老いの途中で・・・

人生という“旅”は自分でゴールを設定できない旅。
“老い”を身近に感じつつ、近況や色々な思いを記します。

今更、その意味を聞きにくい言葉   その⑨  ~「はくらい」と「はいから」~

2021年10月18日 19時48分53秒 | 面白い言葉や語源など

はくらい(舶来):

 現在では殆ど死語になってしまっている「舶来(品)」ですが、私が若い頃は高級品としてのイメージでした。

 事実、1950年代以前の日本では、欧米の製品といえば「高級品」や「一流品」の地位を獲得しており、これらは百貨店店頭のショーウィンドウなどに於いて、大衆の面前にガラス一枚隔てた所で簡単には手の届かない価格で展示・販売されている物というイメージが存在し、このような物を「舶来品」として珍重していました。

 また、1960年代になっても、当時の為替レートや輸入税などの関係で、いわゆる「舶来品」は貴重品で、海外出張からの帰りは限度一杯のウイスキーやタバコなどで大変でした。

 このような輸入品を珍重するという日本の文化については、何も近代の欧米製品に限らず、中世から近世にかけては唐など中国方面からもたらされた器物を宝として認識していた意識の継続かも知れません。

 しかし、近年になって急速に工業生産力を身に付けたアジア諸国の工業製品や産品は、欧米のそれのような「舶来品」というイメージは持たれず、品質の高い製品であっても相対的に格下扱いされる傾向もがあり、単に輸入品を大事にするということでもなさそうで、近代やそれ以前からの欧米への憧れ、いわゆる舶来コンプレックスを引きずっている面も見られます。

 不思議なことに、欧米諸国にこのような舶来コンプレックスがなかったのかといえば、一概にそうとも言い切れないでしょう。

何故なら、「重要な、或いは大切な」を意味するimportantという言葉はimport(輸入)から派生した言葉です。

 尚、若い人には理解できにくいでしょうが、かっては飛行機便などなく、日本と海外との物流は全て船舶を利用して行われたいたため、「舶来」という言葉ができたのです。


ハイカラ(はいから):
 
 これもほぼ死語に近いですが、高齢者の中には、‟西洋風で目新しいこと。また、そうした欧米風や都会風を気取ったり、追求したりするさま。また、その人“をいくらか揶揄した使い方をされる方がおられます。

 この言葉は、明治時代後期に西洋かぶれを意味する流行語・俗語として誕生したが、後に広く使用される一般的な単語となり、広義には第二次世界大戦までの西洋化風潮まで含めます。
 明治後期から昭和初期にかけては「ハイカる」という動詞も派生し、「ハイカった人」などのように用いられたようです。

 語源は、明治時代の男子洋装の流行であったハイカラー(high collar、高襟)、すなわちワイシャツに付ける丈の高い襟に因みます。

 このような高い襟をつけた政治家や官吏を指して(横浜)毎日新聞の石川半山が紙面の『当世人物評』において1898年-1899年(明治31-32年)頃から「ハイカラア派」、「ハイ、カラア党」などと使い始めたのが1900年から流行したものとされています。(まさ)


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