なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

急性大動脈解離

2024年09月21日 | 循環器疾患

 9月20日(金)朝病院に来て控室で着替えていると、前日の当直だった内科の若い先生が着替えを取りに入って来た。大動脈解離の患者さんがwalk inで受診して、という。

 午前4時半過ぎに、70歳代前半の男性が職場の上司に支えられて受診した。工場のラインを洗浄する仕事(夜勤)をしていた。午前1時ごろに背中に重苦感が発症して、しゃがみこんでしまったという。少し様子をみていたのだろうが、症状が続いて、病院に連絡を入れないで直接受診した。

 受診時、血圧が65/51と低下していた。脈拍数は70/分、酸素飽和度98%(室内気)、体温36.0℃。意識障害はなく、会話はできる。

 リンゲル液で血管確保して、検査を行っていた。心電図は正常洞調律でST-T変化はまったくなかった。胸腹部CTは単純CTだが、大動脈起始部から胸部下行大動脈まで解離して、心嚢液(血液)が貯留していた。

 地域の基幹病院に連絡したそうだが、心臓血管外科はないので、受けられないといわれた。(若い先生はその辺の事情はまだわかっていなかった)。循環器センターのある病院に連絡して、搬送となった。

 大動脈解離の診断には造影CTが必要になる。いちおう単純でもわかったので、この血圧だとあえてこちらでやらなくていいかと思う。搬送前の血圧は点滴で90にはなっていた。

 

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