なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

褥瘡感染

2021年08月27日 | Weblog

 水曜日の当直の時に、午後6時過ぎに高熱の95歳男性が救急搬入された。

 隣町在住で高血圧症などで町内の医院に通院していた。1週間前から脱力で歩行できなくなってきた。その日かかりつけの医院を受診したが、年齢のせいでしょうと言われたそうだ。翌日にでも町内の病院へ紹介することになった。

 動きが悪くなってから、以前からあった仙骨部の褥瘡がひどくなり、家族がその日入浴させた。さらに動けなくなって、救急要請したという経緯だった。

 救急隊から発熱40℃で仙骨部に深い褥瘡があります、と搬入依頼が来た。入浴後でほとんど裸だったので、救急隊が褥瘡に気づいたのだった。褥瘡感染だけか、肺炎や尿路感染症があるのか来てみないとわからないと思った。

 搬入時、普通に会話はできて、認知症のようではなかった。身体を横にすると、確かに仙骨部に深い褥瘡があり、悪臭で押すと膿が出た。

 新型コロナの抗原検査を形だけ行って(陰性)、頭部CT(慢性硬膜下血腫の既往あり)と胸腹部CTを行った。

 頭部CTでわずかに硬膜下血腫があるが、経過をみていいようだ(これでADL低下するとは思えない)。胸腹部CTでは肺炎はなく、肝胆道系にも異常はなかった。尿はきれいに見えたが、尿沈渣で白血球>100/HPFだった。尿路感染症もあるようだ。

 血液培養2セットと尿培養を提出して、仙骨部褥瘡があることから尿カテーテル留置となった。

 入院としてスルバシリン(ABPC/SBT)で開始した。翌日木曜の昼前に、細菌検査室から血液培養2セットからグラム陽性球菌が出ていて、連鎖球菌らしいと報告が来た。

 

コメント (2)
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