なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

おろおろ

2018年07月14日 | Weblog

 火曜日に内科新患を診ていると、再来に通院している83歳女性が受診した。別の病院に移った内科の若い先生が高脂血症や便秘で診ていて、その後は大学病院から来ているバイトの先生の外来になっていた。睡眠薬(マイスリー)も処方されていた。数人の先生が交代で来るので、眠れないと言われても睡眠薬を出すだけになっている。

 3月か4月ごろから睡眠薬を飲んでも眠れなくなったという。寝つきも悪いが、早朝に覚醒してその後は眠れなくなる(実際は少し寝るらしい)。イライラとして気持ちは焦るが、家事は何も手につかない。次々と心配になってくる。死んだ方がましだと言っていた。あまり気分の日内変動はないようだ。食欲はあり、体重減少はなかった。

 誠実そうな夫が付いてきていて、どう対応してわからないくて困惑していた。これといって家庭内に問題があるわけではない。発症時よりも症状は強くなっているようだ。

 他県の(当院は県境にある)総合病院に行ってみたそうだ。そこは精神科の外来があるが、ドクターは1名だけなので、外来診療と院内のコンサルトを行っている(と聞いている)。紹介状もないので、結局受診はできなかった。

 自分でも精神的なものとある程度自覚はしていた。夫もそう思っている。認知症ではないようだ。焦燥感が強いタイプ(春日先生のおろおろ型)のうつ病なのだろうか。CareNeTVの講義ではSSRIは気持ちをあおってしまうので、むしろ四環系の鎮静作用のある抗うつ薬がいいということだった。

 当地だと受診しやすい精神科クリニックはなく、精神科病院になってしまうので、受診を嫌がる患者さんが多い。この患者さんは勧められれば受診する気はある。念のため甲状腺機能を含めて血液検査をしてみたが、異常はなかった。精神科へ紹介することにした。

 紹介先の精神科病院は紹介状はあっても。患者さん本人が病院に電話して、担当の看護師さんからいろいろ問診を受けてから受診が決まるというやり方だった。さっそく電話してもらうと、どうしても症状をうまく説明できないようだ。電話での応答自体に疲れてしまい、また電話しますと言ってしまう。電話を代わって、症状を伝えてぜひ専門の精神科医に診ていただきたいとお願いした。翌々日の予約の間に入れてもらえることになった。

  

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