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白鳩さんがモンコレで駄弁るブログ

わたくし白鳩がカードゲームの話を書き連ねるブログ

ジャッジメント

2010年04月22日 00時00分10秒 | 連載カード考察企画
カード考察第29回はジャッジメントです。
ジャッジメントは復活の破壊神の表題にもなって居る
セットの主役中の主役カードです。
モンコレの応募者全員サービスプロモカードの記念すべき1枚目であり、
モンコレの歴史とともに歩んできた伝説的カードです。
ジャッジメント以降のプロモカードは
デザインでジャッジメントを基準にしており、
背景ストーリーにおいても重要な扱われ方をしています。
Sレギュレーションではジャッジメント自身は登場しませんが
試作型であるイビルジャッジメントが登場しました。
ジャッジメントが沢山のアイテム枠と
専用の装備品によって成り立っているのは
ジャッジメントがモンスターコレクション初の追加セット
古代帝国の遺産を買うと応募で貰えたプロモカードだったからです。
「古代帝国の遺産」は、はるか古代に存在し今は滅びたとされる
魔法帝国の遺跡からその時代のマジックアイテムが大量に出土した、
という設定のアイテム重視のセットで
ユニットと同じくらいアイテムカードが収録された追加セットでした。
それにちなんでジャッジメントもアイテムで武装するユニットだったのです。

しかし旧ジャッジメントは期間中に
応募しないと手に入らないカードです。
期間終了後にはトレードでしか
入手手段のない新規参入者泣かせのカードですから
このカードがとても強くて頻繁に大会で勝ち抜くようだと
不公平が発生します。
そのため、ジャッジメント及びそれ以降の応募プロモカードは
ゲーム的には非常に弱い、
揃ったら強いんですが能力を発揮させるまでがとても大変で
費用対効果としてはとても見合わないようにデザインされていました。
プロモカードを使って強いデックは作れないのです。

Gレギュレーションで復活したジャッジメントもそのデザインを踏襲し、
揃えば多少強いが手間とコストが大きすぎて
デックとしては強くならないようにデザインされています。

なぜでしょう?
プロモカードであった以前ならいざ知らず
すでに他のカードと同等の☆レアリティのカードになったのに
不当に弱くデザインする必要がどこにあったのでしょうか。
「ジャッジメントだから」がカードを弱くしていい理由になるでしょうか。
今回の考察ではジャッジメントの弱さを掘り下げてみたいと思います。

ジャッジメントの単一の性能は
英雄点3点の10/4/4アイテム5。
さらにタイプ裁くもの以外の装備品は
装備できない制限能力である選ばれし武具と
タイプ裁くものの装備品を5つ付けると
手札上限枚数が+4もされるという完全なる姿の特殊能力を持ちます。
まず英雄点3に関しては、
前述のとおりのカリスマ性のユニットですから必然です。
ジャッジメントより英雄点の高いユニットは
そうそう存在していいものではありません。
10/4/4も仕方がないのです。
旧カードからレベル、攻撃力、防御力は弄らない
というデザインルールがありますから。
アイテム5は、6でもよかったかもしれません。
旧ジャッジメントは5つの装備品を付けられるユニットでしたが
試作品のイビルジャッジメントは3つだったし
裁くものの装備品の数も6つ以上出てくるし
完全な姿は5つ装備で発動という事にして
さらに消耗品を1回使えたら、
完成するまでは大変だけど
完成したら強いカードだったのでは。
デザイン的には5に拘ったほうが美しいと考える人も居そうですが。
装備品が特定のものしか付けられないのは別に問題はありません。
新しい装備品をデザインする度に
鋼のブリガンディはジャッジメントが装備すると
裁くものをつけるより強くなってしまう、とか
余計な事を考えるよりははじめから制限があるほうがすっきりします。
完全武装で手札上限が増える完全なる姿は
秀逸といっていいデザインでしょう。
全て揃えるとメリットがある、というのは
いかにもな楽しさがあります。
それが手札上限+4というのは強さ的にも
ジャッジメントの性質的にも吊り合いがあります。
必ずしも発動させなくてもいいですしね。

こうしてみるとジャッジメントそれ自体のデザインは
特別悪くないという事になりますね。
10/4/4は仕方がないから突っ込まない、
という一番肝心なところをスルーした上での評価ですけど。
では肝心の装備品を装備した姿はどうでしょうか。

8/12/8飛行
さらに
宣言型で捨てた手札枚数ダメージを与える能力。
宣言型で進軍タイプを入れ替える能力。
手札7枚破棄で対抗不可7点を与える能力。
完了型で手札を3枚補充する能力。
完了型でレベル8のユニットを行動完了させる能力。
完了型でユニット1体の防御力を-8する能力。
完了型で耐性戦闘スペル&特殊能力を得る能力。
を持ちます。
うーん、能力で使い道がありそうなのは上の3つまでですね。
後は場面場面によっては役に立つでしょうけど
殴って12点が強いのでなくてもいいものです。
対抗不可7点も代償が大きすぎます。
装備品のひとつを入れ替えると
耐性×◎能力がつき、
イニシアチブ+1が得られる宣言型能力を持ちますが
代わりになにかの能力が消えます。

強いでしょうか。
山札3枚と特定の装備品5枚を費やすにしては
強くないでしょうね。
防御力8点が低すぎます。
お互いのイニシアチブが±0の場合
先攻を取れる確率は41.6%しかないのに防御力が8点だと
後攻時は翼の能力だけで相手の総攻撃力が7点以下になるまで
ユニットを削らないといけないわけですが
相手の対抗もあるのに手札が足りますか。
逆にいえばもし攻撃力と防御力さえ高ければ
アイテムは2つ3つだけ付けて
大型が消耗品を2、3回使う戦法で
割と戦えるユニットだったと思うんですが
防御力が致命的に低いです。
8/12/12くらいでそこそこやれるカードだったと思います。
英雄点3なんだから8/24/16くらいになっても
許されたのではないかとすら思います。
旧ジャッジメントも完成形のステータスは
8/12/8だったんですが
表記されている基本攻撃力、基本防御力は
4/4のまま弄らないのがルールだとして
完成形のステータスまで12/8に拘らないといけませんか。
当時よりスペックアップしてるのは分かってるのに。

ここまで強いと相性的に積むデックも出てきそうですか?
それはそれでよくないですか。別に。
そういう状況でしか勝てないカードなんだから。
完全武装させても普通のデックでどうにでもなるユニットでは
環境に勝てる相手が見当たりませんよ。
どれだけ早急且つ完璧に完全武装ジャッジメントを完成させても
出てくるのはどのデックでも倒せそうなユニットでしかない
=ジャッジメントデックはまともにやって勝てるデックがない、
ということです。
ニュークゴーレムと同じようなカードなんだから
回しづらいけど手札が回ればほぼ無敵、でよかったと思います。
中盤までにジャッジメントを完成させさえすれば
勝ち確定のデックであったとしても
たぶん全体勝率は50%前後じゃないですか。

わたしが特に致命的だと感じる欠点は
相手の地形を落とすのに篭手が必要だという事ですね。
ジャッジメントの6つの装備品の中でたぶん一番強いのは翼です。
対抗の要ですし地味にウィンドカッターも無力化できます。
ただし優先度という意味では翼は篭手、鎧、靴に劣る4番手です。
ジャッジメントが戦う上で
どうしても装備したいのはまず篭手と靴ではないでしょうか。
篭手無しでは相手を倒しようがないですから。
生き残る事は出来るかもしれませんが
消耗して地形を落とせないでは負けです。
篭手があれば相手の手札とダイス目次第では
それだけで勝てるかもしれない。
それと並ぶ重要度の装備品は靴でしょうね。
とりあえずリミット8の地形に入れないと
前に進めませんので。
ただしデックにはリミット10の地形も
大量に積んでいると思うので
1枚ずつ置きながら前進しようと思えば出来ます。
それを行ったら篭手も薬で代用可能ですね。
轟力丸があれば14点殴れます。
3枚の篭手と靴がすぐひける訳もないので
これらは装備品と同様に積んでおくべきでしょう。
3番目には鎧が来るでしょうね。
鎧を装備しても防御力8にしかならないんですが
せめて防御力8はないと、どれだけ翼が唸っても
相手の攻撃に耐えられません。
これも金剛丸で代償は可能ですが。

ジャジメントを使っていて一番辛いのはここではないかと思います。
まずどうにかして通りさえすれば相手を倒せる攻撃力と
あまりにも死にやすい状況はどうにかして
本陣の外に出られるようにする。
最低限この3つを満たさないと
ジャッジメントは始まりません。
この条件を満たすにはジャッジメントに加えて3種類のカード、
計4種類のカードが必要になります。
特定の2種類のカードを揃えるコンボですら
あれだけ揃わないのにジャッジメントは4種類。
2つか3つまで揃っているけど、というのは良くある状況ですね。
篭手なしの8/4/8。
鎧なしの8/12/4。
靴なしの10/12/8。
どれが欠けていても攻勢を開始できませんから。

わたしがジャッジメントのデザインで
どうにかしてほしかったのもここですね。
ステータスは篭手と鎧だけで上がるのではなく
どの装備品を付けても「+3&+3」か「+4&+4」は
されるされるようになり
種別を問わず装備品を2つか3つ付けると戦えるようにする。
篭手と鎧は攻撃に使える強力な特殊能力が使えるようになったり
耐性を得るみたいなカードにしてほしかった。
それでデックを固定し揃うまでは大変だが
揃ったら英雄点3点の貫禄の英雄が表現できたと思うんですけど。
さらにいうんであれば瞳は同時攻撃のみを回避するなどと
ケチな事は言わず、
このユニットに「イニシアチブ+6を与える」で良くなかったですか。
同時回避じゃなくて先攻を与えていいでしょう。
同時回避のためのカードを作りたいからといって
本当に同時回避しか出来ない装備品を作らなくてもいいですよ。

わたしはジャッジメントは
完全なる姿を発動させてアイテム枠を全部埋めるより
1枠が2枠残しておいて消耗品を使うほうが
強いのではないかと思います。
手札が悪い場合や相手が小型ユニット主体のときは
翼を装備してもいいですが。
完全なる姿を発動させて手札10枚で裁きの風を撃つのは
消耗が激しすぎるのと
相手にこっちの対抗数数えられてから攻められる不利があるので
アイテムで何度か対抗するほうが好みに沿います。
どうやっても勝てない状況を作れるのは
手札10枚で裁きの風を撃つほうですけど。

ジャッジメントは意図的に使い辛いユニットをデザインした訳ですから
細かく強い弱いを指摘しても、どうも的を外したところがあります。
問題は
「そもそも使いづらいと分かっているカードをなぜ作るのか。
 しかもそれをセットの表題に使うのか。」
という根本的なデザイン思想の是非です。
ジャッジメントはプロモカードゆえの弱さを含めて
伝説となったカードであり、
旧ジャッジメントは弱い事が魅力のひとつでした。
強く出来ない理由があるから強くないカードだったのです。
しかしその理由がなくなった以後も
「ジャッジメントだから」が強くしなくてもいい理由になるのか。
サービス品として配ったものではなく
新ジャッジメントは対価と引き換えに売った商品ですよ。

カード考察第29回は以上になります。
当ブログでは取り上げるカードのリクエストを
随時募集しています。
リクエスト対象カードは
神霊獣の咆哮から復活の破壊神までの全てのカード。
金冠の悪魔ゴモリーと星剣姫の烙印のカードは含まれず
星剣姫で再収録された破壊神以前のカードは含まれます。
この記事のコメント欄でもふるってご応募ください。

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5 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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ジャッジメントですか… (佐井方)
2010-04-22 19:49:53
装備品の効果発生条件を種族:神聖生物以外に、カード名がジャッジメントだった場合~という別の特殊能力があってもよかったかなーという気はします。
現状だとカード名を自由に変更できるカードは存在しないため、そこで英雄点3点のジャッジメントをもっと強力にしてほしかったという気はします。現状のジャッジメントデックは完全にファンデックの域ですからね(ノ∀`)
完成した後にウェポン・ブレイクなんて目も当てられません…orz

種族:神聖生物の場合だとなんにでも化けられるメディアが一番恩恵を受けてしまう今の環境ではやりたくなかったのではないでしょうか。
返信する
はじめまして (良月)
2010-04-23 23:41:43
コメントさせていただきます

僕もジャッジメントは2つほどアイテム枠を残しておいたほうが強く感じますね。
大型の消耗品は止めづらいのでそれなりの活躍をしてくれます。あくまで「それなり」なんですが…
装備品の性能で強くなれるのでこれからに期待でしょうか。

カード考察のほう、「龍皇子ナーガラジャ」を希望します。
よろしくお願いします。
返信する
Unknown (白鳩)
2010-04-25 15:59:08
アイテム枠持ちの神聖生物は
ガーディアンとジャッジメントしかいないんだから
ジャッジメントに特定する意味はないと思いますね。
むしろガーディアンが6/4/4みたいな低スペックだからこそ
もっと強くあるべきだったのではないかと思います。
裁くものはガーディアンがつけたってちっとも強くないですから。
メディアも関係ないと思いますよー。
メディアのために種族強化が弱くされてるなんて
どういう根拠ですか。
ハウンドを見る限りそのようなことはありませんよ。

カード考察にナーガラジャですって。
メディアを差し置いてナーガラジャが先に
リクエストされるとは思っていませんでした。
でもそのほうが解説しやすいかもしれません。
やってみたいと思います。
返信する
Unknown (佐井方)
2010-04-26 19:31:06
アイテム持ちの神聖生物が今後増える可能性は…多分無いんでしょうね。
今回増えたのもポリフェドロンみたいな色物っぽいユニットですし。
もしこれからも出ないんだったら強化の幅を
大きくしてほしかったところですね。。

ところで、メディアがいるために種族強化のカードが少ないという考えは間違っていますか?
実際、代償1枚でどんな種族強化の恩恵も受けられるメディアという存在は、種族強化のカードプールを増やすという選択肢は狭まっていると思うのです。
確かに、今回登場したハウンドを強化する
バスカヴィルは強カードの部類に入る
と思いますが、レベル2のユニットですよね。自分が言っているのは装備品のことです。
確かに、ユニットの特殊能力での種族強化は結構たくさんいますが
Gレギュ環境下で種族強化の装備品は今のところ裁くものシリーズだけですよね?
Sレギュだとパーツとかあったりしましたが。

その、裁くものシリーズが神聖生物に装備するだけで
耐性:戦闘スペルや、攻撃力3倍などということになったら
英雄点3もあり靴を装備しないと8地形にすら移動できないジャッジメントや
基礎値の低いファイナルガーディアンで使用してもメインで戦えるだけのユニットではないと思います。
では、誰が装備して使うか。
そうなるとメディアになりませんか?

と自分は考え、前回のコメントをしています。
確かに、論理としては飛躍しすぎているかもしれませんが
種族強化の装備品が裁くものしかでないのはそういうことではないでしょうか?
返信する
Unknown (白鳩)
2010-04-28 20:30:08
メディアの影響で種族系のコンボが減った、というのは
カードプールを見渡す限りでは特に感じられませんね。
味方を強化するタイプの能力が第一線から退いたのは確かにあります。
ただし英雄っぽいカードを作ろうとすると
種族のユニットカードを代償にして
自分が何かするほうがそれらしいので
そういうユニットが増えただけでしょう。
さらに能力を発動するときに参照する情報が
種族や属性だけではなくなったので
そればっかりではなくなりました。
また種族を問うものもイニシアチブが確定した段階で
効果としては終了しているものが多いので
メディアの能力をキャンセルに使える機会は多くないです。

ただし、これらがメディアの影響で始まったことかというと
特に関連性を感じません。
それ以前から種族コンボデックばかりだったという事もないですから。
聖杯が属性コンボ封殺するのも同じ程度ではないかというくらいです。

今の環境でメディアが強すぎるので
調整をかけてきてるという事もないと思いますよ。
前回の全国大会が終わったくらいの段階で直接聞いたとかではないですけど、
「今のメディアの強さは英雄王発売前の時点での想定を著しく超えており
勢力を弱体化させようと思っている」、なんて事はないだろうと思います。
1つには、メディアがこのくらいに強いことは
出す前から分かっていたからです。
第2にデザイナーが不味いと考えるカードの
具体的な基準まではしりませんが、
少なくともメディアはそれが流行る事によって
特定の勢力を決定的に死滅させるデックではないです。
大局的には歌姫デックがいた位置に成り代わった勢力に過ぎず、
いつの時代もなにかしらのデックは強いものだから
そのデックの1つが今はメディアであるに過ぎない。
積極的に調整をかけないといけないカードにピックアップされるデザインではないんです。
逆にメディアが弱くなるとサルガタナスは偶数をフォローしなくてよくなり
スケグル、白夜ウルフの2強となります。
強くないと困るでしょう。
第3にあまりデックの内容に入れ替わりはなかったので気付きませんが
星剣姫で一番強化カードを出してもらえた英雄王のカードはメディアです。

デザイナーの創作スタンスにメディアに対する警戒感を感じさせる要素が
ほとんど見当たりません。
次の全国大会の結果如何で警戒レベルを引き上げるかもしれませんが
少なくとも星剣姫を作っている時点ではそんなことは思ってなかったでしょう。
種族に関連する装備品はSレギュ以前から珍しかったので
精霊殺しと神聖生物関連しかでていないのは不自然ではありません。
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