老いの途中で・・・

人生という“旅”は自分でゴールを設定できない旅。
“老い”を身近に感じつつ、近況や色々な思いを記します。

またまたリメイク映画です

2024年01月03日 19時22分04秒 | 高齢化社会での生活・終括・社会保障など

 先日、映画「生きる」とそのリメイク版であるイギリス映画「生きる LIVING」のことを書き込みましたが、引き続いてリメイク映画の紹介です。

 日頃余り見たいTV番組が少ないこともありますが、ツレアイの認知症が進行してからは、契約しているWOWWOWで面白そうな映画を録画しておいて、夕食後にツレアイを寝かせてから、少し落ち着いてそのビデオを見るということが続いていましたが、その習慣が今でも続いていて、面白そうな映画を予約しておいて、夜にウィスキーを横に於いて、時には勝手な時間に小休止を取りながら観ています。

 12月はWOWWOWでレメイク特集があったのか、前に紹介した「生きる」「生きる LIVING」以外にも2組のリメイク映画紹介がありましたので、楽しませてもらいました。

 レメイク映画なので、当然同じようなストーリーですが、何といってもレメイクされる位ですから元の映画は素晴らしいものですし、制作された国の事情が垣間見えてなかなか面白かったです。


「幸せなひとりぼっち」と「オットーという男」

 先ずは、「幸せなひとりぼっち」

 2015年のスウェーデンのコメディドラマ映画で、監督や出演者も馴染みがないですが、妻を亡くし職も失って生きる希望をなくし、自殺を考えている59歳の偏屈で孤独な男が、近所に越してきたイラン人家族との交流を通じて再生していく姿をユーモラスに描いています。

 もう一つの「オットーという男」は、2022年製作のマーク・フォースター監督、トム・ハンクス主演兼製作のハリウッド映画です。

 ピッツバーグ郊外に住む63歳の主人公は、鉄鋼会社を定年退職したものの、半年前に妻を亡くしており、寂しさから自殺を計画していたが、隣に越してきた新しい隣人たち(メキシコ人)との交流を通じて、自殺を思い留まり、元気な生活を取り戻すというストーリーです。

 リメイク作品ですから、当然に同じような筋書きですが、自殺を思いとどまるきっかけになった、少しがさついものの人懐こい新しい隣人が、片やイラン人、片やメキシコ人というのも、スウェーデンとアメリカという地域性の違いで面白いですが、何よりも生活は決して一人では出来るものではなく、周囲の人との関わりの中で生き甲斐を再発見していく様子を描いていた、秀作でした、



「おみおくりの作法」と「アイ・アム まきもと」

 『おみおくりの作法、Still Lifeは、2013年のイギリス・イタリア合作のドラマ映画で、『アイ・アム まきもと』はこれをリメイクした水田伸生監督、阿部サダヲ主演の2022年製作の日本映画です。

 主人公は共に市役所の民生係として働く独身男性で、孤独死した人物の葬儀を行なう係なのですが、事務的に処理することもできる仕事を非常に丁寧に対応しています。

 当然事務合理化の対象となり、共に人員整理によって解雇や担当から外されることになるのですが、最後の仕事となった対象者に対しては、自分の時間を費やして、残された手がかりをもとに親しい人や彼の娘を探し出し、1人でも多くの参列者を募ることに精力を注ぐと共に、自分の為に確保していた見晴らしが良い墓地の区画をその遺族に送っています。

 そして、その葬儀には多くの人が集まって賑やかに執り行われます。

 しかし、主人公は共にこの葬儀の直前に交通事故で突然死し、同僚だった知人一人だけに見送られて、同じ墓地にある粗末な区画で、同じ日に寂しい葬儀が行われるという何とも物哀しいストーリーでした。

 このような、身につまされるような上質のリメイク映画を、自宅で他人の目を気にすることなくお酒を飲みながら見られるというのは非常に有難いことです。(まさ)