老いの途中で・・・

人生という“旅”は自分でゴールを設定できない旅。
“老い”を身近に感じつつ、近況や色々な思いを記します。

認知バイアス  その③  ~変化や異常を嫌う、リスクは取りたくない~

2019年06月26日 20時07分58秒 | 法則/心理効果・現象など
 これも良くある心理で、頷かれる方も多いかと思います。

(A)正常性バイアス(Normalcy bias)
 正常性バイアスとは、自分の周りに異常事態が発生した時に、それを日常生活の延長だと思いこみ「大丈夫」「問題ない」と考えてしまうバイアスのことです

 人は周りの異常に対して日常の延長に過ぎないと思い込み、心のストレスを回避する心理特性を持っています。 先ほども説明したように、身の回りの変化に全て反応しているとエネルギーを消費してしまうためです。 実は地震や津波などの災害が発生した時に多くの人が逃げ遅れてしまうのは、この正常性バイアスが原因とも言われています。


(B)現状維持バイアス(Status quo bias)
 人が現状を維持し、変化を嫌う心理のことを指します。
人は変化することで損をしてしまうリスクを回避しようとして、現状維持するのです。
人間は普通、自分が知らない物よりも、知っている物の方を好みます

 この(A)と(B)が合わさると、所謂「茹でガエル現象」になるのかも知れませんね。


(C)バンドワゴン効果(Bandwagon effect)
 「勝ち馬効果」とも呼ばれますが、人は多数派が支持しているものを正しいと思いやすい心理効果のことを指します。
 選挙でよく見られるバイアスで、マスメディアの選挙予測情報などで特定の候補者が有力であると報道されると、その候補者対して更に票が集まりやすい傾向がありますが、これは自分の投票を死票にしたくないという気持の表れでもあるでしょう。

 要するに、自分が十分な情報を持っていない事柄に対して、評価や判断基準を多数意見に委ねようとする心理が働いています。


(D)自制バイアス(Restraint bias)
 自分が持っている誘惑に打ち勝つ力を過信してしまいがちです


(E)ギャンブラーの誤謬(ごびゅう)(Gambler's fallacy)
 人は過去の結果がその後の結果に影響を与えると強く思い込んでしまう心理のことを指します。
最も有名な例がコイントスです。 コインを投げて、表と裏を当てるゲームをやっていたとします。 もしここまで4回投げて全部裏が出ていたら、次は何が出ると思いますか? 「ずっと裏が出ていて、表とうらは2分の1だから、次は面が出そう」などと思ってしまいませんか? 実際は、1回のコイントスで表と裏が出る確率は常に2分の1です。 しかし人はそれまでの結果を気にして、あたかも次は表が出やすいかのように感じてしまうのです

 私なんかも、このバイアスのお陰で、“もうソロソロ”と思い続けて、当りもしない宝くじを買い続けています。
即ち、確率よりも「馬券と宝くじは買わないと当たらない」という格言(?)を信じているのでしょう。


 このように個人が損失を覚悟するのなら「仕方ない!」或いは「アホやなあ!」で済むのですが、認知バイアスにはもっと大きな危険が潜んでいます。

 即ち、2017年12月に博多発の「のぞみ」で、乗務員が異常音と異常臭に気付きながらも運転を続け、名古屋で運転打ち切り後のチェックで大事故に繋がる恐れがある台車枠の亀裂が見つかる事態がありました。

 異常を認識しながらの、継続運転が大きな問題となった問題で、今年3月末に運輸安全委員会が調査報告書を公表しましたが、この報告書の中で、上記の“正常バイアス”と、<その②>で触れた“確証バイアス”が大きな要因という言葉が使われていました。(まさ)

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