金曜日に、発熱外来を担当していた外科医から連絡がきた。透析を受けている60歳代後半の男性が、1週間前から発熱が出没していて、今日検査したところ右肺炎を認めたという。
透析患者さんは、透析日には自宅で体温測定をして、申告することになっている。この患者さんはどうも適当に言っていたらしい。その日は発熱があることが発覚したのだった。
患者さんの名前を聞くと、懐かしい名前だった。6年前まで糖尿病で内科外来に通院していた。発症後に治療を受けていなかった(放置期間が長い)ことから、腎症が進行していた。透析前の血糖コントロールはむしろ良いという状態だった。
腎臓内科併診から透析導入になった。そのころ一人で腎臓内科・透析を診ていた先生に加えて、大学医局から短期間腎臓内科の若い先生が常勤で来ていた。その先生が患者さんに透析導入の話をしたところ、透析はしないと言い張った。
透析導入が保留となり、その若い先生が当方に「説得できなくてすみません」、と言われた。いやいや、むしろこちらの方が、すみませんだった。その後、なんとか説得に応じて血液透析が開始となった。(奥さんの、家族のためにも受けてほしいという説得が効いた)
1年経過した頃に、この患者さんのことでもめていた。透析を拒否してしばらく病院に来ていなかった。病院から何度も電話を入れて、奥さんは申し訳ないと謝っていたが、本人は来なかった。結局呼吸困難になって、病院に駆け込んできて透析が再開された。
胸部X線・CTを見ると、外来で治療できそうだ。入院は嫌がるので、まず外来治療を開始してもらうことにした。透析患者さんでも使用できる完全肝代謝のアベロックス400㎎の処方をお勧めした。
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