なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

再燃した肺炎・胸膜炎

2020年10月27日 | Weblog

 今月中旬に、42歳女性が発熱・右胸痛(吸気時の胸膜痛)で内科クリニックから紹介された。その日は土曜日で、内科の若い先生(地域医療研修の内科専攻医)が日直をしていた。

 胸部X線・CTで右胸水を認めて、白血球11900・CRP21.6と炎症反応上昇もあった。経過は3日間なので、入院して急性の胸膜炎としてセフトリアキソンで治療を開始していた。喀痰はまったく出なかった。尿中抗原検査は肺炎球菌もレジオネラも陰性だった。

 入院後はすぐに解熱して、翌々日には炎症反応も白血球6500・CRP14.2と軽快していた。セフトリアキソンは5日間使用して、退院後はパセトシン(ABPC)内服とした。

 

 先週の木曜日の午後に発熱・右胸痛(吸気時の胸膜痛)で内科外来を受診した。入院時に主治医だった若い先生が外来からの連絡で診察した。

 胸部X線だけだが、胸水貯留が同程度あるくらいだった(と見えた)。白血球10600・CRP4.6と上昇していた。どうしましょうかと相談された。(肺炎球菌抗原を再検していたが陰性だった)

 入院治療期間が5日間と短すぎる気はしたが、抗菌薬内服にして継続している。起炎菌が不明ではあるが、悪い対応ではない。

 抗菌薬内服をオーグメンチン・サワシリンのオグサワ(当院はサワシリンではなくパセトシンだが)にして、5日後にフォローとした。

 レボフロキサシンにすべきか迷ったが、その時は治りにくい胸膜炎という認識だったので、翌週呼吸器外来(大学病院から)の先生に相談するまで、結核に効いてしまうレボフロキサシンは避けた。

 

 土曜日の当方が日直をしている時に発熱・右側胸部痛が続くとして再受診した。白血球11200・CRP22.0と炎症反応がぐっと上昇した。木曜日は再発・再燃したばかりでの受診と判断される。

 入院治療になるので、胸部CTで確認することにした(木曜は年齢を考慮してCTは避けていた)。思いがけず、右肺の上葉(S2)に浸潤影を認めた。胸水も増加していた。木曜日の胸部X線を確認したが、その部位の浸潤影は指摘し難い。

 やはり痰はまったく出ず、培養ができなかった。前回入院時のセフトリアキソンを再開して経過をみることにした。入院後は37℃台の微熱が続いたが、食欲は良好だった。

 今日は解熱していた。白血球4500・CRP9.7と炎症反応も軽減している。セフトリアキソンが普通に効いている。

 若い先生が呼吸器科外来に来ている先生に訊いたところ、胸膜炎だと長めの抗菌薬投与が必要、と言われたそうだ。それにしても培養を出せていないので起炎菌が不明だが、何菌なのだろうか(定型肺炎のどれかだと思うが)。

 

 

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