なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

喘息と強皮症

2023年04月29日 | Weblog

 強皮症で現在、当院のリウマチ膠原病外来(大学病院から出張)に通院している67歳女性は、何度か外来と入院で診ていた。

 2010年咳と痰が続くという訴えで内科外来を受診した。症状は30歳代からあったそうだ。胸部X線・CTで軽度だが下肺野背側の胸膜下に間質性肺炎像(網状影)と気管支拡張像があった。

 手指の腫脹とレイノー症状があった。膠原病の検査で抗核抗体(≧1260倍)・抗Scl-70抗体・抗セントロメア抗体が陽性だった。

 地域の基幹病院呼吸器内科に紹介したが、経過観察となったようだ。その後、看護師をしている娘さんから、膠原病で有名なクリニックを勧められて受診したが、限局性強皮症(CREST症候群)と言われて経過観察となった(と後で聞いた)。

 

 2013年に発熱・咳・喘鳴で受診したクリニックから当院に紹介された(クリニックには高血圧症などで通院)。胸部X線・CTでわずかに気管支肺炎像を認めて、炎症反応は軽度だった。

 抗菌薬とステロイド(デキサメサゾン)を投与して、すぐに解熱したが、咳・喘鳴の軽快には1週間以上を要した。もともと風邪症状がある時には、本人の話では喘鳴を伴っていたそうだ。長く話をすると、咳き込むという症状があった。夏に症状は軽減する。2010年の間質性肺炎の症状?としていたのも、喘息の症状だった。

 喘息の治療(ICS吸入とLTRA内服)を継続として、当院の呼吸器外来(大学病院から出張)に通院とした。1年ちょっと通院して、2015年には通院しなくなっていた。

 

 2020年にクリニックから肺炎で紹介されて入院した。喘息薬は休止のままになっていた。咳き込むと喘鳴が聴取された。抗菌薬とステロイドで軽快して、喘息の治療(ICS/LABAなど)を再開した。

 軽快後は呼吸器外来に通院して喘息の治療が継続されていた。2021年にも胸部CTで肺炎はなかったが、気管支喘息発作を来して入院した。デキサメサゾン投与で軽快して、ICS/LABA吸入継続とした。

 知人は地域の基幹病院を受診してすっかり良くなった(疾患は不明)ので自分も受診したいと希望された。紹介したが単に現在の治療継続となって、結局当院呼吸器科外来に通院していた。

 

 2022年6月から当院でも月2回(隔週)リウマチ膠原病外来(大学病院から出張)が開始となった。呼吸器科で診ている先生が、強皮症の評価がされていないのでご高診下さいと紹介した。

 手指のこわばりがありユベラが、レイノー症状があるのでリマプロストが開始された。目の渇きと口渇も訴えたが、抗SS-A抗体・抗SS-B抗体は陰性だった。胸やけがあり、以前からPPIを内服しているが、上部消化管内視鏡検査はやりたくないと拒否している。

 

 胸部CTは2021年に撮影されたもので、その後は胸部単純X線のみになっている。胸部X線では細かい病変はわかりにくいが、肺底部の硬さ?はわかる。

 今度は呼吸器科外来が少なくなり、通院している呼吸器科もその曜日の診療はなくなってしまう。次回からはリウマチ膠原病科で喘息の処方もお願いします、となっていた。

 

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