なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

類白血病反応

2019年06月28日 | Weblog

 月曜日に肺炎球菌肺炎で入院した82歳男性は、内科の若い先生(地域医療研修の内科専攻医)が担当していた。肺炎はセフトリアキソンで解熱して、患者さんも元気いっぱい(本人の言い方)になっていた。このまま順調に治りそうだ。

 相談されたのは、貧血についてと、白血球数が多すぎることについてだった。入院時は赤血球数278万・Hb8.5g.dl・Ht27.5・MCV98.8だった。27年前に胃全摘術を受けている。また血清クレアチニン2mg/dl台の慢性腎臓病があった。

 血清鉄・血清フェリチンが低下していて鉄剤補充を要した。血清ビタミンB12低値もあって、大球性+小球性を想定したが、ビタミンB12の低下はなかった。鉄欠乏性貧血+腎性貧血ということか。

 入院時の白血球数29200とかなりの高値で、両側肺炎で炎症が強いのだろうくらいに思っていたが、翌日に再検で白血球54300とさらに上昇していた。骨髄球1%以外に白血球分画に異常はなかった。

 昨年腎臓内科の外来(大学病院からのバイト)を受診した時の結果が残っていて、白血球数は6700と正常域だった。今回の肺炎に伴う類白血病反応と判断された。肺炎が軽快治癒した時の白血球数がそこまで戻れば問題がない。翌々日の結果は白血球数29900と下がってきて、左方移動も軽快している。

 年齢の割に元気な患者さんなので、要するに免疫力がある(戦闘力充分)ということ?。

 

 今日は午後から地域の基幹病院に感染管理の相互評価で伺う予定になっている。感染管理の認定看護師さんに任せているので、いつも先方の係りである呼吸器内科の先生の顔を見て、細菌検査担当の女性検査技師さんにからかわれて帰ってくるだけだ。

 

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