散歩者goo 

タイトルのgooは、同名のHPやブログと区別の為付けてます。HPの「散歩者」はこのブログ筆者の私とは全く無関係です。

昨日記131129金(食事準備の合理化  旗谷吉員展  文明の衝突を読みながら)

2013年11月30日 12時46分33秒 | 日記(昨日記・今の思い考え・行動・情況)
天気 曇 ―mm  11.0 3.9℃ 54% 3.6m西

昨日も、一段と冷え込んだ。
1日の平均気温は7.2度、最低気温3.9度と真冬並だった。

昨日の朝は、普段どおり過ごしたが、前日から昨日の午前中に昼食以降の8食分の食材切分と4食分の温野菜セットを作らなければならないことはわかっていたが、午前中の前半ついTVを見て無駄に時間を過ごし、その上昨日記の記載も長くなり気がつくと昼前であった。

12時前から一気に8食分の食材を切分けた、更にキャベツや肉類を4食分切分け、それに削り節(余裕のあるときは鰹節のときもある。)と昆布を加えて丼鉢に入れ、先の8食分に切り分けた野菜セットの内の4食分を合体させて、4食分の温野菜セットを完成させた。
そのうちの一つに、特製汁をかけて電子レンジで加熱し、昼食を作った。
それに、冷凍ご飯を加熱して暖かくなったご飯を用意して、昼食の出来上がりである。
3時間余りかけて8食分の野菜セット切分から、昼食と昼食後のあと片付けまで含めた一連の作業を完了した。

これで調理に関しては、多分今日の夕食までは、温野菜セットに特製汁を入れて、電子レンジで加熱するだけの作業で済むし、明日は、4食分の肉・キャベツ・昆布と鰹節を入れた丼鉢のセットを、今晩か明日朝作り、それに残りの4食分の野菜セットを加えれば、温野菜セットが完成するので、食事前に汁を加えて15分ほど加熱すれは出来上がりだ。

そんなわけで、下ごしらえで一仕事をして2時ごろ遅い昼食を終えた。

午後から港区役所前にある、「ギャラリーはたなか」に行った。
JR弁天町から南下し「みなと通り」迄出て、それを西に港区役所方向に向かう。
駅から約8分あまりのところにあるが、普段歩かない私には、長く感じられる。

そこで、旗谷吉員氏の個展「物見遊山―仮想の名所絵」を見た。
作品は、写真をもとにした具象絵画であるが、タイトルの通り、そこには現代美術作家としての旗谷氏のこだわりがある。
無論、単なる模写とかではないという。
そこで、2時間近く最近の美術界の流れとか、気になった展覧会とか、様々なことに絡んだ美術談義をした。
彼は、絵画理論に関しては、強いこだわりがあるし、多くの海外の最新情報も含め情報収集をし精通している。

暗くなってから、ギャラリーを後にし、カフェで読書を楽しんだ。
先月中旬まで、ハンチントンの文明の衝突の分厚い単行本を借りて読んでいたが、複数の本を平行して読んでいたので、余り進まず途中で返却してしまった。
だが、ハンチントンの考え方は凡そ理解できた。
先週改めて借りようとしたところ、二人の人に貸し出し中だった。
仕方なく2000年に発行された新書版の「文明の衝突と21世紀の日本」を借りた。
基本的な内容は、単行本と同じで、更に新しい国際情勢の変化が加わっていたので、かえってよかったかもしれないと思っている。
この本には、日本にいて日本のマスコミから発信される世界情勢に関する見方だけでは分からない、西洋やアラブから見た世界の動きも書かれていて非常に興味深いのだ。
我々は、ギリシャ正教会もカトリックもプロテスタントも同じキリスト教圏と見ているが、彼によると、それぞれ文明圏として、はっきり分かれているというのだ。
そのような文明圏単位の区分で、国際政治が決まっていくというのだ。
トルコがEUに加盟できないのもそこが原因というし、中華文明を受け継いだ儒教文明の広がりは、中国だけではないという。
現実問題、シンガポールや韓国は儒教圏であり、東南アジアの華僑はその国の政治経済に大きな影響力を持っていて、その文明圏の影響を与えているという。
ほとんどの国は、複数の文明の作用を受けていて、世界で日本だけが単独の文明圏をだが、逆に言うと親戚がいないのと同じことであるという。
同じ文明圏どうしは、親和性が強く、国どおしの対立があっても限界をわきまえていて、逆に同じ文明圏で困難に陥った国があれば、同じ文明圏の他国から救援の手が差し伸べられるという。
例えば、ギリシャは、ヨーロッパよりロシアと仲がいいという。
彼らは同じ東方正教会に属するのだ。
私は、ギリシャはヨーロッパ文明のふるさととなので、ヨーロッパ人と思っていたが、そんな単純なものではないようだ。
我々から見ればロシアは西洋の一部に見えるが、ヨーロッパ文化圏とロシア文化圏は違うという。
この問題は、イデオロギーとは全く違う文化文明の問題なのだ。
確かに、昨年か一昨年に、京都で個展をしていたキプロスで暮らしている女性作家と話したことがあるが、そのときの話と一致する。
その時の話では、キプロスはトルコ側とギリシャ側に分断されているが、ギリシャ側にはロシア人がたくさん来ていて、ロシア人観光客が多いと言っていた。
そして、ギリシャとロシアが元々関係が深いとも話していて、私はその話を聞いて驚いた。
その他、この本でよく例に出されるのが、トルコである。
イスラム文明を基本にしつつ、、アタチュルクが西洋文化を導入した。
トルコの中で、二つの文明が存在しているという。
近代化と西洋化は違うという。
日本は、近代化はしたが、西洋化しなかった国で、しかも独自の日本文化文明を保持しているという、世界に類例の無い国だという。
この問題は、先に述べたほかに親戚というべき国がないという問題なのである。
(ハンチントンによれば、日本は中華文明圏では無く、単独の日本文明であり、人種・言語・宗教・文化がすべて一致しているといい、このような国は世界に類例が無いという。韓国は中華文明圏であるという。)

文明の衝突は、ウエーバーの哲学的な深い分析とはちがう、現実をもとにした構造的な枠組みを明らかにしていると思っている。
日本以外の国は、それぞれの国家の内部でさまざまな文明が複合的に浸透し衝突し矛盾を抱えているという。
未だすべてを読んでいないので、なんともいえないが、現在でも非常に参考になる、名著といわれるだけの本だと思った。

コメント