東京里山農業日誌

東京郊外で仕事のかたわら稲作畑作などをしていましたが、2012年4月に故郷の山口県に拠点を移して同活動をしています。

小学生、田んぼの草取り

2008年08月03日 | 農業体験
 6月24日に田植えした別所小学校5年生13人位が、自分達が田植えした田んぼの雑草取りにやってきました。京王堀の内駅に9時に集合、30分後の9時半頃に先生2人,保護者2人とともに田んぼに歩いてやってきました。
 30分近く暑く晴天の中を歩いたせいか、子供たちの額は流れるような汗。でも、みんな元気そうでした。到着すると、荷物を置いて水分補給し着替えです。簡単に挨拶すると、すぐに田んぼの除草の開始です。

            畦を伝って、自分達が田植えした田んぼに向かう


 重点的に草取りをした田んぼは、5年1組が田植えした田んぼです。この田んぼは、モグラが開けた畦の穴から水が抜けてしまって、しばらく水深が浅くなってしまいました。このため、雑草のコナギが足の踏み場もないほどびっしり生えてしまいました。

             びっしり生えた雑草のコナギを除草


 このところの日照りで、田植えの時と比べて水がとても少なくなっています。このため、粘土のようになった田んぼに足を踏み込まなければなりません。その粘土のような泥に足をいれるのが苦手な子供が何人かいました。でもそのうち、友達に誘われるようにしてキャーキャー大声を上げながら田んぼに入りました。

 友達に誘われ泥中に足を入れる    泥に慣れると草取り開始
 

 最初は草取りをしていましたが、子供たちには草取りよりも昆虫や小動物の方が気がかりのようです。クモを嫌がったり、カエルを追いかけたり、どじょうを捕まえたりと忙しく田んぼを歩き回っていました。

          草取りそっちのけで、捕まえた小さな虫を手渡し


 東北地方では大雨予想ですが、この南関東ではほとんど雨が降りません。このため、雨水がほとんど流れ込まず田んぼは粘土状態です。歩き回ると、粘土をこねているような感触です。草取りと言っても実際は、抜いた雑草を田んぼの泥中に押し込みます。両手で雑草を抜いて足で押し込めたりしながらの除草です。

             水が無いため、粘土を足でこねているような田んぼ


 この酷暑の中では、腰をかがめながらの草取りはとても辛い作業です。昔はこの辛い作業を毎日のようにしなければなりませんでした。今の子供達には農作業の辛さは昔の物語に過ぎないと思います。しかし、その一端でも体験できたことは食べ物を作る大変さを実感するに良かったと思います。

  ザリガニかなドジョウかな?     捕まえた小動物はバケツに入れて観察
 

 ビルに囲まれた地域に住んでいるためか、田んぼに住む小動物は図鑑でか見たことがありません。ドジョウやカエル、ザリガニやヤゴ、そしてカエルは珍しくて仕方がないようです。何か捕まえると友達同士で手渡ししたり見せあいます。田んぼの草取りと言うよりも、田んぼの小動物観察会かな。

            オケラと小さなアオガエルを手に取って嬉しそう


 田んぼの草取りが終わると、汚れた手足を洗うために田んぼ沿いに流れる小川に行きました。お目当ての川遊びもできます。草取りした田んぼから一列になって小川に向かいました。

    田んぼ脇の小川に向かう          草が生えた畦を伝って小川へ
 

 1分も歩かないで着いた小川では、足を洗う前にさっそく川遊びです。誰も教えたわけではないのに、自然にできたスロープを水とともに滑り落ちます。流れる滑り台、またはウォータースライダーでしょうか。みんな足を洗うのを忘れて水遊びです。

            自然にできた小川の水溜りと滑り台


 ここの小川の底は硬い岩盤ではなく、粘土質のやわらかい岩でできています。このため、手で強くこすると薄く粘土がはがれます。このため、はがれた粘土で常にぬるぬるとしています。子供達が滑り落ちるにはちょうど良い硬さです。

           水しぶきをあげて滑り台を流れ落ち、気分壮快


 田植えの時は70人ほどの子供たちが来ました。このため、この滑り台を流れ落ちるのは順番待ちでした。しかし、今日は人数が少ないためほとんど順番待ちしないで滑ることができました。この夏一番の気分爽快な一日だったのではないでしょうか。

    男の子は、力強く滑り落ちる       女の子はおしとやかに滑る
 

 滑り台で遊ぶ一方で、田んぼの草取りで泥んこになった手足も洗いました。また、田んぼで泥だらけになったたサンダルも洗いました。手が届かない所は友達に手伝ってもらい綺麗に洗いました。

           滑り台直下の自然の水溜りでサンダルを洗う


 ほとんどの子供達は、手足を洗うのを惜しんで自然の滑り台で遊びました。二人肩を組んで滑ったり、顔を前にのぞけるように滑ったり、いろんな滑り方を試していました。子供たちは遊びの天才ですね。子供たちの歓声が小川に響いていました。

    飽きるまで小川を滑り落ちる      お母さん方もニコニコ見守り    
 

 12時頃になって帰る時間です。汚れた服を着替えて、水分や栄養の補給です。酷暑中の太陽の下、汗をかきながらも子供達は元気いっぱい。テレビゲームもいいけど、それ以上に自然の小川のすばらしさが分かったのではないでしょうか。成長途上の子供達にとって、自然の中で思い切り声をあげてと体を動かすことは、心身共に健全な大人になるための欠かせない要素だと思います。

    真夏の太陽の直下、疲れた様子は全くなく、楽しく話し合っている子供達


 私が子供の頃、自然は当たり前のようにありました。夜になるとカエルの大合唱でうるさいほどでした。今の子供たちにとってはカエルの鳴き声は騒音なのでしょうか。今、子供達を取り巻く環境は良いとはいえません。ここの田んぼがある里山は、昔も,今も,そして未来の子供達の宝物であり財産ではないでしょうか。いつまでも残していきたいものです。

 田んぼの草取り,川遊びにやってきた別所小5年の子供達,先生,保護者


 子供達が帰って静かになった田んぼを前に休憩しました。その後、Yさんはスズメなどの害鳥から田んぼを守るための網を張りました。これまた、暑い中での辛い作業ですが、お米を収穫するためには欠かせない作業です。

             子供達が去った田んぼで、防鳥用の網を張るYさん
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