Chang! Blog

福岡のハングル検定準2級建築士、そして一児の父の[ちゃん]のブログです

韓国・追憶の青春の旅【1】ソウル・夏の夜散歩

2016年08月19日 | ■韓国
 8月、韓国留学時代の先輩がハレの日を迎えることになりました。僕の式にも遠路はるばる駆けつけてくれた先輩の晴れ舞台となれば、万難を排して行く他ないでしょう!
 2ヶ月前には切符を抑え、その日を心待ちにしました。


 出発日の8月19日(金)は5時台に早起き。平日で混雑している西鉄の急行電車で天神へと上り、バスで博多港へとやって来ました。
 最近の訪韓はLCCばかり利用していたけど、鉄っちゃんたるものこれじゃいかんとばかりに、久々にビートル&KTXの乗り継ぎでソウルまで上京です。2ヶ月前の早割を抑えていたおかげで、釜山までは往復7,900円という安さになりました。


 夏休みシーズンの真っ最中というのに、2階席はガラガラ。最近は福岡~釜山のLCC・エアプサンが1日4便にまで増えてきており、ビートルは減船、減便と価格破壊で「守り」に入っています。実際、一度飛行機のラクさを知ってしまうと、ビートルには戻れないという人の気持ちは分かるところ。
 ただ荷物検査もなく、ペットボトルのお茶を携えたまま乗れるビートルの気軽さは、捨てがたいものがあります。


 睡眠不足の解消と、船内テレビで流れるリオ五輪のハイライトを見ていれば、3時間の航海もあっという間(?)。釜山港大橋を渡り、釜山港へと接岸しました。
 1999年に初訪韓した頃から変わらなかった釜山港の国際ターミナルも、ついに昨年8月、移転オープン。移転後、初の釜山上陸です。


 まるで空港のような入国審査場を経て、ターミナルのコンコースへ。待合室は広くゆったり、テナントも増えて、ずいぶん快適なターミナルになりました。
 帰路に見学するとして、今日のところは先を急ぎましょう。


 移転で、繁華街の南浦からは離れてしまいましたが、鉄道旅行派にとっては釜山駅まで徒歩で行けるようになり便利。ターミナルを出れば、釜山駅の裏口は至近距離です。
 日本と同じく韓国も猛暑、徒歩10分も少々辛くはありましたが…


 切符売り場の行列に並んでいたら昼食の時間もなくなってしまったので、駅3階の「本ビビンバ」でお弁当を買って、ソウル行きの高速列車・KTXに乗り込みました。
 深い容器は、まぜまぜするのもスムーズ。本格的な味で、おいしかったです。隣の席のおばちゃんも、「どこで買ったの?中で買えるの?」と興味津々の様子でした。


 13年目を迎えたKTX、座席のモケットが張り替えられ、ちょっと雰囲気が変わりました。

 そして変化は車内サービスにも。従来の車内販売に加え、コーヒーとスイーツを載せたカフェのカートも回るようになっていました。味も市中のカフェと変わらないレベル、その代わりにコーヒーの値段も4,600ウォンとカフェ水準です。
 デビュー時はUCCの本格的なドリップコーヒーを3,000ウォン(在来線の3倍!)で出していましたが、当時は本格的なドリップコーヒーは受けず、薄い韓国式コーヒーに戻っていたKTX。ようやく時代が追いついてきたと言えそうです。


 韓国を縦断して2時間半、午後4時にソウルへ到着。久留米から9時間半の旅路でした。


 地下鉄4号線で1駅、会賢駅へ。地上に出ると、街には激しい夕立が降っていました。最近の福岡ではあまり見ない、夏らしい夕立です。




 本日の泊まり先は、ホテル・レックス。明洞にも近いということで、日本人観光客にも人気のホテルです。
 1万円を切る値段で予約できましたが、部屋割りの都合で無料アップグレード!定価なら3万円近くするデラックススイートになりました。広すぎて、どう使ったらいいのか分かりません。


 夕方6時をまわり、涼しくなったのを見計らって街歩きに出発。4号線と6号線、5号線を乗り継ぎ、漢江の中洲に当たる汝矣ナル駅にやって来ました。
 漢江の底を走る5号線。その川辺の駅とあって、ホームはかなりの深さにあります。駅にはあちこちに、図解入りの「深いですのでご理解をお願いします」との看板が。苦情が多かったのかな…。




 漢江公園までは、駅から歩いてすぐ。暑いこの時期、川辺の公園は夕涼みの人で大賑わいです。韓国でも今年は猛暑で、ソウルは35度を超える猛暑日続き。夕方でもそんなに涼しくはないけど、習慣なんでしょうか。
 レジャーシートを敷いて、ビールを飲んだりカップラーメンを食べたりしつつ、ただ過ごしている人が多かったです。


 漢江名物の遊覧船に乗船! 乗船場が汝矣ナル駅から近い、漢江アラ号です。昼は遊覧のみで15,000ウォン、夜は公演とビュッフェが付いて50,000ウォン以上となかなか高価。ただ今日は「特別な花火コースです」ということで、食事なしの35,000ウォンでした。
 花火?花火大会でもあるのかな? ワクワクしながら乗船しました。


 船はなかなか豪華な雰囲気で、クルーズ気分が味わえます。


 1階のホールでは女性シンガーの公演があっていましたが、やっぱり夜景を楽しみたいというわけで、屋上のデッキに上がってきました。
 スピーカーで聞こえてくる歌声を聞きながら、63ビルに見送られて上流へと上っていきます。




 広い漢江には、時代も構造も様々な橋がかかります。わりとさっぱりした構造のPC橋でも、ライトアップの仕方次第ではいい景観になるものです。


 京釜線は、長距離列車も通勤電車も走る大動脈。ひっきりなしに列車が行き交います。高さもあまりないので、頭の真上を列車が駆けて行き、なかなかの迫力でした。




 上流の蚕室(チャムシル)付近まで来ると、川幅も広がりぐっと涼しくなってきました。久留米では猛暑日続きで、夜も熱帯夜ばかり。ひさびさに感じる自然の風の涼しさに、ほっとします。


 せっかくなので、公演をやっているホールもチラリ。ホールに入ってしまうと、景色はまったく見えなくなってしまいます。
 蚕室までの往復コースなので、往路は公演、復路は夜景という楽しみ方をしている人が多かったです。


 川を下り、再び63ビルが姿を現しました。川辺では「K-POPフェスティバル」をやっていて、大音響で歌声が響いてきます。
 大都会の川辺は、お祭り騒ぎの場でもありました。


 ほとんど船着き場まで戻ってきました。花火はどうなったの…? と思っていたら、案内放送が。船着き場の真横で、打ち上げ花火が始まりました。このクルーズのための花火だったんですね!
 花火大会ほどの規模はないにしても、5分ほど続く花火の見ごたえはなかなか。船上の特等席から見られたので、贅沢な感じもありました。川辺で夕涼みする人たちにとっては、ラッキーな出来事ですね。


 花火の後は少しだけ下り、国会議事堂の夜景を望めました。川辺には屋台が並び、縁日のような雰囲気。時間は間もなく9時だけど、1000万都市・ソウルの夜は始まったばかりです。




 1時間半のクルーズを終え公園に戻ると、涼しくなってきたこともあって、ぐっと人出が増えてました。大道芸やミュージシャンのパフォーマンスを見たり、セグウェイやサイクリングを楽しんだりと、それぞれが夏の夜を満喫してます。
 これだけの人が家でエアコンを使わずに外で過ごしているんだから、省エネの効果もありそうです。


 僕らは地下鉄で明洞へ。チメク(チキン&メクチュ=ビール)を楽しめる店、チルチルにやって来ました。


 もはや新たな韓国料理と言ってもいいチメクですが、こちらの店はチキンにもアレンジを加えています。
 僕らが頼んだのは、クリームパスタと絡めたチキン。チキンだけで楽しんでもよし、パスタと合わせてもよし。カロリーはすごそうだけど、旅先では気にしてもいられません。




 ビールも、生だけで3種類を準備。飲み比べセットもあります。日本でも今年、クラフトビールがブームになりましたが、韓国では輸入モノのクラフトビールが市民権を得つつあるようです。


 夜11時。宵っ張りのソウルにあって、明洞は10時頃に店が閉まる比較的夜の早い街だったのに、昼間のような人通りです。
 大陸からの観光客が多く、街の空気も少し変わりつつあるように感じました。

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