なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

レジオネラ肺炎

2024年02月16日 | 呼吸器疾患

 2月15日(木)に感染管理ナースから、レジオネラ肺炎がありました、と報告がきた。2月14日(火)に入院した70歳男性だった。

 2月13日から40℃の高熱があり、悪寒もあった。咽頭痛、咳・痰があった。発熱外来でコロナとインフルエンザの迅速検査が陰性と判明して、内科外来に回された。

 高血圧症・糖尿病・高脂血症などで当院の内科外来に通院していて、担当医がちょうど外来に出ていた。血液検査で炎症反応の上昇(白血球11600・CRP)があり、画像検査で右肺炎を認めた。

 入院してセフトリアキソンが開始されたが、高熱が続いた。15日は呼吸器外来(大学病院から応援医師)があり、そこで相談していた。入院時にしていなかった肺炎球菌とレジオネラの尿中抗原検査を行うと、レジオネラが陽性だった。

 入院時の検査を見ると、筋原性酵素がCK 254で、肝機能がAST 65・ALT 60と上昇して、血清ナトリウムが133と低下している。腎機能はふだんも血清クレアチニンが1.15程度だが、1.51と上昇している。

 消化器症状は下痢などはなく、食事摂取もできなくはない。入院翌日に頭部CTを撮影したので、軽度の意識障害があると判断したのかもしれない。(高熱があるので、それだけの影響かもしれないが)

 一応レジオネラ肺炎を疑うヒントはあった、ということになる。画像に奇異な印象があると思っていたといっていたので、通常のβラクタムで数日診て効果がなければ、非定型肺炎の治療にはなったのだろう。

 抗菌薬をレボフロキサシン(点滴静注)とアジスロマイシン(経口)に切り替えて、レジオネラ肺炎の治療が開始された。患者さんは温泉には行っておらず、循環式のお風呂でもないそうだ。

 

 病棟で担当の先生に、レジオネラ肺炎はどのくらいありますか、と訊かれた。年に1例くらいでしょうか、とお伝えした。

 別の内科の先生は急性肺炎の患者さんは全部肺炎球菌とレジオネラの尿中抗原を出していて、それでレジオネラがひっかかったりしている。それをお伝えすると、私もそうしようかな、といっていた。

 

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 院内勉強会~インフルエンザ | トップ | 急性心不全 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

呼吸器疾患」カテゴリの最新記事