なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

胃癌穿孔のはすだが

2016年10月27日 | Weblog

 2週間前に、90歳男性が腹痛で救急外来を受診した。この方は5月に食欲不振・嘔吐で内科に入院した。重度の貧血があり、胃癌による幽門狭窄と判明した。外科医と相談してバイパス手術を予定していたが、さらに感染巣不明の発熱もあり、結果的には感染性心内膜炎だった。抗菌薬投与して、なんとか胃空腸吻合術にこぎつけた。

 術後経過は良好で退院可能となった。普通はそのまま外科で経過をみるが、心内膜炎の問題があり、内科外来で経過をみることになった。月に1回内科外来に通院していたが、畑仕事をしているという元気さだった。

 早朝に腹痛で受診した時は、外科医(手術した外科医ではない若い先生)が当直だった。腹部X線・CTで腹腔内に大量の空気が漏れていて、胃癌の穿孔と判断された。家族と相談して、保存的に経過をみることになった。手術をした時に、3~6か月くらいもてば、という話になっていたので、家族もその方針に同意したそうだ。

 入院後、経過は良好だった。再検しても腹腔内の空気はあまりかわらなかったが、ガストログラフィンで造影すると、漏れはなかった。穿孔部位は不明ということになる。担当医は何かが(たぶん大網)うまく覆ってくれたのではないかという。全粥食を食べても問題がないので、「退院させますから、また内科外来でお願いします」、と言われた。何で丈夫なんだろう。

コメント (1)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 急性間質性肺炎 | トップ | 胆嚢結石から総胆管結石へ »
最新の画像もっと見る

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
外科医って (シロート)
2016-10-27 21:44:09
この手のタイプ・・・
多いですよね?
返信する

コメントを投稿

Weblog」カテゴリの最新記事