先々週の金曜日に、地域の基幹病院循環器内科から86歳女性が転院してきた。転院は内科系医師が順番に受けることにしていて、今回は腎臓内科の若い先生が担当となっていた。
1月末に息切れ・呼吸困難で受診して、心房細動・心不全で循環器内科に入院となった。フロセミド持続静注で利尿がついて軽快したそうだが、今度は血管内脱水になった。利尿薬の調整や、胸腔穿刺で800mlの胸水を引いたりして、ある程度安定したが、自宅退院は難しい病状だった。
もともと昨年7月から、胃癌で同院消化器内科で経過をみていた患者さんだった。手術は希望しなかった(リスクも大きい)。生検でアミロイドの沈着を認めて、下部消化管、さらには鼠径リンパ節生検も行ってアミロイドーシスと診断されていた。M蛋白は認められるが、骨髄腫は否定的ということだった。
転院後も食事摂取は進まなかった。先方では予後1か月と記載している。なるべく点滴は避ける方針で診ているのだった。
今回は循環器内科に入院しているが、もともと診ていた消化器内科とも相談している。血液内科にコンサルトして、治療介入する方法はないとされた(さすがに血液内科医はいないので、週1回の大学病院からの非常勤医)。また呼吸器内科に胸膜石灰化や縦隔リンパ節腫脹でコンサルトしてた。結核などは否定的で、アミロイドーシスによるものだろう、というコメントされた。
内科各科に相談できるというのはうらやましい限りだ。ただ予後・治療方針を考慮すると、検査し過ぎな印象はある。治療し過ぎということはないと思うが。
ステロイド投与の適応があるかと思うが、胃癌だとそれで食欲が出るかどうかわからない。
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