sigh of relief

くたくたな1日を今日も生き延びて
冷たいシャンパンとチーズと生ハム、
届いた本と手紙に気持ちが緩む、
感じ。

映画:バードピープル

2015-10-21 | 映画


思ってた映画と、かなり違った映画。不思議な映画。
伏線的なものが収束することなく、なんとなく終わる。
たまたますれ違う知らない人の人生やものやことの断片の描写が、
それぞれただの断片のまま、ぼんやり記憶に残る感じで、
それが映画に奥行きを感じさせているかな。

映画は、とりあえず、すすめが、かわいい。
すずめ好きな人にはたまらないと思います。
・・・くらいの感想もつもりだったのに、帰り道や、帰宅後に思い返している時に
あとからあとからじわじわきて、いやまいった。かなり好きかも。

何より、鳥になって飛ぶ気分を、こんなに味わえたのは、初めてだなぁと思うと、
それだけでも素敵な映画。

しかし、すずめ、かわいいです。ふわふわ丸くて。
マレーシアに住んでた時の水墨画の先生(中国系)が、すずめが好きで、
トレードマークのようにいつも絵の中にすずめを描き入れてた。
わたしもそれから、すずめが大好きになったんですけど、
こんなすずめ映画が見られようとは。
鳥になって飛ぶのもいいけど、すずめ、見てるだけでかわいい。
すずめの視点の飛んでるシーンはドローン撮影だったそうで、
すずめの演技?にはCG多用してるのかな?と思ったら、調教師さんがいました。
でもその人たちは鳥の調教師だけど、すずめの調教は初めてで、
卵の孵化から育てて馴らし、調教したということで、
すずめのシーンは、そんなに長くはないんだけど、撮影大変だったろうなと思う。
CGも併用してはいるものの、簡単なシーンはひとつもなかったということです。
すごいなぁ。
すずめ、予告編だけでも、完璧な間で演技してるように見えるので
ぜひ、上に貼った予告編見て欲しい。ほんとかわいい。ラブリー。

お話は一人の男性、やり手ビジネスマンっぽい人が出張先のパリで突然
何もかも、仕事も家庭も家族も何もかもを投げ出すことにして
その連絡や、調整でなんだかうろうろするパートと、
彼の泊まっている空港ホテルで清掃係として働く大学生の女の子が
流されながら感じる閉塞感の日々のパートと、
そしてすずめのパートに分かれている感じです。
オムニバスっぽくはなく、かといって入り混じってる感じでもなく、
さりげなく呼応する部分がある感じかな。
男性に関してのパートは結構長いです、計算された冗長さはあるけど。
共同経営者なのかな、ビジネスパートナーにいきなり電話で辞めると言い
奥さんにもスカイプで別れ話。
もうずっと何年もうまくいってなかった夫婦とはいえ、
スカイプで長年の(子供もいる)夫婦関係を解消されるのはひどい。
奥さんはスカイプの向こうでかなり取り乱し、男性は結構うんざりしながら
押し切るんだけど、ここはやっぱり奥さんが気の毒になりました。
男性に共感できないのはこういうところですね。
彼の苦悩に同情するより、周りを傷つけても平気な勝手さに
(そこまで彼が追い込まれていたということにしろ)鼻白む感じがしちゃう。
この男優さんは、ハリウッドぽくないということで選ばれたそうだけど
確かにアメリカ人なのに、なんかフランス俳優っぽく、そこはいいですね。

男性のパートに比べて女性に関する部分は、まだ見やすい。
彼女の感じる閉塞感を、共有することはなくてもこういう感じあるよねと思える。
このヒロイン、注目の女優さんらしいけど、好みです。
顔立ちは派手ではなく、色気のあるタイプでもなく、清潔で透明感があります。
寒いところで鼻を真っ赤にさせて佇んでる姿が似合いそうと思った。笑
いろんな色を出せそうな女優さんだと思う。これからが楽しみです。

この3つのパート以外に、ホテル周辺の何人かの人生の断片が挿入されます。
ホテルのコンシェルジュ役、ものすごく味があっていいです。
この人の話を、もう少し長く見たい気がしたけど、
映画としてはこれくらいで抑えておいてよかったんでしょうね。
「チャップリンからの贈り物」の主人公やってた人です。
あと、お腹の空いたスズメが飛び込む日本人絵描きの部屋、
この心優しい日本人とのひと時の邂逅も素敵なエピソード。

ラストは、少し暖かく明るいです。
そこから特に物語が生まれる予感とかはないんだけど、余韻があっていい。


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