4月15日に地域の基幹病院呼吸器内科から81歳男性が転院してきた。内科の若い先生に担当をお願いしていた。
2月1日に歩行障害・構語障害で先方の病院の脳神経内科に入院した。(そのことについての詳細は記載されていない)入院中に右肺は腫瘤性病変が疑われたが、結論としては右膿胸と診断された。
胸腔ドレナージと抗菌薬投与で軽快したが、経口摂取が進まなかった。転院直前まで、膿胸に対する抗菌薬投与が行われていて、当院に転院後も37℃台の発熱が続いた。
胸部X線では右膿胸は軽快していたが、当院で抗菌薬投与を継続していた。1週間後から38℃の発熱があり、肺炎の悪化はないことから、右内頸静脈から挿入されていた中心静脈カテーテル関連血流感染が疑われた。
血液培養2セットとカテーテル先端(抜去後)培養からカンジダが検出された。カンジダの菌種同定は外注検査として提出され、カンジダ・パラプシローシスだった。投与していたミカファンギン(ファンガード)は感受性があった。
右大腿静脈から中心静脈カテーテルを再挿入していた。内頚静脈のカテーテル抜後も発熱が続き、カンジダの菌種が判明する前だったので、感受性がない可能性も考えられていた。
再度行った、血液培養からグラム陽性球菌が検出されて、(大腿静脈から挿入した)中心静脈カテーテル関連血流感染が疑われた。
またカテーテルを抜去して、末梢静脈からの点滴に切り替えていた。グラム陽性球菌の菌種・感受性判明までバンコマイシン併用も開始された。
血流感染が続くのはちょっと珍しいかもしれない。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます