なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

モルヌビラビル

2022年01月15日 | Weblog

 新型コロナウイルス治療薬のモルヌピラビルが2021年12月3日に特例承認された。それを受けて、院内に入れておくべきかという話になった。

 基本的には入院にならない患者さんで使用するので、外来処方になる。処方箋を出せば、調剤薬局で処方して、患者さんに届けてくれるそうだ。院内で使用する可能性もあるので、患者さん数人分は常備した方がいいのだろう。(配給先では、当院用には患者さん3名分は確保しているそうだ)

 

 モルヌピラビルは商品名ラゲブリオカプセル200mgで、効能効果は「SARS-CoV-2による感染症」となっている。18歳以上に、1回800mgを1日2回、5日間経口投与する。

 ラゲブリオカプセル200mgを1回4カプセル1日2回内服する。1日に8カプセルで、5日間で40カプセルの内服になる。1カプセルが長径21.7mmなので、けっして小さくはない。

厚労省がMerck社のモルヌピラビルを特例承認、初のCOVID-19経口 ...

 適応としては、軽症者・中等症Ⅰ(肺炎はあるが、酸素吸入不要)に使用する。ただし、重症化リスク因子のある患者さんにしか投与できない。

 そして重症化リスク因子は、数種類の基準のうちどれを使用してもいいという、何だかちょっと曖昧な基準になっている。

 

感染症学会の「重症度リスク因子を有する等、本剤の投与が必要と考えられる患者」は
・61 歳以上
・活動性の癌(免疫抑制又は高い死亡率を伴わない癌は除く)
・慢性腎臓病
・慢性閉塞性肺疾患
・肥満(BMI 30kg/m2 以上)
・重篤な心疾患(心不全、冠動脈疾患又は心筋症)
・糖尿病
・ダウン症
・脳神経疾患(多発性硬化症、ハンチントン病、重症筋無力症等)
・コントロール不良の HIV 感染症及び AIDS#
・肝硬変等の重度の肝臓疾患
・臓器移植、骨髄移植、幹細胞移植後

 

 重症化を30%阻止するというが、もう1種類のファイザーのパクスロビドの方は重症化を90%弱阻止するそうだ。どっちを使用するかとなると、パクスロビドの方を使用したくなる。こちらももうすぐ特例承認される。

 

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