山間部の町立診療所から84歳女性が紹介されてきた。8月から微熱が続いているという。内科新患は内科の若い先生(地域医療研修の内科専攻医)だった。
10年前にその診療所(当時は別の先生)からリウマチ膠原病専門の病院へ関節痛で紹介していた。DIP関節なので変形性関節症であること(NSAIDで経過観察と)、検査の結果抗セントロメア抗体が陽性だったが、皮膚硬化やCREST症候群の症状はなく、経過観察とした、という返事がきていた。
そういう経緯があるので、現在の診療所の先生が当地域の基幹病院リウマチ膠原病外来に紹介していた。現時点では膠原病ではないという返事が来たそうだ。
発熱の原因を精査してほしいというのが目的だったので、改めて当院内科に紹介したということだった。ただ微熱だけで、炎症反応はずっと陰性だった。発熱以外の有意な症状もない。
若い先生は一通りの血液検査と胸腹部CTを施行した。やはり炎症反応は陰性で生化学検査でもこれといった異常はない。胸腹部CTでも特に異常は認めなかった。これだけで精査といえるかという問題はあるが、これ以上の検査(血液培養などの各種培養、骨髄検査など)はやり過ぎになりそうだ。
現在特に異常を認めないので、経過を診てくださいという返事を出していた。特に当方には相談されなかったので、それで問題ないと考えたようだ。
若い患者さんならば、習慣性高体温症となるが、この年齢では器質的な疾患を疑いたくなる。國松先生の本によれば、こういう症例だと後から悪性リンパ腫を含めた血液疾患が出てくるのかもしれないが。
先週の土日は臨床リウマチ学会で名古屋に行っていた。昨年東京開催だったので行きたかったが、内科の別の先生の遅い夏休み期間と被ったので行けなかった。なるべく素人が聴いてもわかりやすそうな講演を選んで聴いていた。膠原病の皮膚病変の講演と、膠原病の自己抗体の講演が特に良かった。お土産は定番のういろうしか思い浮かばなかった。学会のイブニングセミナーでういろうが出たが、そんなにおいしいものでは・・・。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます