なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

思いがけず髄膜腫

2014年08月04日 | Weblog

 85歳女性が右下肢の脱力で救急搬入された。ふだんは糖尿病・高血圧症で内科外来に通院していた。17年前に腰椎硬膜外血腫で手術を受けていた。両手で杖を使って自宅内は歩いていたが、先月末に右下肢脱力が出現してからは這って移動していた。息子を二人暮らしで、近くに住む娘が生活の支援や病院への送り迎えをしていた。転倒してからというが、打撲はあったかもしれないが骨折はない。脱力のために転倒したようだ。

 救急外来の担当医がは脳梗塞を疑って、頭部CT,頭部MRIを検査した。脳出血も脳梗塞もなかったが、左傍矢状洞部に石灰化を伴う髄膜腫を認めた。病変を指摘してくれた放射線科医に症状があうのではないかと言われた。脳外科は大学病院からの応援医師だった。コンサルトすると脳溝がまだ保たれていて。浮腫を伴っておらず、髄膜腫による症状ではないようだという(脳外科外来でフォローにはなった)。どちらかというと、感覚障害のほうが出る位置にあるが、感覚障害はなかった。腰椎MRIを整形外科医にみてもらったが、多少の椎間板ヘルニアはあるが、症状を説明できないという。

 患者さんもひどい時よりは少し改善しているという。尿混濁があって、炎症反応が少し上がってもいた。日中ひとりの生活でそのまま帰宅というわけにもいかないので、入院とした。脱水症をきたしているほどではないと思われたが、点滴と抗菌薬で経過をみることにした。

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