老いの途中で・・・

人生という“旅”は自分でゴールを設定できない旅。
“老い”を身近に感じつつ、近況や色々な思いを記します。

面白い語源の言葉 その⑲  ~たこ/タコ~

2018年08月16日 20時30分06秒 | 面白い言葉や語源など
 この語源シリーズでは「凧あげ」や「引っ張りだこ」など“たこ(「蛸」或いは「凧」)”に関する言葉を紹介しましたので、何となく“たこ”という言葉に敏感になりましたが、よく調べてみるとこれ以外にも“たこ”は色々な使われ方をしています。

耳たこ・ペンだこ
 この「たこ」は蛸とは関係がなく、「胼胝」と書き、皮膚の一定の部分に摩擦や圧迫が常時かけられると生じる角質化した厚い皮膚を指します。

 良く使う「耳にたこが出来る」という言葉は、“同じことをうんざりするほど何度も聞かされて参った”という意味のですが、指などにタコが生じると、その後摩擦や圧迫が繰り返されても痛みを感じなくなるように、耳にたこができると、その後同じ話を何度聞かされても心に何の痛みも感じなくなり、反省する気もなくなるという意味のようです。

 同じ意味で使われる言葉に“パチンコだこ”というのがありましたが、これは我々がまだ若い頃にパチンコを打つ時に、今のようなダイヤルを回すのではなく、バネを指で弾く時代の言葉で、現在では死語になっているでしょう。
 
タコ配(タコ足配当)
 株式会社等が本来分配可能な利益がないにもかかわらず、粉飾決算などによって見かけ上分配可能額(配当可能利益)があるように見せかけるなどして、出資者である株主へ違法な配当をする行為をいいます。

 この語源は、蛸が空腹の場合には自らの足を食べるという言い伝えに拠りますが、これ俗説であり、確かに人間に捕まって狭い所に入れられヒステリー状態になった時に、タコが共食いしたり、自分の足をちぎって食ったりすることがあるようですが、食べ物がなくて食べるのではないので、食べた足は全然消化されないで胃に残っているということです。

たこ足配線
 たこ足配線(蛸足配線)とは、テーブルタップなどを使って一つのコンセントに複数の電気機器を接続することである。コンセントを蛸の身体に、多数の配線を足に見立てて作られた俗語である

タコグラフ
 このタコは蛸とは全く無関係で、英語のtachograph disk(タコグラフ・ディスク)から来ています
正式な日本名は「運行記録計」という名称で、自動車に搭載される運行記録用計器の一種であり、運行時間中の走行速度などの変化をグラフ化することでその車両の稼動状況を把握できるようにした計器で、道路運送車両法に基づいてバスや大型トラックなどに設置が義務付けられています。

従来は紙媒体のアナタコ(アナログタコグラフ)が中心でしたが、現在ではデジタコ(デジタルタコグラフ)が増えてきており、こちらは再利用可能なデジタルデータとして、そのデータが保存されるようです。

大阪弁の「タコ」
 たこ焼きが好きで、蛸の産地明石にも近い大阪では、「タコ」という言葉を良く使います。
「このタコ!」というような使い方で、“ぼけ”或いは“すかたん”というような罵る言葉になります。
・また勝負事などで“0(ゼロ)”や“ダメだった”という時に使います。
例えば、「ゆうべの麻雀、どやった?」と聞かれて「タコや」とか、 パチンコ屋を梯子して「今日もタコかいな」とぼやいたり、或いはスポーツなどでも「3タコや」と言えば3回連続の負けを意味します。

 また、京都では「すかんタコ」という女性言葉で、“いやなヤツとか、波長の合わんヤツとか、生理的に受け入れらない人”みたいな意味で使われますが、私見ですがこれは“タコ親父”というイメージから来ているのではと思います。

タコス(TACOS=TACOの複数形)
 “タコ”に因んで列記させていただきましたが、この「タコ」は蛸でも凧でもありません。
メキシコを代表する料理のひとつで、トウモロコシのトルティーヤで様々な具を包んで食べる、まさに国民食と言えるもので、"taco"という単語その物が「軽食」を意味するようです。

 因みに、日本料理のタコス(蛸酢)は私の大好物です。(まさ)

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