策を、原子力利用の拡大を主軸とした経済産業省と、協調する一部の原子力発電産業界、それに取り入る原子力技術専門家グループなどの、閉ざされた社会のなかで、方向が決められている。
政権交代はしても、この闇社会に入り込んで、理不尽な戦略を暴きだすのは容易ではないが、自民党政権のように、闇の中を曖昧にしたまま、鵜呑みにすることはもはや許されない。

今までの闇社会の主張は、決まっていた。
「石油が亡くなったら日本は滅びる。その時のエネルギーは原子力だ」と。
今は「温暖化問題の決め手は原子力発電だ」と主張して、国策として主流にしようとしている。
しかし、新興国が原子力発電技術を持ち、将来は核兵器への発展を目指している事には、まったく目を向けない。
それは、エネルギーの問題ではない外交問題だというのであろう。無責任極まりない態度である。
これは、高レベル放射性廃棄物の処理を未解決のままにして、建設と商業運転のみに勢力を注いできた体質そのものである。

その上、原子力発電所を設置するにおいて、当初には安全問題を偽り続けて、事故が起きると想定外のことで、不可抗力であったので、責任は取れないとして逃げる。
建設を繰り返す為に地元には、迷惑料を大判振る舞いし続けて、自立の気持ちを破壊してきた。
地元の見かけに発展には、お金で解決できるハコモノや道路施設を贅沢に作りながら、地域社会の将来については、自分たちは関係ない、という態度である。
都合のよくない社会的な問題には目を向けず、悪影響や後始末は他人(多分、次世代にしわ寄せ)に押し付ける。

「政権交代」だけでなく、「官・業」も交替は必須であると覚悟すべきだ。

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