なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

COPD+肺炎(+肺癌)

2016年09月11日 | Weblog

 今日は日直で病院に出ている。内科クリニックから連絡が来た。88歳男性の往診をしているが、入院治療が必要なのでお願いしたいということだった。昨年12月に胸部異常影で当院に胸部CTが依頼されている。右上葉に不整な腫瘤影があり、肺癌と診断されていた。もともとCOPDがある。年齢的に経過観察となっていた。

 昨日嘔吐していて、誤嚥性肺炎をきたしたのではないかという。ただ、先月から食事摂取が低下していた。寝たきり状態で、るいそうが目立つ。救急隊は酸素1L/分で搬送してきたが、喀痰吸引すると酸素飽和度が上昇して、酸素なしでもいいくらいだった。

 胸部X線・CTを確認すると、右上葉に腫瘤が前回より若干大きさを増して嵌入像が目立つようになっていた。全体的には肺気腫で、右中葉に浸潤影があった。誤嚥性肺炎として治療を開始した。肺炎は治癒しても、食事摂取が進まずに、誤嚥性肺炎を繰り返すという経過になるかもしれない。

 55歳男性は昨日下腹部痛で救急外来を受診していた。CTで尿道内(前立腺部)に結石があった。アセトアミノフェンの点滴静注で症状が軽快して、内服薬を処方されていた。また同様の痛みが増強しての再受診だった。下腹部は平坦・軟で圧痛はない。昨日の血液検査で血清クレアチニンが軽度に上昇している。尿沈査で赤血球100以上/HPFだから肉眼的血尿だった。尿管結石が下がってきたのなら通常排出するはずだが。ボルタレン座薬もどうかと思って。芍薬甘草湯を内服してもらうと、疼痛は軽減した。尿道結石なのか、明日泌尿器科のある病院を受診してもらうことにした。

 74歳女性が咳が出て苦しいと訴えて受診した。看護師さんから、要注意の患者さんですと言われた。時間外の受診が多い方だった。内科クリニックに通院しているが、他のクリニックも受診していた。症状を訊こうとすると、かかりつけ医の悪口から始まった。症状は一昨日からの咳だった。受診した際に胸部X線を撮ってもらえなかったと、怒っていた。発熱があっても微熱程度らしい。

 話を聞くと、1か月以上前から咳が続いて、あちこち受診していた。喘鳴ははっきり自覚しておらず、聴診上もなかった。一日中出るというが、夜間から早朝に多いらしい。胸部X線は異常なかった。胸部X線をとるのに、廊下で待っている時にけっこう激しくせき込んでいた。キャラクターに若干問題があるとしても、れっきとした身体的な問題だった。咳のし過ぎで疲れ切ったというのは本当だろう。感染後の咳かもしれないが、喘息かもしれない。ステロイドを点滴で入れて、経口で3日分内服として、吸入ステロイドで経過をみることにした。

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