Chang! Blog

福岡のハングル検定準2級建築士、そして一児の父の[ちゃん]のブログです

GW韓国【9】空港鉄道、いよいよ本領発揮!

2013年05月11日 | ■韓国
 仁川空港へのアクセス鉄道・空港鉄道は2007年の開業以来、批判にさらされてきました。少ない乗客、国による巨額の赤字補てん、華美に過ぎる施設…
 当初は金浦空港から仁川空港間の部分開業で、市内へは乗り換えが必要とあっては利用が少ないのも当然。ソウル駅まで全線開業で、初めて本領発揮できる路線でした。

 苦節3年半が過ぎ2010年末、ついに空港鉄道は全線開業。ソウル駅から仁川空港まで、最速43分で結ばれました。
 今回の旅は船+鉄道だったので仁川空港に用はないのですが、ノンストップ43分を体感したくて、ソウル市内から仁川空港まで往復してみました。


 巨大なソウル駅のコンコース。


 空港鉄道の乗り場は、端の方にあります。ハングルを解さない人は、IBK(企業銀行)の看板を目印にした方が分かりやすいかも。


 コンコースからは長いエスカレーターを乗り継ぎ、下って行きます。同じ駅内とは言っても、列車からの乗り換えには15~20分くらい見ておいた方が良さそうです。
 地下鉄1、4号線からの乗り換えだとさらに遠く、直通の地下通路がないため、ソウル駅のコンコースに一度上がらねばなりません。地下鉄駅からソウル駅の通路はいつも混み合ってて、荷物が多いと辛いかも。市内からなら、路上から乗れるリムジンバスがラクかもしれません。


 仁川空港まではノンストップの「直通」と各駅停車の「一般」があり、改札口はフロアで分かれています。早くて快適な直通は、オレンジ色のサインを目印に。
 カウンターの奥には都心空港ターミナルがあり、飛行機への手荷物はここで預けることも可能。旅行の最終日はまずここで荷物を預け、身軽になって最後の観光!がツウの利用法…という記事を見たことがあります。なにせ飛行機をあまり使わないので、このあたり少し疎いです(^^;;


 直通列車の切符もICカード式。入場時はタッチ、出場時は改札口に投入します。裏面に座席番号が記載されていますが、何度も使ううちにすり切れるのか、券面はなんとも見にくかったです。
 直通電車の空港までの運賃は、13,800ウォン。15,000ウォン前後のリムジンバスより早くて安いのですが、利用が低迷しているのか現在は8,000ウォンの特割運賃になっています。


 リクライニングシートが並ぶ直通電車。乗車率は2割といったところでしょうか…土曜日で、日本はGWであることを考えると、少し寂しい気も。一般列車乗り場へのエスカレーターは混み合っていたので、あちらの乗り具合も気になります。


 ソウル市内を地下で駆け抜け、初めて地上に出るのは漢江を渡る時。


 主に国内線が発着する「ソウルの羽田」こと金浦空港も通過して、仁川空港へと急ぎます。車窓にはライバル、空港座席バスの姿も。「直通」と互角のスピードで走ります。


 広大な干潟を眺めながら。雄大な車窓が広がります。シーズンには空港から先の海岸まで「海列車」も走り、レジャー客の獲得にも頑張る空港鉄道です。


 巨大なガラス張りドームの、仁川空港駅着。KTXを迎える計画もあり、ホームの増設工事が進んでいました。


 直通列車の乗客用ラウンジ。会社の応接室みたい。


 仁川空港でも直通と一般の改札は分かれており、ターミナルからなら右手の、オレンジの改札が目印。直通の運行間隔は30分で、先発する一般に乗ってしまった方が早いシーンも多いのですが、せっかくの旅行なら、くつろげる直通がおすすめです。


 空港見物もそこそこに、空港駅に引き返します。


 帰路は一般列車で。青の改札が目印です。


 ソウル駅行きの一般列車に乗り込みます。


 空港から2駅の雲西駅で降りてみました。
 自転車の積み込みは、空港鉄道でもOK。島の海岸サイクリングを楽しめます。


 雲西は永宗島内の街なのですが、さすが鉄道で陸続きになると、「島」らしい風情には乏しくなります。高層ビルが立ち並ぶ、ありふれたソウル郊外の街になっていました。


 雲西からの電車は席が埋まっており、立つことに。ガラガラのイメージがあった空港鉄道ですが、全通効果か!?
 ただ夕方の市内行きの利用者は空港勤務者がメインのようで、身軽な服装の乗客が目立ちます。仁川市内に住む人が多いのか、仁川メトロとの接続駅の桂陽で降りる人が多く、席にもありつけました。


 金浦空港で乗ってくる人も少なく、地下鉄他線に比べて、空席も目立つままソウル市内へ。弘大前駅で下車。土曜日の夕方、繁華街のこの駅で降りる人も多く、普通の電車としての利用も多い様子が見て取れました。

 バスが根付いた中、高速の直通列車をもってしても需要の切り崩しは容易ではないようですが、渋滞に左右されない頼れる足として頑張ってほしいものです。

GW韓国【8】エバーライン、難産の末に開業

2013年05月11日 | ■韓国
 新盆唐線を亭子駅で降り、さらに盆唐線で下ること20分。京畿道の龍仁(ヨンイン)市・器興(キフン)駅にやってきました。始興駅を基点に、韓国最大とも言われるテーマパーク「エバーランド」を結ぶ路線が、龍仁軽電鉄・通称「エバーライン」です。

 エバーラインの施設そのものは2年前に完成、試運転や試乗会も行われ開業まで秒読みという段階でした。ところが、運営会社と自治体の間で紛糾。以来、2年間も放置されてしまうという事態を招くことに。

 韓国初の軽電鉄…日本流に言えば新交通システムになるはずだったエバーラインですが、この間に釜山金海、議政府の2路線が開業。先の読めない展開が続いていましたが、紆余曲折を乗り越え、4月26日に韓国3路線目の新交通として開業しました。

 5月5日、開業9日目の「難産の新交通」に乗ってきました。


 立派な、エバーラインの器興駅。接続する盆唐線も開業間もなく、駅前らしい町並みはありません。幹線道路が走り、駅前の工事も続いていて、雑然とした雰囲気になっています。


 改札口には、少しずんぐりした改札機が並びます。Tマネーなどの交通カードは使えますが、首都圏統合運賃制度には加入していないため、盆唐線から乗り継ぐ場合は初乗り運賃から別払いになります。
 乗り継ぎ割引のあるバスに比べて、ハンデになりそうです。


 エバーラインは新交通ながら鉄軌道、鉄車輪を採用しており、線路の真ん中にはコイルが。大江戸線や七隈線と同じリニアモーター方式で、加減速や登坂性能に優れています。


 1両の丸っこい電車が到着。日本や韓国では珍しい形の電車は、ボンバルディア社の製造です。


 金属製のイスが展開する車内は、釜山金海に比べて広め。1両運行ではありますが、通勤時は3分、休日昼間でも6分という高頻度運行で輸送力を確保しています。器興駅の発車時では、空席をかなり残していました。
 発車時には「手すりにお掴まり下さい」との放送が流れるのはダテではなく、ぐっとGを感じるほどの加速を見せます。


 無人運転なので、前後の車窓は思いのまま。物珍しさから前後には人垣ができていました。子どもは大喜び、写真を撮る人も多く、開業から日が浅い雰囲気を感じ取れます。
 市内に近付くにつれて乗客も増えてきて、吊り革がふさがるほどの混雑に。ソウルへと続く足としてよりは、都市内の気軽な街乗り電車として使われている様子が伺えました。このあたり、釜山金海新交通に通じるところがあります。


 30分あまりで終点の前垈・エバーランド駅着。ホームとの段差は最小限で、ベビーカーでも乗り降りはラクラクです。


 エバーランドは、園内にプールやサファリまで擁する一大レジャーランド。正門までは、シャトルバスに乗り継いで行きます。韓国でも子どもの日だったこの日、エバーラインに乗り親子連れで訪れた人も多かったようです。
 ただソウルから乗り継いでくれば2時間以上の道のりとなり、代表的なアクセス路線とはならないでしょう。ディズニーランドに向かう京葉線の混雑とは、天地の差です。


 さて、途中の車窓からは2駅間に渡って連なる「市」が。興味を持ち、金良場(キムニャンジャン)駅で降りてみました。


 常設の市場ではないようで、調べてみれば古くからの歴史を持つ「五日市」とのこと。この日電車が混んでいたのは、五日市に行く人が多かったのも理由だったようです。
 地域の足として、地に足を付けた経営こそ成功の鍵と思えた、庶民的なエバーラインの沿線散歩でした。

GW韓国【7】新時代の地下鉄、新盆唐線

2013年05月11日 | ■韓国
 5月5日、ソウル南部にできた新しい地下鉄路線、新盆唐(シンプンダン)線に乗ってきました。
 新盆唐線は、9号線に続いて民営で開業した高規格路線。従来のKORAIL盆唐線にほぼ平行しながらも、最高時速90kmの高速走行で差別化。代わりに追加運賃がかかるという運賃体系も唯一で、計画中のGTX(首都圏高速度大深度地下鉄)の成否を占う路線とも言えます。


 新盆唐線は、江南(カンナム)駅が始発駅。2号線からは、動く歩道を経由しての乗り継ぎです。
追加運賃徴収のために乗り換え改札口がありますが、自動改札機は他路線で見かけない、スリムでスタイリッシュなタイプ。コンコースも百貨店の地下のような雰囲気で、電飾広告も華を添えます。

 なお追加運賃は700ウォン(約70円)。在来の盆唐線に比べ、区間によっては30分近い時間短縮になることを考えれば、安い「急行料金」と思います。ただ現地では高いという反応が多いようです。


 新盆唐線は赤と黒をイメージカラーとしていますが、ラインカラーを用いた乗り換え案内にはどうしても他の色を使わねばなりません。新盆唐線ではそれらを、パステルカラーにアレンジして展開していました。


 新盆唐線の愛称は、DX Line。地下鉄1号線のラインカラー変更(赤⇒紺)以来封印されてきた赤の帯は、韓国の地下鉄のリーダーシップを担っていくという自負の現れ…かな?


 車内のシート色はうってかわって、青とオレンジ。スタンションポールも目新しいです。なお他線では認められている自転車の持ち込みは禁止されており、政策に「右に倣え」にならないあたり、民鉄らしいと言えるかも。


 車内のテレビモニタには、速度や次駅までの距離が表示されているのが珍しいところ。駅間ではコンスタントに90kmをマークしており、地下鉄としてはかなり早い方です。駅間距離も最長で8kmあり、速達性に主眼を置いています。


 新盆唐線のもう一つの特徴は、無人運転を行っていること。乗客は最前部まで近づけます。
運転士資格を持つ添乗員さんは乗っていますが、なにやらノートパソコンをずっと扱っていて、特に運転らしい操作は行っていませんでした。立ちっぱなしの乗務は、なかなか重労働かも。


 相対速度180kmのすれちがい。


 途中1ヶ所、トンネルの照明が虹色になる区間があります。


 電飾の装飾もあり、なかなかきれい。退屈な地下での無聊をなぐさめてくれます。


 終点・亭子(チョンジャ)に到着した新盆唐線。韓国の地下鉄ではホームドアが普及していて、車両の全容を掴むのは難しくなっています。

 9号線も従来の地下鉄の概念を打ち破る斬新な路線でしたが、新盆唐線はそれ以上に目新しさ満載でした。路線のさらなる延伸も計画されており、メトロやKORAILと競合するシーンも増えそう。新たなるサービス競争が、各地で始まりそうです。

GW韓国【6】ソウル街歩き

2013年05月11日 | ■韓国
 10年前に韓国留学経験があるとはいっても、留学先はソウルから2時間離れた地方都市。ソウルには、有名どころでも行ったことがない街があちこちあります。一方、慣れた街も3年経てばがらりと表情を変えるもの。今回初めて訪ねた弘大(弘益大学前の学生街)と、東大門・明洞の街の姿です。


 土曜の夕方とあって、どっと賑わう弘大の街。路地裏も、ぶらぶらする人でいっぱいです。


 金のとりから! ソウルでよく見かける「なんちゃって日本語看板」ではない、ホンモノの日本のチェーン店です。


 世界各国へ進出する丸亀製麺も。路上パフォーマンスが繰り広げられるメインストリートに面していて、満を持しての出店なのでしょう。
 日本留学経験者や滞在歴がある人も増え、日本にいた頃を懐かしんで日本食を求める人が増えてきているとか。例えばこれまで、韓国では商売にならないと言われてきたとんこつラーメンの店も、弘大あたりだと経営が成り立つようになってきたそうです。


 2層吹き抜けのカラオケボックス! 通りからも丸見えですが、雑踏を見下ろしながらのカラオケってのも面白いかも。


 ハイレベルな路上パフォーマンスを眺めながらの1杯。


 少し離れると、静かな界隈に出ます。イタリアンの店やオープンカフェが並び、ちょっと高級な店が集まる街のようです。


 現地案内人によると、デートでよく使ってた街だとか。


 高級な街の一角に広がる不思議な風景。右:東京焼き、左:居酒屋京都。
 居酒屋京都の刺し盛りや日本酒は日本より高かったけど、醤油やわさびも日本からの輸入品のようで、なかなか本格的でした。


 一方、こちらは東大門。超高層のファッションビルが立ち並ぶ眠らない街にも、見慣れぬ新しいビルがいくつか建ってました。


 ゆるやかなスロープを上がっていくと…。


 野球場跡に完成した、東大門歴史文化公園が広がっていました。雑多な東大門の雰囲気とはガラリと変わり、コンクリートの壁が自在にうねる、見たことのない公園です。


 工事中の区画もあり、またガラッと変わるんだろうな。


 日本人に人気の明洞の街も、午後10時過ぎというのに足の踏み場もない雑踏でした。あちこちから日本語が聞こえ、日本語の呼び込みや客引きも無数。韓国への観光客は大きく減ったという今年のGWでしたが、それでも異国であることを忘れそうでした。


 明洞も、相変わらずあちこちで工事中。見慣れた店がなくなっていたり、動いていたり。最先端の街は、新陳代謝を繰り返しています。