先週の金曜日に74歳男性が外傷で救急搬入された。車を運転していて、道路の側溝にタイヤがはまってしまった。そのことでは特に打撲もしていない。車から外に出た時につまずいて顔面を打撲したのだった。
現場に到着した救急隊が体温を測定すると、39℃の発熱があることが判明した。前日から調子が悪かったが、呼吸器症状はなく、嘔吐と下痢があった。
救急当番の内科の若い先生た診て、腸炎疑いとして入院で経過をみることになった。かなりの飲酒家で、入院して経過をみることになったが、飲酒できなくなることを心配していた。
血液検査では、白血球4400・CRP1.1で、肝機能障害(AST 58、ALT 16、γ-GTP 348)があった。確かにアルコール性肝障害のパターンだった。
発熱の検索として胸腹部CTが行われた。肺炎像はなく、消化管の所見も有意なものはなかった。肝臓はみごとに脂肪肝で、肝実質と血管の濃度が逆転している。
入院後は点滴で経過をみるだけで解熱して、食事もとれるようになった。入院後離脱症状はなく、短期間で退院できそうだった。
肝機能障害があって単純性脂肪肝疑いだと、画像検査は腹部エコーまでなので、通常CTまでは行わない。久しぶりに脂肪肝のCT像をみた。
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