Chang! Blog
福岡のハングル検定準2級建築士、そして一児の父の[ちゃん]のブログです




 家具産業の街として有名な大川市ですが、その他の見どころも、市内の歩いて回れる範囲に集まっています。
 木工まつりの期間でもある4月9日(日曜日)、木工まつり会場以外の大川を巡ってみました。


 西鉄沿線から大川に行くには、主に3ルートがあります。15番バスは直行でラクですが1時間に1本、八丁牟田経由は早くて安いものの本数はさらに限られます。
 柳川以北からだと、もっとも遠回りに見える柳川ルートは、30分に1本の特急に接続するので、結果的には早くなるというパターンが多いです。クルマに乗り慣れていると、なかなか思いつかないルートではあります。


 というわけで、柳川までは西鉄特急で。運よく、観光電車「水都」の運用でした。
 ひさびさに、8000形のゆったりしたロマンスシートを満喫。8000形は夏頃の引退が発表されており、今後乗る機会はそう何度となかろうと思います。


 柳川駅に到着。さすがは桜真っ盛りの観光シーズンだけあって、特急の乗客の8割近くが降りた感じです。川下り乗船場行きのバスもすぐに満席になり、続行便待ちの行列ができていました。
 中国からの観光客も多く、西鉄電車の観光戦略も功を奏しているようで何より。


 一昨年、新駅舎になった柳川駅。駅前広場の整備も進み、木の香りがするバスロータリーが完成しました。
 さすがは観光地の玄関口。西鉄の駅と駅周辺としては、ピカイチの仕上がりだと思います。


 観光地の喧騒を横に見ながら、僕らは大川経由、佐賀行きのバスに乗りました。さすがは幹線系統で、昼間のローカルバスにしては空席が少ないです。
 車窓には、国鉄佐賀線の跡が平行。佐賀柳川線は、国鉄代行バスとしての役割も担っています。


 大川市街地を抜け、まずは県境直前の大川橋で下車。さすがは木工の街、バス停のベンチも木製です。
 筑後川沿いを下って来た久留米からの15番バスも、大川橋が終点。15番も大川市街地まで行ってくれれば何かと便利なんだろうけど、それはまた別のお話し。


 家具産業と水運で栄えた街の栄華を残す、旧三潴銀行。今は三潴銀行記念館になっているはずだけど、扉は開いていませんでした。


 昇開橋の袂まで下ると、なにやら新しい施設ができていました。その名も大川テラッツァ。観光案内所やものづくり体験場、カフェなんかも入るとかで、オープンは来週(2017年4月15日)だとか。
 しまった、来週以降に来ればよかった!


 施設は白いコンテナを並べたもので、上越妙高駅前のフルサットを思い出します。大川市が事業主体の、公共施設のようです。
 公共施設の維持管理が、自治体にとって重荷になっている昨今。撤退の決断や民間譲渡が容易なコンテナは、案外公共施設にも向いているのかも。いい意味で、新時代のハコモノ行政!?


 大川橋バス停から徒歩10分、大川昇開橋温泉にやって来ました。車持ちの頃は月1以上のペースで通っていた、お気に入りの温泉です。


 何種類もの浴槽があったり、サウナも完備していたりする大型施設なのに、お湯はかけ流しの本格温泉。ちょっと塩っ気のある、よく温まる湯です。


 入浴料は普通湯600円、家族湯1,800円と良心的。でも僕はいつも、ハンバーグやカツ煮など8種類から選べる定食がセットになった、「選べる定食セット」にしています。
 普通湯とセットで1,000円、家族湯2名でも3,000円で風呂とご飯が済んでしまうのだから、かなりお値打ち。しかも定食が、なかなかおいしいのです。バスで来れば、ビールだって飲めます。


 ひさびさに、昇開橋も渡ってみました。旧国鉄佐賀線の橋梁で、背の高い船を通すために、中央部が昇降する構造です。
 廃線後、赤さびたまま放置されてきたのを知っている身としては、歩道橋に再生された姿を嬉しく思います。今や重文です。


 巨大な橋げたが昇降する姿は、子どもならずともワクワクします。老体だけに、ギシギシ音がしそうなイメージですが、実際は音もなく動きます。


 橋げたが上がってしまうと、さっきまで間近にいた対岸の人が急に遠くなったようで、なんだか寂しくなります。


 昇開橋から大川市内方面の佐賀線跡は、デザインプロムナードという名前の遊歩道になっています。


 プロムナードの終点では、桜がキレイでした。




 さらに歩いて10分少々。花宗川を渡り、小保・榎津の藩境のまちへやって来ました。


 文化財の歴史ある家々が並びます。旧吉原家住宅は休業中で、理由を見てみれば、熊本地震の被害からの復旧作業のため。思わぬ場所が、被災していました。


 町内の家々の表札は、大川組子。


 ちょっと老朽化が進んでいるようにも見える(失礼!)、昔ながらの住宅の正体は…


 WAZA DEPARTMENT CAFE。古民家を改装したカフェです。
 もともとは昨年、イベントに向け期間限定でオープンしたそうですが、もったいないとばかりに営業続行中なのだとか。


 和でもあり洋でもある、大人な空間のカフェです。


 カウンターの上部には、わらぶき屋根がのぞきます。本当は外部のトタンを外して、わらぶき屋根の外観を復元したかったそうですが、防火上の要請から かなわなかったとか。




 ソファや壁は、彩色された畳。畳に、こんな使い方があるのだと感嘆します。畳職人の技の世界です。


 床の間に飾られた皿は、木製。大川の木工職人の作品です。まさに技のデパート。


 おいしいケーキや丁寧に淹れられた珈琲にも、もちろん技が効いていました。


 藩境石。この石を境に、有馬藩と柳川藩の領地に分かれます。


 柳河藩側には、おしゃれなパン屋さんが。表札は壁に施されたコテ細工で、大工さんの技が光ります。


 フランス食パンを買い出し。おかげで一週間、おいしいパンの待つ朝を迎えることができました。


 花宗川を、国道208号線に向け遡上。欄干には、大川組子のデザインが施されていました。


 分岐する川に水門と、川沿いに続く遊歩道が見えたので右折。


 その名はメロディロード。ところどころで、大川ゆかりの作曲家・古賀政男の音楽が流れる、遊歩道です。
 木橋がいくつもかかり、ベンチの休息場も用意されていて、のんびり散策できます。


 ただ木製の工作物は、維持管理が大変。老朽化したまま、立ち入り禁止になっている箇所もいくつか見られました。


 散る桜は、はらはらと水路に落ちていきます。願わくば もう少しきれいな水路ならば、流れる花びらも美しかったろうと思います。


 国道208号線を渡り、おおかわ交流プラザにやってきました。リハビリセンターや病児保育、認定こども園などが入る複合施設です。
 福祉的な色が濃い施設なのに、大型書店とコーヒーチェーンが入っているのがユニーク。地方都市の本屋が厳しい経営を強いられる中、ショッピングセンターでもない場所への出店は、異例なことだと思います。


 さらなる驚きは、映画館まで入っていること。最新の映画ではなく、少し時期の過ぎたものや、上映館の少ない名画の上映が中心です。
 「この世界の片隅に」も、いち早く上映館に名を連ねていたことを思い出します。






 映画館のホールには、組子の作品が幾つも飾られています。映画は見らずとも、一見の価値があります。


 プラザから歩いて15分ほどの、風浪宮へとやって来ました。地元では「おふろうさん」の名で親しまれている、創建1,800年の神社です。


 楼門には、大きな大川組子の絵馬が。細やかな幾何学のデザインは、神社にもよく似合っています。


 本殿は、国の重要文化財。


 ご神木の楠の木も、長い神社の歴史の証です。


 道路向かいの大川公園も、桜の盛りを迎えていました。風浪宮の外苑にあたり、池を中心にした庭園に咲く桜は、よく似合います。


 地元でも一番の花見スポットらしく、赤ら顔の人で大賑わいでした。盛り上がるのはいいけど、スピーカーでガンガン音楽を鳴らしてさわぐのは、さすがにちょっと…
 ゆっくり桜を眺めていたかったけど、早々に退散しました。


 帰路は、羽犬塚線で八丁牟田駅へと出てみました。午後5時台にして終バスです。
 八丁牟田駅は、駅前広場にバスが乗り入れていて、乗り換え距離は最小限。構内踏切なので上下移動もなく、時間さえあえば経済的でラクなルートです。


 下り電車はタッチの差で間に合わないダイヤですが、上り電車はほどなくやって来ました。
 大川のさまざまな技に触れられた1日、こんな休日の楽しみ方も一つの「技」かも!?

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 久留米に春の訪れを告げる、田主丸の春まつり。町内の3つの酒蔵が開放される、蔵びらきのイベントでもあります。
 2年前に訪れた時はクルマだったので、試飲1滴もできずに悔しい思いをしました。今年は列車とバスでGO! 心ゆくまで痛飲してきました。


 久留米の西鉄周辺から田主丸までは、バスで行けば乗り換えなしですが、運賃が600円を超えてしまうのが痛い所。
 そこで久留米大学までバスで出て、久大本線に乗り換えるルートを取ることに。バス代170円+列車290円の、460円で済みました。


 左に田園、右に耳納山麓を見ながら走る久大本線。のんびりしているイメージですが、平野の直線区間なので案外飛ばします。
 運賃の安さと早さのおかげで、車で行くよりずっと近いイメージです


 田主丸駅に到着。ホームでは、なかなかリアルなカッパ像がお出迎えしてくれます。


 駅舎もカッパ顔。久留米市へ合併する前の、田主丸町の力作です。


 駅舎1階には、旧駅舎の写真と駅名板が。昔はどこにでもあったような、そして近年では少なくなってきた、木造平屋の駅舎でした。


 2階には、全国各地のカッパの資料を集めた河童資料館があります。


 さて、ワイナリーなどのある「山苞の道」へは通常、バスが通じていません。車がないと行き辛いエリアも、春と秋の祭りにはシャトルバスが走り、がぜん行きやすくなります。
 バスは4台運行で、それぞれ回り方や始終点が異なります。効率よく回るには、配布される時刻表を読み解く力が必要です。


 12時10分発のバスは、ぎっしり満員でやってきました。


 ぎゅうぎゅうのバスに耐えること20分、急な坂道をぐっと上がって、巨峰ワイナリーバス停に到着しました。


 自然のままに保たれたワインの森は、いい雰囲気。ガーデンコンサートの準備が進んでいました。すぐ雨模様になってしまったのは残念。


 お腹が減ったので、早足でレストラン・ホイリゲへ。1組待って、入ることができました。眺めのいい窓際席がよかったけど、お祭りの日に贅沢は言えません。


 バスで来たので、遠慮なくワインで乾杯! 食事(おつまみ?)は、春まつり限定、耳納豚のローストポーク&ソーセージ。
 「市内」なのに、すっかり旅気分になりました。


 雨が降って来たので、雨宿りがてらワイン蔵を見学。ビンテージワイン、どんな味がするんだろう。


 外に出ると、ビンテージワインの有料試飲イベントが。


 30年モノを、ごくり。うーん、深い。
 背景のワインくじ(500円)にトライしてみたけど、一昨日と同じく、巨峰ラムネセット止まり。ビン3本で、リュックがずっしり重くなりました。


 森を下ると、同じ経営の紅乙女酒造の蔵開きが開かれていました。
 名物はごま焼酎。ごまの香りがくっきりと残り、味のある焼酎です。長期熟成の高級焼酎は、ウイスキーのような味わいでした。


 雨も止んできたので、山苞の道を歩いて10分の「樹蘭マルシェ」へ。春まつりの参加会場に名を連ね、巡回バスの時刻表にも名前があるのに、なぜかバスは全便通過になっています。


 樹蘭といえば、果樹園でできたフルーツを使ったケーキが人気。併設のカフェには、ケーキバイキングしかなかったのが残念!
 麓の本店ではアラカルトで食べられるみたいだけど、バスでは自由がききません。


 野菜がスーパーよりもぐっと安く、荷物にならない程度に買い出しました。こういう時、車があればなと思ってはしまいます。


 紅乙女に戻り、シャトルバスで麓へと戻ります。時間は15時で、ぼちぼち帰る人も多い時間。上下のバスが断続して来たものだから、列が混乱して、乗客からはちょっと不満の声も上がっていました。


 麓の田主丸中央バス停まで下り、若竹屋酒造を訪ねました。1699年創業の、福岡でも最古の酒蔵です。


 創業当時の酒蔵は、雰囲気も満点。


 香り豊かな酒、すっきり飲みやすい酒、いい意味でひとクセある酒などなど、同じ蔵元とは思えない味の違いがあります。


 ラベルもおしゃれ。日本酒の裾野を広げていこうという心意気が感じられる、攻めの蔵元でした。


 帰路の赤いキハ200系は、満員御礼でした。乗客も赤ら顔?

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 久留米市城島町の交通機関といえば、酒蔵びらきの時はシャトルバスで一気に充実するものの、通常は15系統のバスが1時間に1本走るだけ。広大な町域全域をカバーするには至りません。
 そこで登場したのが、「よりみちバス」なるコミュニティバス。城島地区では、インガット号と呼ばれます。曜日別に路線が組まれ、くまなく町内をネット。この3月にはより使いやすいダイヤに変わったというので、町外からのおでかけにも使えるか、実践してみました。


 「よりみちバス」は、バス15系統の城島町内のバス停の他、西鉄電車の犬塚駅と、バス45系統の江見停留所で接続しています。


 まず往路は、西鉄久留米から45系統に乗って江見へと向かいました。
 江見での時刻表の乗り換え時間は5分。便によっては、2分しか時間がないパターンもあります。
 

 江見で、急いで乗り換え。ちなみに45系統が遅れた場合も、原則的に待つことはないようなので念のため。西鉄バスでは5分程度の遅れはよくあるので、確実に行きたいなら、西鉄犬塚駅からのルートが安心です。
 江見は、佐賀県のみやき町に位置します。県域を越えてコミバスが乗り入れるのは、珍しいケース。45系統との接続と、スーパー「アスタラビスタ」三根店へのお買い物客への配慮です。


 運転士さんから、1日乗車券を購入。たったの300円で、よりみちバスの他、15系統の城島町内エリアで乗降できます。
 1回乗車が200円なので、往復するなら、1日乗車券を買った方がお得です。


 宇多田ヒカルのニューアルバムをBGMに、よりみちバスは下田地区を下ります。城島町の中でも、下田地区は筑後川の佐賀県側。昔、筑後川が蛇行していた頃の名残りです。メインの県道ではなく、集落が張り付いている細い旧道を経由します。
 筑後川は、下田大橋で渡ります。船が点々と浮かび、有明海もだいぶ近い地域です。


 城島側に入ってもストレートに県道を下らず、集落の中を縫うように走っていきます。幅4mもないような道もあって、ワゴン車の本領発揮です。ダイヤ改正以前は、もっと狭い道も走っていたとか。
 狭い道での運転テクニックもさることながら、運転士さん、細かな路線を覚えるのも大変だったそうです。特に、事前予約があった場合だけ迂回する「よりみちバス停」は分かりにくそう。曲がり角での目標物をメモした、手製の地図を携えていました。


 図書館もある城島総合支所、福祉センターのげんき館、スーパーのアスタラビスタ城島店など、生活施設を巡るも乗客なし。このまま乗客ゼロでは寂しいなと思っていたら、楢津からおばあちゃんが乗ってきました。
 僕たちは、あおき温泉で下車。田んぼの真ん中に沸く、民間の温泉施設です。15系統の青木校入口が従来の最寄りバス停ですが、ちょっと距離があり、目の前に止まるよりみちバスは便利です。


 あおき温泉は、トロっとした泉質の掛け流しの湯。個人的には、久留米市内でも屈指の湯の良さだと思っています。車持ちの頃は、月イチ程度で通っていました。入浴料は500円と割安。1日乗車券の提示で、さらに50円引きになります。
 西鉄犬塚駅までは、月・水・土で4往復、火・木・金なら6往復あるので、町外からの来訪でも実用的に使えるルートです。


 お昼ごはんは、お向かいのうどん屋さんで。簡易な構造の小さな店構えは、香川のうどん屋さんみたい。


 讃岐うどんなんだけど、コシは筑後うどん的。味はあっさり目でした。


 13時24分発の逆方向のバスで、城島総合支所に戻りました。


 折り返しのバスの時間までは、城島図書館でのんびり。雑誌も充実していて、くつろげます。


 14時17分発・犬塚駅方面のバスには、地元のおばあちゃんが乗っていました。城島町南部の江上地区、かつては路線バスが頻発していたそうですが、十数年前に全廃。よりみちバスで、公共交通が復活したエリアになります。旧揚田バス停という停留所名も、その名残。
 萬年内科で下車。バス停の中には病院もいくつかあり、通院利用のお年寄りは多いそうです。


 来た道をトボトボ戻ること、約5分。猫カフェ「ねこる」にやって来ました。城島町に猫カフェができるとは予想外で、一度のぞいてみたかったのです。
 曜日限定の営業で、営業時間も日によって違います。今日は15時からの営業だったので、14時45分のバスで着いた僕らは、少し待ちました。オープンしているかは、FBで事前チェックしてから行きましょう。








 猫ルームの利用は、30分ごとに500円。別途、300円からのドリンクのワンオーダーが要になります。
 そんなに広い部屋ではない分、猫の密度がすごい! 野良出身が多い割には人なつっこくて、結局1時間ばかり癒されてしまいました。


 昼はうどんだけだったので、ちょっと小腹が空いてきました。交差点の向かい側にあった、プレハブのパン屋さんでおやつを調達。


 アップルパイが名物とかで、その場でじゃんじゃん焼き上げているそうです。値段も150円くらいとお手頃でした。


 16時17分発の最終バスで犬塚駅まで乗って、よりみちバス・インガット号の旅はフィナーレ。1日に2台が運行するよりみちバスですが、結局ずっと同じバスだったので、運転士さんともすっかり顔なじみになりました。
 大型タクシー仕様のクルマなので、バスというよりはタクシーで街巡りした気分。300円で味わえる、贅沢な旅?とも言えるかも。


 犬塚駅、西口が新しくなりました。東口のトイレも、改築工事が間もなく完成です。
 西鉄久留米までは、大善寺に特急で乗り継いで17分。くまなく巡るよりみちバスとは異質の、あっという間の時間でした。 

今回のルート(@tripへのリンク)
よりみちバス(久留米市へのリンク)

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 久留米市の隣町、うきは市・吉井。白壁の土蔵が連なる歴史ある街並みは、毎年2月から3月にかけ、「おひなさま巡り」で賑わいます。
 今年は25周年という、節目の年。ちょっと気になっていたお店もあったので、土曜日の午後、ふらりと吉井へ出かけてみました。


 通町の我が家から久大本線に乗るなら、わざわざJR久留米駅にまで行くより、久大本線の駅まで直接出た方が便利。JR南久留米駅まで、自転車を漕いで10分です。
 南久留米駅の平屋建ての木造駅舎は、背後の巨大マンションに飲み込まれそうです。


 SUGOCAに対応しているのは、旧久留米市内の善道寺までなので、きっぷを購入。
 駅事務室に詰める駅員さんの姿があり、ほっとします。若松線ですら無人化計画がある中、いつまで健在か心許なくはありますが。


 筑後平野を思いのほか飛ばす普通列車に揺られ、約30分、筑後吉井着。駅前は静かだけど、こちらも有人駅です。特急も停まります。


 国道210号に出れば、車通りが多くて、これはこれで落ち着かない感じ。
 中心部に進むにつれ、歩道が広くなってきてました。通りに飾られた生花に、なごみます。


 街中まで出てくると、ひなまつりの雰囲気が出てきました。市の施設だけでなく、個人のお店も協賛して、ショーウインドウが華やかに飾られています。


 今日の目的地の一つ、MINOU BOOKS CAFEへ。書店が成り立ちにくい地方の街にあって、カフェと暮らしに根付いた選書で定着を目指す、新しい「町の本屋さん」です。
 建物は、古びていながらもいい味を出している、タイル張りのRC2階建。もとは魚屋さんだったそうです。


 建物の中も、古い鉄骨やガラスはそのままです。手の入れらた範囲は最小限だけど、それが古臭さにならないセンスが素晴らしい。
 本屋のスペースは小さなもの。でも見たことのない本や雑誌も多くて、楽しく書棚を巡りました。どんな本でもネットで買える今だからこそ、手に取らねば良さが分からない本がある本屋さんは、大切です。それも身近なところに。


 ブックカフェとはいっても、会計前の本をカフェに持ち込むのはNG。雑誌を買い求め、サンドイッチを食べました。新鮮野菜がシャキシャキ鳴って、うまいです。
 カフェコーナーにある、自由に読んでいい本のラインナップも充実していて、ゆっくりくつろげました。


 2階に入っているのは、生活購買店reed。普段使いできる良質な雑貨が揃っていて、MINOU BOOKS CAFEに近いコンセプトを感じます。
 おしゃれにラッピングしてもらえるみたいなので、知人・友人への贈り物選びにもいいかも。






 ひさびさに歩いて巡る、吉井の白壁の街。身近な街なのに、もう10年以上ぶりです。カフェやらギャラリーやら、ずいぶん増えたような気がします。


 鏡田屋敷へ。築100年を超える、官舎住宅です。
 公式な開館時間は16時30分までですが、時間が過ぎてても入れてくれました。おひなさま巡りの時間が17時までなので、合わせてくれたようです。感謝。




 豪華なひな壇飾り。一つだけでなくいくつも並び、かざり方の様式や人形の表情は、個性豊かです。
 管理が難しくなってきた人形の寄贈を、市内のあちこちから受けているそうで、年々数は増えているとか。多くの人目に触れられて、おひな様も喜んでいるのでは。


 2階へ上がる階段には、曲線の意匠が。やさしく、優美な印象を与えます。


 屋敷の2階は、楼閣のような造りに。風通しがよくて、夏場は気持ちよさそうです。
 今でこそ家が建て込んでいる周囲ですが、建築当初は耳納連山を見渡せたんじゃないかなと思います。


 鏡田屋敷の西側の路地を下ると、水路の立体交差に出会いました。
 たびかさなる干ばつに見舞われた末、筑後川の導水で豊かな土地となっていったという吉井。立体交差水路も、灌漑の工夫の跡なんでしょうか。


 身近な街にも旅がある。なんだか得した気分で、帰路の列車に揺られました。 

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 今年も、毎年恒例の城島酒蔵びらきの季節がやって来ました。2日間の日程のうち、1日目はお手伝い、2日目は来場者として参戦しました。
 毎年飲み過ぎて、ひどい展開になってしまうことを反省。少しは体のためになることを、というわけで、協賛開催されているJR九州ウォーキングに乗っかることにしました。会場まで9km、約3時間のウォーキングコースです。


 JR荒木駅で下車。酒蔵びらきバスの接続するJR荒木駅と西鉄三潴駅は、この日1年で一番の賑わいを見せます。
 さっそく受付でウォーキングマップを貰い、シャトルバスを横目に見ながら行軍スタートです。


 久留米市内とはいえ、合併前に遡れば旧久留米市から三潴町、城島町へと3行政区をまたいでのウォーキング。日ごろ車で動き回っている身には、はるかかなたの目的地に感じられます。
 案内版は至る所に出ているし、要所にはJRの社員さんも立っているので、マップを見ずとも歩けました。


 バスファンにとって酒蔵びらきは、シャトルバスによる10万人大輸送も見どころの一つ。西鉄バス久留米だけではなく、各地の西鉄グループからバスが応援に駆け付けます。
 日ごろは志賀島や能古島で活躍している、こんな珍客も。久留米を走る貴重な「ぐりーん」、乗ってみたかった!


 前日までは大雪に見舞われ、週末も雪の予報が出ていた久留米市ですが、市南部はおだやかな天候に恵まれました。日なたでは、少し暑く感じるほどです。
 ウォーキングの参加者も、想像していたよりずっと多い感じ。日ごろは歩く人などわずかな農道を、ずらりウォーカー達が連なります。


 大善寺の街中へ。区画整理で生まれた、整然とした街並みの中を、歩いて行きます。
 ここまでで約50分。予想していたペースより早めだけど、周りの年上ウォーカーに、どんどん追い抜かれて行きます。


 街を抜け、歩道のない柳川県道を恐る恐る抜けて、ふたたび田園地帯に。ウォーキングののぼりはあちこちに立っていて、準備にあたるJRの苦労も大変なものと思います。


 大善寺から三潴、城島へと抜ける県道701号線に出てきました。平行する歩道は、かつて久留米と大川を結んだ大川軌道~西鉄大川線の跡。線路を模したインターロッキングが、その名残を留めます。
 バス停の上屋も、鉄橋のような形です。


 三潴小学校前には、「ポッポ汽車」と呼ばれた蒸気も展示されています。昭和20年代には早くも休止の憂き目にあった路線なのに、よくぞ残したものと思います。


 迂回する道路に対し、線路跡の歩道はまっすぐに伸びている区間も見られます。ちょっとした、廃線跡ウォークの気分になってきました。
 大川線が城島まででも存続していれば、酒蔵びらきも「広島酒まつり」をしのぐイベントになっていた・・・かも?


 荒木駅から約1時間半、ようやく1蔵目の萬年亀に着きました。ゴールの花の露はまだ先だけど、バスで巡る時も萬年亀から先は歩くことが多いので、ここからはいつも通りの酒蔵めぐりのノリです。
 歴史ある蔵。川の護岸も、こうして見ると風情たっぷりです。


 さっそく、500円の飲み比べにチャレンジ。歩いてきた身にぐーっと染みわたり、早くもほろ酔い気分です。


 蔵の奥では、じっくり浸ったおでんのコーナーも。あったまります。


 頻発する蔵めぐりバスを横目に、再び軌道跡を歩き始めました。


 軌道跡から少しコースアウトして、筑後川旧流沿いの堤防へ。


 2蔵目の、池亀酒造へ。天窓が取られた、明るい試飲コーナーが気持ちいいです。


 2年、3年、5年、10年を熟成させた大吟醸の試飲コーナー。5年、10年は早くも売り切れです。3年モノは、グラス付きで600円でした。
 きっと誰が飲んでも旨い、超優等生な味。10年は、どんな味なんでしょう。




 大川軌道の廃線跡へ戻りました。旧三潴町から旧城島町に入ると、舗装が城島瓦になります。


 コースアウトして、有薫酒造へ。今年は新しい蔵を開放したのか…と早合点しかけましたが、よく見ると八女や北野の酒もちらほら。お隣の酒屋、酒乃竹屋の協賛イベントです。
 城島以外の酒を試せるのも、悪くないですね。


 改めて、有薫へ。文字通り、純米から大吟醸まで、独特の風味が感じられる酒をつくる蔵元です。
 酒造り唄保存会のみなさんが、筑後酒造り唄を披露されていました。


 荒木駅から約4時間、14時前にゴールの花の露前に到着。JRウォーキングに参加していたことを、この時まで忘れかけていました。昨年夏の宝珠山以来、2つ目のスタンプをゲットです。


 花の露は規模の大きな酒蔵で、単体の蔵開きイベントとしても充分成立する規模です。
 今年も「酒の間」を開放。500円の飲み比べセットを買えば、40分間くつろぐことができます。


 白熱灯がぶらさがり、琉球畳が敷かれた空間に響くのは、モンゴルの民謡・ホーミー。ほろ酔いの頭で聞く和音のメロディは、遠く異国の平原の中へと誘います。


 薪ストーブが焚かれ、体も心も温まるひと時でした。


 メイン会場にたどり着く頃には、動かした体に酒がしみわたり、ヘロヘロ状態。写真も、いつにも増して斜めになります。
 この2日間の人出は、悪天候の予報にも関わらず11万人にも達したそうで、昨年からさらに1万人上積みされました。1日開催ではパンクしてしまうということで、4年前から2日間開催になったものの、この調子ではさらに期間拡大!?


 16時の閉場から間もなくの時間。三潴駅行きのシャトルバスは大行列でしたが、荒木駅行きはたまたま2台続行となり、座ることができました。
 荒木駅では、1日に4本しかない55系統に乗り継げて、ガラガラのバスで西鉄久留米へ。11万人動員とは無縁の、混雑知らずの帰路となりました。

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 甘木・秋月の山中にある川床・だんごあん。自営で連休がなかった我が実家では、夏になると日帰りで納涼ドライブに行くのが年中行事でした。
 2年前に車を手放しちゃったけど、時間さえ確認しておけば公共交通でもいける場所。9月の平日、小旅行気分で出かけてみました。


 今回は、「あまぎぐるりんフリーきっぷ」を利用。西鉄と甘木鉄道が「トライアングル」を描くエリアが乗り放題になる企画乗車券です。
 西鉄甘木線、甘鉄ともに乗客減に悩む中、周辺自治体とのタイアップで生まれたきっぷです。


 筑後川を渡り、甘木線へ。
 猛暑から一転、ぐづつき気味だった9月。しかし今日は、夏の暑さが戻ってきそうな天気です。


 単線を50分、2両の電車にのんびり揺られ、甘木着。


 歩いて3分の甘木鉄道甘木駅へ。だんごあん行きの、甘木観光バス(通称、甘観)に乗りました。
 甘観は、旧甘木市域周辺のバスを担う地元バス会社。「観光」の名の通り観光バス事業が本業で、久留米にいると割安にバスを借りられる会社のイメージがあります。


 日ごろは西鉄バスばかりなので、違う会社のバスに乗ると旅行気分。甘木駅発車時は僕ら以外1人しかいませんでしたが、市街地で3人の乗車があり、地元利用が根付いています。
 市街地では複数系統が経由地を分け、くまなくネット。100円運賃でサービスしており、思いのほか利便性は高そうです。


 秋月までは1時間に1本以上の本数があり、ローカルバスとしては立派な頻度。秋月の街の入口にあたる眼鏡橋で、僕ら以外の全員が降りました。
 だんごあんまでは、7~9月の臨時運行。運転士さんに確認されたので「だんごあんまでお願いします!」と伝えました。タクシーみたい。




 甘木駅から30分弱で、終点・だんごあん着。山道を5分歩いて、「だんごあん」に到着しました。滝から下るひんやりした風で、気温は23度。7~8度は低くなる、別天地です。
 着いたのは12時前。誰もいなくて「開いているの?」と思ったほどでしたが、すぐに車で来た人がぞろぞろ現れて9月の平日とは思えない賑わいに。人気は健在なんですね。


 名物・鮎の塩焼きとともに、瓶ビール。車で来る人がほとんどなので、出されたコップは1個だけです。バスで来た旨を伝えて、もう1個出してもらいました。
 涼風に吹かれながらのご飯、格別です。


 川床の上流には砂防ダムがあり、年季が入っていて自然の滝のよう。小さいころは、ダムの上で水遊びしたものです。
 上流にもバンガロー風の席もあったようだけど、使われていないこと久しいようで、床が抜けていました。


 散策を終えた後は、これまた名物のお団子を。ラムネに落とした甘いお団子、当たり前の物だと思ってきたけど、初めて見たヨメさんはビックリしてました。


 13時56分のバスで、下ります。夏シーズンのみ運行の、1日4往復のバスだけど、おかげで車がなくても来られました。感謝感謝です。


 棚田を見ながら、ヘアピンカーブを下っていきます。


 郷土館前で下車して、秋月の街並みを散策。春には観光客で賑わう桜並木、真夏ならば木陰を作ってくれるだろうと思っていたら、ほとんど葉がなくて参りました。猛暑の影響でしょうか。
 今日は真夏日。だんごあんは涼しかったんだと、改めて思いました。


 秋月城址の立派な石垣と、長屋門。くぐってみれば…


 素朴な雰囲気の秋月中学校です。運動会の練習の真っ最中。あれ、中学校の運動会って、夏休み直後のこんな時期だったっけ…?


 城址や神社の周りはモミジの木ばかり。春の桜もいいけど、秋の紅葉もさぞと思わせます。


 秋月から甘木駅までのバスは、僕らの他に観光客の女性一人。寂しいなと思っていたら、途中から通学の小学生が大挙乗り込んできました。
 スクールバスではない、路線バス通学というのはいいですね。


 甘木駅から、甘鉄の「レールバス」に乗ります。今走っている車両は規格品のディーゼルカーで、決して簡易型のレールバスではないのですが、甘鉄発足時から一貫して使われている愛称です。
 開業30周年を祝う懸垂幕にも、「レールバス開業30周年」の文字が見られます。


 太刀洗駅で下車。駅前には甘観のバス停があったけど、1日数本と本数が少なく、歩くことに。15分ほど歩いた先にあるのが…


 キリンビアファーム! キリンビールの福岡工場に併設されたビアレストランです。列車で来たのだから、二人揃って堂々と飲めます。


 ジンギスカンでガッツリ!というには早い時間だったので、おつまみプレートと「一番搾り福岡づくり」で乾杯。おつまみプレートが思いのほかよく合い、ついつい2杯目を頼んでしまいました。うまかった!
 ぐるりんきっぷを持っていれば、飲食代が1割引きになります。


 夕方5時台、甘鉄はラッシュ輸送に対応すべく1時間に4本運行になります。
 のどかな「レールバス」といえども、福岡都市圏の立派な交通機関。通勤とは逆方向でも通学輸送で賑わう姿に、「三セクの優等生」の健在ぶりを感じたのでした。

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 西鉄電車では4月6日までの毎週末に、「くらの細道きっぷ」を発売中。各駅から甘木線・大堰駅までの往復乗車券(北野、大城では途中下車可)に、「おちょこ購入補助券」が付く企画乗車券です。
 この補助券と200円で特製おちょこを購入すると、沿線の酒蔵で2杯ずつ試飲ができるという酒蔵めぐりの特別企画。5つの蔵を廻れば、10杯も試飲ができてしまうという、左党にはたまらないチケットです。

 今年で3年目になる切符ですが、発売第1週の日曜日となる3月9日に、初めて参加してみました。


 甘木線の電車は、2両編成。午前中の甘木線は、沿線から天神へ向かう流動が強いのですが、逆方向の電車もさらりと座席が埋まっていました。見たところ、うち半分近くは「くらの細道きっぷ」を持っているようです。
 乗客は減少傾向にあり、3月22日の新ダイヤでは学校前、大堰、本郷の3駅が無人駅になる甘木線。くらの細道きっぷは、沿線活性化策の一つでもあります。


 北野駅で下車。駅前商店街から北野天満宮の参道へと、ぶらぶら歩いて行きます。北野町は仕事でよく行く場所ではありますが、電車に乗って訪ねると、また違った風景を感じられて新鮮でした。
 1つめの蔵は、北野駅から歩いて6分の「千年乃松(ちとせのまつ)酒造」です。


 千年乃松酒造は、この週末が蔵開き。おちょこで試飲できる2杯だけではなく、その他の銘柄の試飲や、非売品のマッコリの試飲まで楽しめました。
 おでんや地鶏焼き、粕汁などの出店も充実。思わず、1日ゆっくりして行きたくなってしまいます。


 お隣の、駅からだと徒歩5分の山口酒造場へ。参道沿いにあり、蔵の風情を感じらる外観です。


 中も和風モダンな雰囲気。


 試飲は席に案内され、軽いおつまみと共に楽しめます。試飲なのに、「おもてなし」を感じられるのが嬉しいところです。
 一杯目は、発泡性のある濁り酒。二杯目は4つの銘柄から選べたので、同行者と別々のものを選んで飲み比べてみました。


 北野駅から電車で一駅、大城駅へと移動します。と書くと簡単そうですが、甘木線の電車は30分おき。寒い中駅で待たずに済むよう、パンフレットの時刻表を見つつ移動するのが得策です。
 ひさしぶりに降りた大城駅は、駅前スーパーがさら地になり、寂しくなっていました。「よう北野・大城に~Welcom Thank You~」と洒落を効かせていた看板も、今は昔です。


 駅から徒歩1分という好立地にあるのが、3蔵目の山の壽酒造。


 試飲コーナーのお酒は、デキャンタに入れられていました。
 山の壽酒造は酒瓶のデザインのセンスが良く、贈答品にも最適なのですが、逆にラベルが先入観を与えないようにという配慮です。


 別途、燻製セット(500円)や紅茶の試飲(100円)を追加すると、お座敷に上がってくつろげます。
 紅茶試飲は、みやま市のデリバリー紅茶屋さんの出張で、星野村紅茶など珍しい銘柄も楽しむことができました。酒の間の「和み水」の効果もあるようで、ちょっと酔ってきた胃と体を休めるには最適でした。


 さらに2駅乗って、大堰駅で下車。無人化予定の駅ですが、現在も昼間の時間帯は無人駅となっています。
 しかし「くらの細道」期間中は案内のため、いつものパートのおばちゃん駅員ではなく、男性駅員が出張してきていました。ワンマン電車にも案内係が添乗しており、初めての観光客でも安心です。


 大堰駅の酒蔵2つは、徒歩14分と少し距離があるのですが、途中の土手には菜の花が咲き乱れています。
 この日は少し肌寒かったのですが、これから先は春を感じられる風景になりそうです。


 残念ながら、井上合名会社はお休み。もう一軒の、博多焼酎研醸へお邪魔しました。
 この界隈では珍しい焼酎専門の蔵。試飲は2杯のはずですが、気前よく一通りの銘柄数種類を飲ませてくれました。長期熟成の焼酎には、木樽の色と香りが移り、ウイスキーのような味わいでした。


 こんなお洒落な梅酒もあります。ストレートの焼酎を飲みながら、蔵のおじさんと語らっているといい気分になり、ついついお土産にと、酒瓶に手が伸びてしまいます。
 帰路は車で駅まで送って頂き、恐縮しきり。楽しいふれあいの時間でした。

 お祭り的な雰囲気を楽しめる「城島酒蔵びらき」とは、また違った魅力のある「くらの細道」。ふらりと一杯、楽しみに来てはいかがでしょうか。

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 冬の城島といえば、酒蔵びらき!日本酒消費量は低迷していると言われる昨今ですが、反比例するかのごとく年々来場者が増えている、久留米の名物イベントのひとつです。
 例年、2月11日の建国記念日に開催されてきましたが、人気を受けて今年は土・日の2日間に拡大。さらに久留米市内では、飲食店がタイアップしての飲み歩きイベント「酒駅伝」も同時開催されました。

 パワーアップした酒蔵びらき、まずは2月15日(土)に来場者として参戦です。


 酒蔵びらきへは、西鉄電車でのアクセスが便利。飲み比べチケットの100円割引券が付いた「城島酒蔵びらき記念きっぷ」も、例年通り売られていました。
 混雑を受けて、いつもの「赤い特急」(8000形)から、収容力の大きな緑の特急(5000形)に運用変更。特に予告されていませんでしたが、三潴駅への臨時停車も行われました。いつもはのどかな小駅が、一気に賑わいます。


 三潴駅からメイン会場へは、無料シャトルバスが結びます。直行の1系統と、酒蔵に寄り道していく2系統の2路線が運行。さらにJR荒木駅と会場を結ぶ系統もあり、合わせて数十台のバスが動員されていました。
 日頃、城島町へのバスは1時間に1本ですが、酒のイベントだけにアクセスはバッチリ確保されています。


 30分弱で、インガットホール南のバス発着場に到着。歩いて5分のメイン会場に行くと、どどんと酒樽が迎えてくれました。


 まず楽しみたいのは、城島の酒飲みくらべコーナー。普通酒、純米酒、吟醸酒から2杯ずつ、500円で計6杯を飲み比べできるコーナーです。西鉄の記念きっぷで、100円割引になりました。
 昨年までは大行列になることもあるコーナーでしたが、今回は列も短く、すぐに順番が回ってきました。2日間開催の効果、まざまざです。


 個性豊かな酒瓶に、おもわず目移りしてしまいます。
 飲み比べてみれば、個性ハッキリ。お好みの一杯が見つかります!


 元気鍋は300円。肌寒かったこの日、芯から温まりました。


 充実した物販や、角打ちまで楽しめるメイン会場だけも1日では回りきれないほどですが、開放されている蔵を巡れば楽しみは倍増。メイン会場から歩いて5分の、花の露にお邪魔しました。
 モダンな角打ちコーナーでは、好みの温度で熱燗を一杯。露店のおでんと合わせれば、もう天にも昇る思いでした。


 日本酒だけではなく、限定の焼酎も登場。洋酒のような香りが広がる逸品でした。


 酒の泉なるアトラクション(?)に入ってみれば…


 そこには酒樽に酒がしたたり落ちる、夢のような光景が!
 柄杓で汲んで呑めて、しかも無料という大盤ぶるまいでした。


 三潴駅前に戻り、駅前の杜の蔵でも一杯。大満足、千鳥足で特急に乗り、久留米へと戻ります。
 車内の乗客の半分近くは、ほろ酔い加減。知らずに途中駅から乗ってきた人は、びっくりだろうな~!

 久留米でも、酒イベントが続きます!2月15日限定、市内35店舗が参加して行われた「久留米酒駅伝」に、続けて参戦です。
 前売り3,500円、当日4,000円のチケットで、各店舗のお酒1杯+おつまみ一品を5軒、ハシゴすることができます。


 駅伝1区間目は、イタリアンのイルボスコ。
 グラスで日本酒というのも、なかなかお洒落な感じです。


 2区間目は、結婚式の2次会でもよくお邪魔する、フレンチのルプー。
 北野・山口酒造の「庭のうぐいす」に、生ハムという組み合わせでした。


 アーケード内には、案内所を兼ねた給水所が設置されていました。
 「和み水」をグイと飲んで、駅伝は続きます。


 3区間目は、鉄板ZINダイニング。お酒もおつまみもアラカルトで選べて、本業の鉄板焼き「おやつお好み焼き」がおいしかったです。
 しかし通常メニューの鉄板焼きは、更に自信ありだとか。また行ってみなければ。


 4区間目のバー、ONE SHOTにて完走!
 バーで飲む升の酒も、オツなもの!?


 追加で、名物のフレアバーテンディングもリクエスト(映像はYoutubeにアップされている、別の方が撮影されたもの)。
 エキサイティングな「酒の日」は、遅くまで盛り上がったのでした。

 そして翌日は、縁あって酒蔵びらきのお手伝いをすることになりました。
 来場者の皆さんの「おいしい~」「しあわせ」という感動に、分かる分かる!と共感。酒好きの人と交わす、酒トークも楽しくて、有意義な1日になったのでした。

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