なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

子宮癌疑い、両側水腎症

2022年01月16日 | Weblog

 先週の金曜日に、53歳女性が両下肢の浮腫で内科外来を受診した。担当は大学病院からバイトに来ている先生だった。

 昨年の11月から下肢の浮腫があり、次第に進行していた。尿の出が悪いことも自覚していた。48歳で閉経したが、1年前から不正性器出血が続いていた。母親の介護があり、受診できなかったそうだ。

 

 別の患者さんのCT像を放射線科に見に行った時に、この患者さんのCT検査が終わったところだった。子宮が著明に腫大している。両側の水腎症・水尿管症を呈していた。胸水・腹水もある。

 子宮癌が伸展により両側尿管が圧排されてしまったようだ。癌性胸膜炎・癌性腹膜炎になっていれば、完全な進行癌だ。内科から婦人科外来に紹介になるらしいと聞いた。

 産婦人科医は、子宮癌疑いとして、がんセンターに紹介することにしていた。翌週の火曜日に予約がとれた。ところが血液検査で血清クレアチニンが5mg/dlと上昇していた。尿路閉塞による腎後性腎不全だった。腎瘻造設を要する。

 がんセンターの泌尿器科に相談したが、すぐの受け入れは難しいという。地域の基幹病院に当たってみるか、など紹介先を考えていた。

 

 当方の診ていた患者さんを地域の基幹病院呼吸器内科に搬送して、医局に戻った時に産婦人科医にどうなったか訊いた。がんセンターで大学病院に当たったが、泌尿器科の受け入れが難しかった。

 医療センターの泌尿器科は、腎瘻造設を2件行うところで、受け入れは無理だった。結局県内有数の市立病院で受けてもらえることになった。産婦人科医はその後救急車に同乗して、市立病院に向かった。

 

 もっと早く受診してほしいが、事情もあるのだろう。不正性器出血が1年間続いたが、放置してしまったということになる。

 

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