いろはに踊る

 シルバー社交ダンス風景・娘のエッセイ・心に留めた言葉を中心にキーボード上で気の向くままに踊ってみたい。

ふるさと納税

2007年05月21日 10時20分15秒 | シルバー社交ダンス風景
 「ふるさと納税」なんと響きの良いネーミングだろうか。普通「税」と言うと構えてしまう言葉である。どのような人がどのような発想でこの様な考えが出てきたのだろうか興味津々である。
 ニュースとして話題に取り上げら始めた事の起こりは、4月20日財務省と総務省との「地方自治体間で広がる財政力の格差」から菅 義偉総務大臣が地方公演などで消費税率5%のうち1%を配分している「地方消費税」の配分増を訴えたことその具体策として、5月1日パリにおいて「居住地への納税が原則の個人住民税(地方税)の一部を生まれ故郷などに納められる「ふるさと納税」の本格的検討に着手する。」と同行記者団に語ったことから始まっている。
 租税の体系には「租税の原則」が確立されている。それはアダムスミスの租税4原則(公平性・明確性・便宜性・費用最小)が最も普遍的な定義であろう。そして、地方税固有の原則として(税源の普遍性・応益応能・自主性)などが挙げられている。
 菅総務大臣の発言を切っ掛けに様々なところで「ふるさと納税」についての効用、弊害などが論じられている。租税の原則を熟知している人には「ふるさと納税」方式は恐らく考えも及ばない発想だと思う。
 神奈川県の川崎市長は、的外れな論評をしている。「ふるさと納税の導入の議論について、全く評価しないと語り、地方税の自治体間でのやり取りとなる点を批判しながら、『国に納める分を地法自治体へ納めることを選択できる制度を作って欲しい』と。」地方に財源が欲しいから「ふるさと納税」という発想が出てきたのであってこの議論を重ねることでよりよい税体系がが生み出されてくるのである。川崎市長の言っていることは、人のふんどしで相撲をとっているようなもので不愉快である。
 ここで改めて「税」とは何かをみてみたい。
「国や地方公共団体は、行政活動を通じ、私たちの生活にかかすことのできない、公共サービスなどを提供し、共同社会を維持している。その行政活動に必要な経費を私たちは税金という形で負担している。つまり私たちが共に暮らし、社会を維持していくための会費が税金ということになる。」と一般的には考えられている。
 私たちは必要な経費を負担していると言うが、何からどれだけ負担するかわ言及されていない。現在の納税額は所得の額により税率適用が異なっているが、税を極論すれば、所得全額が税金であると言われても致し方が無い。従ってこれらの弊害を取り除くために「租税の原則」が確立されているのである。
 この「ふるさと納税」がどのような議論を経てどのような形で生み出されていくかを注視していきたい。
 菅総務大臣にはどのような人がブレーンとして活躍し、この「ふるさと納税」を提言したのか知りたいものである。私が思うに学者や官庁の職員ではないのではないか。もしかすると若手の政治家かな?と思っている。
 菅総務大臣の行動を見ていると、拉致被害者を救済するために「NHKへの放送命令」や今回の「ふるさと納税」の提言など考え方が柔軟で国益に立った政治姿勢を窺い知ることが出来る。
 地元選出ということもあるが菅総務大臣の益々のご活躍を期待したい。
コメント
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