老いの途中で・・・

人生という“旅”は自分でゴールを設定できない旅。
“老い”を身近に感じつつ、近況や色々な思いを記します。

エンニオ・モリコーネのこと

2024年01月24日 19時17分01秒 | その他

 録画しておいた映画「モリコーネ 映画が恋した音楽家」<2021年イタリア、監督:ジュゼッペ・トルナトーレ>というのを観ました。

 私は映画をよく見ている方で、ストーリー/出演者/監督などは一応チェックしていますが、音楽担当が誰かなどは殆ど気にせずにいました。

 但し、映画音楽を聴くとその映画の場面が鮮やかに浮かんでくるものがあり、何度も見ている大好きな「ニュー・シネマ・パラダイス」もその一つですが、TVの案内欄に映画「モリコーネ 映画が恋した音楽家」とは、あのトト少年の顔が浮かんでくる「ニュー・シネマ・パラダイス」の音楽を担当したエンニオ・モリコーネ(Ennio Morriconeのことをテーマにした映画であることを知り、録画しておいたという次第です。

 私にしては、極めて珍しい分野の音楽家の伝記的な映画でしたが、引き込まれるように観ました。

 というのは、今まであまり気にしていなかったのですが、エンニオ・モリコーネが音楽を担当していた映画には極めて印象に残っているものが数多くあることを知り、映画監督とのエピソードなどを知ることが出来たからです。

 

 エンニオ・モリコーネ(1928~2020)はローマにてトランペット奏者の子として生まれるのですが、ローマの音楽院で作曲の勉強をしたのち、TVやラジオ音楽の作曲や編曲に従事するようになったようです。

 1960年代になり、映画音楽に関わり始めたようですが、セルジオ・レオーネ監督と組んだマカロニ・ウエスタンで一躍有名になりました。

「荒野の用心棒」「夕陽のガンマン」「続 夕陽のガンマン」、更にマカロニ・ウエスタンではないですが「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」などの斬新な音楽は、今でも鮮やかに蘇ってきます。

 その後「アンタッチャブル」(1987年、監督:ブライアン・デ・パルマ。グラミー賞を受賞)なども制作していますが、何といっても彼を一躍有名にしたのは、ジュゼッペ・トルナトーレ(Giuseppe Tornatore)監督と組んだ一連の映画での音楽でしょう。

 先に挙げた「ニュー・シネマ・パラダイス」(1989年)を筆頭に、「海の上のピアニスト」(1998年)、「マレーナ」(2000年)などが挙げられますが、何れも素晴らしい映画音楽です。

 その後、2015年にはクエンティン・タランティーノ監督の「ヘイトフル・エイト」の音楽も担当し、アカデミー賞を受賞しています。

 尚、アカデミー賞に関しては、以前に6回もノミネートされ、2007年には「名誉賞」を授与されたようですし、日本では2003年にNHKの大河ドラマ『武蔵 MUSASHI』の音楽を担当していて、2019年に旭日小綬章を受章しているようです。


 とに角、この分野には全く疎いのですが、彼は色々な監督と共作し、それまでは脇役的存在だった映画音楽を絶対音楽と合体させ、サウンドトラック以上の重要なセリフにまで昇華させたとの評価があるようです。

 また、この「モリコーネ 映画が恋した音楽家」放映に合わせて放映された「マレーナ」と「ヘイトフル・エイト」も観ました。

 「マレーナ」は初めてでしたが、主演のモニカ・ベルッチが非常に魅力的でしたし、何よりも「ニュー・シネマ・パラダイス」と同様にシチリアを舞台にし、しかも第2次大戦の影響を受ける市民の様子を取り入れているのはシチリア出身のジュゼッペ・トルナトーレ監督のこだわりでしょう。(まさ)

同上