素浪人旅日記

2009年3月31日に35年の教師生活を終え、無職の身となって歩む毎日の中で、心に浮かぶさまざまなことを綴っていきたい。

大阪府知事・大阪市長ダブル選を巡る動きは何か変

2011年10月12日 | 日記
 午後ジムへ行く。トレーニングルームには1台テレビがあり、14時から16時前までは読売テレビの“ミヤネ屋”にしていることが多い。ストレッチを終えてふと見ると、府知事選の話題で丸山和也参院議員が登場していた。橋下知事と同じ番組に出ていた方である。「なぜ?」と思い足を止めた。

 民主党大阪府連代表の平野博史氏と自民党大阪府連会長の谷川秀善氏が府知事統一候補を模索する中で出馬を打診したという話。人気があるというのが大きな要素みたい。一方、公明党との3党統一候補擁立の方針もあり迷走気味。

 この動き何か違和感を覚える。例えば、丸山氏が今の大阪の現状を見て、橋下氏率いる維新の会や共産党の推薦する梅田氏ではだめだ。自分で何とか大阪府をより良い方向に持って行きたいと義憤にかられ、大まかな構想を考え、それをもとに自民、公明、民社に打診するというなら話はよくわかる。

 反橋下、反共産の一点だけで手を結び、具体的な方針も煮つめずに、知名度、人気がある人物、いいかえれば選挙に勝てそうな候補者を探るというのは有権者を馬鹿にしているのではないかと思う。

 関心の高い話題なので数人テレビを見ていた。話好きな人もいたがみんなノーコメントでトレーニングマシーンに散って行った。あのシラッとした空気こそが、民意とかけ離れたところでの政治ゲームになっていることを如実に物語っているのではないか。

 維新の会も松井一郎府議が出馬に意欲を見せているが、代表の橋下知事は、意中の人は外部にいて、その人からは了承をもらっているみたいな発言を繰り返しているなどこれもまた不可解なことである。

 府知事は遠隔操作のロボットではない。

 夕刊で読んだ【教育条例案「修正も」】での橋下知事のコメントに関する記事を読んだ時も「何か変やな」という違和感を覚えた。

 『校長の採用や教員評価に外部や住民が関与するというところが大事。そこさえできれば、後の中身は柔軟にやればいい。」と述べ、府教委が対案を出せば条例案の修正に応じる意向を示した。・・・・5段階の人事評価制度を挙げ、「2年連続D評価の教員は免職とか、知事が教育目標を定めるとか、そんなのはどうでもいいこと。教育現場に世間の風を入れるのが一番大きなテーマ」と説明。全府立高校の校長を公募制にすることについても「採用時の審査を外部でする仕組みさえできれば、全員かどうかは問題でない」と述べ、教育委員の意見や維新内部の議論を踏まえて、修正に応じる考えを示した。

 条例案が提示されて、各方面から現行法との矛盾・抵触により、このままの形での施行・執行は不可能という見解が示されたり、教育委員全員からの反対表明があったりして中身そのものの不備が明らかになってきている。

 中身の議論に踏み込むと即席の欠陥品であることを、法律家でもある橋下知事は認めざるを得ないことになる可能性大であることがわかってきたのだろう。そこで、「対案を出せ」と開き直って中身議論に入らせないようにしているとしか思えない。

 民間の企業であれば、欠陥品を製造したならば自主回収をするか、自らの手で欠陥箇所を修繕する努力をするだろう。それは信用とか莫大な時間とお金をなくすことにつながる。だから、企業は欠陥品を世に出さないため事前に入念にテストを繰り返しチェックをしてから世に送り出すのだろう。各企業でそれらの過程を経て出された完成品(自称だが)を見て世間では評価を下すのである。

 欠陥箇所を指摘された時、それじゃ違う製品をつくって持って来い、見せろ。そうしたらわが社の製品も直すからと開き直る会社がいれば即倒産であろう。

 橋下氏の論法はまさにこれだと思う。自ら欠陥品であることは認めている。ならば“対案”を要求するのではなく。 「今回提出した条例案は事前の議論が不十分で、既存の法律との整合性、運用面でのむずかしさで検討すべき点が多くありたたき台にならないので白紙撤回(自主回収)をします。ダブル選挙後に改めて新しい知事のもとで、教育委員、府教委、現場および法律家の意見を聞きながら検討をしていただきたい。その時には“私の思い”を汲み取り反映していただくことを願っている。」 と表明するのが筋ではないか。

 納入期限に間に合わせるがために、欠陥商品を平気で押し付ける感覚が怖い。「民間を見習え」と二言目には言う“維新の会”の議員の皆様には「率先垂範」して、入念に議論、検討、チェックをされた完成品を世に出して、評価を委ねてほしい。マニュフェストとは違う“条例の重さ”をふまえていただきたいと強く願う。

 どの分野でも、『思い』を形にするのは簡単ではない。その簡単でないことに向かってがんばっている姿に対して私は敬意を表するのである。

 
コメント
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