sigh of relief

くたくたな1日を今日も生き延びて
冷たいシャンパンとチーズと生ハム、
届いた本と手紙に気持ちが緩む、
感じ。

映画:ルックバック

2024-08-28 | 映画


原作を前に読んでいたので話は知ってて、原作を読んだ時も結構印象的だったけど、
映画がまた評判が良い。
でもこれは原作を知らずに見た方がわたしは気持ちを揺り動かされてたかなと思う。
すごく原作通りだった下東松照明だけど、それだけ原作の完成度が高かったということね。

自分にはあまりに遠くなってしまった、何かにのめり込むという衝動。
内側から湧き出る表現したくてしたくてたまらない焦燥。
自分より巧い人を見た時の絶望と、それでも枯れない何か。
よく知っているのに遠くなりすぎて、子供や孫の物語のように見てしまう自分がなんだか切ない。
シンプルな話で尺が短く見やすいせいか、非常に観客カップル率の高い映画でした(^_^;)

お話は(公式サイトより):学年新聞で4コマ漫画を連載している小学4年生の藤野。クラスメートから絶賛され、自分の画力に絶対の自信を持つ藤野だったが、ある日の学年新聞に初めて掲載された不登校の同級生・京本の4コマ漫画を目にし、その画力の高さに驚愕する。以来、脇目も振らず、ひたすら漫画を描き続けた藤野だったが、一向に縮まらない京本との画力差に打ちひしがれ、漫画を描くことを諦めてしまう。
しかし、小学校卒業の日、教師に頼まれて京本に卒業証書を届けに行った藤野は、そこで初めて対面した京本から「ずっとファンだった」と告げられる。
漫画を描くことを諦めるきっかけとなった京本と、今度は一緒に漫画を描き始めた藤野。二人の少女をつないだのは、漫画へのひたむきな思いだった。しかしある日、すべてを打ち砕く事件が起きる…。


創作に関してのモーツァルトとサリエリの関係を思い浮かべたところもあるけど
ここの二人はもっと素直で前向きでエネルギーがあるし
お互いを尊重して協働できるのは、優しさだけでなく相性の問題もあったかも。
創作に対するさまざまな気持ちを描枯れる以上に二人の友情も濃厚に描かれていて
二人が街へ出るシーンは涙が出た。
ラストもそう。悲劇だけどその悲劇も栄養になるだろう。
悲劇までもが栄養になってしまうことに引け目や罪悪感を感じるだろうけど
生きているというのはそういうことで、悲しいことも栄養になってしまうのだな。

ルックバックというのは振り返るという意味で、背中を見るという意味にはならないけど
映画を見ると映画の中で出てきたいくつかの背中のシーンをタイトルに重ね合わせるだろう。
そして、冒頭とラストに出てきた言葉で挟むと
「Don't look back in anger」というオアシスの曲のタイトルになるのは後で知った。
これは1995年の曲で、マンチェスターでのテロ被害者の追悼式典で合唱された曲として知られてるそう。
怒りを抱えたまま振り返らないで、というような意味で、
いつまでも振り返ってばかりでは行けないというニュアンスがあるのかな(歌詞は知りませんが)

最新の画像もっと見る

コメントを投稿