老いの途中で・・・

人生という“旅”は自分でゴールを設定できない旅。
“老い”を身近に感じつつ、近況や色々な思いを記します。

身近な言葉の語源  歴史などに関するもの その① ~おおやしま(大八洲)と「八」~

2024年01月25日 19時09分45秒 | 面白い言葉や語源など

 おおやしま(大八洲)は、日本の呼称(雅称)の一つですが、八は数が大きいことを示すことにも用いられることが多く、「多くの島からなる国」なのかと思っていたのですが、実は極めて現実的な語源があるようです。

古事記」では、「大八洲」は<大倭豊秋津洲(本州)・伊予二名州(四国)・筑紫(九州)・淡路・壱岐・対馬・隠岐・佐渡の八州の総称とする>という記述があるとのことです。

 古事記が編纂されたのは、和銅5年(712年)と言われているので、この時期にはまだ北海道は正式には認知されていないのかな?とも思いましたが、古事記は神話や伝説などをメインとしたものだけに、まだ北海道は日本歴史の表舞台には現れてきていなかったのでしょう。

 何れにしても、「八」は下の方が広がる事から「末広がり」を意味し、日本では幸運とされていますが、古代の日本においては、8 は聖数とされていたようです。

 また、漠然と数が大きいことを示すのにも使われた(例:八島、八雲、八咫鏡、八重桜)。同様に、八を用いた八十(やそ)、百八十(ももやそ)、等も「数が大きい」という意味で用いられていますが、更に「八百」として八百万(やおよろず)・嘘八百・八百屋・八百八町・八百八橋という表現もあります。

 更に、慣用表現では、「八方塞がり」「八方美人」「八紘(=世界)」のように、「全ての側面」という意味で八(8)が用いられることもあります。


 尚、中国では、"八"の発音が"発財"(金持ちになる)の"発"に通ずるところから幸運とされていて、北京オリンピックの開会式は2008年8月8日夜の8時8分8秒から開式されましたし、自動車のナンバーの88・88は高価で売買されていると聞いたことがあります。(まさ)

 ※ この「身近な言葉の語源」については、「語源を楽しむ」(ベスト新書増井金典著)や「語源由来辞典」「WIKIPEDIA」などを参考にさせていただいています。