素浪人旅日記

2009年3月31日に35年の教師生活を終え、無職の身となって歩む毎日の中で、心に浮かぶさまざまなことを綴っていきたい。

「2・8(にっぱち)」とよばれる法則

2011年10月03日 | 日記
 この法則については佐藤優さんが新聞、雑誌などによく書いている。ジムや電車で読むためにコンビニで見つけた『人たらしの流儀』にも出てくる。

 最近この不況下で、企業では一気に、ボトムテンと言われる、営業成績や社内評価で決めた順序で百人中、下から十番以内の連中の首をどんどん切る。「悪いところは切った」といわんばかりに・・・・という問いに対して

 ところが実はそうでもない。残った九十人の中で九人が新たなボトムテンとなる。
「2・8(にっぱち)」とよばれる法則があります。
 蟻でも動物でも群れをつくる生物は仕事を積極的にしているように見えるが、実際に動き回るのは全体の二割。

 その二割だけで精鋭部隊をつくったとしても、その部隊で動き回るのはわずか二割。

 だから、どんな集団をつくっても、動物はインテリジェンスからすると、常に二割が八割の仕事をする。それで、残り八割が、二割の仕事をする。群れ全体のバランスが保たれる。下だけをぶった切っても、比率は変わらないので新たな下位集団ができるにすぎない。
 と答えている。

 今までにさまざまな集団に関わってきた経験から、この佐藤氏の話はザクッとした感じでわかる。だから、相対評価による切捨ての案には疑問を感じるし、習熟度別授業にも期待が持てないのである。もし習熟度別が有効なら、各中学のトップクラスが集まる大手前高校とか四条畷高校の生徒はもっと伸びるはずである。集団が変われば相対的な位置が変化し、意欲をなくしていく場合もある。その逆もある。プロ野球の世界でも同じである。

 人間を測る“ものさし”は多様であるべき。そうでないとパワフルな集団はできない。

 「図書館戦争シリーズ」や「仏果を得ず」など人間を巧みに描いた本に夢中になっていたので、買ってはいたが、しばらく冷却期間として積ん読状態にあった池井戸潤さんの『下町ロケット』を昨日から今日にかけて一気に読んだ。期待通りで、人間がよく描かれていた。

 人間って、どうしようもないやっかいな生きものだけど、尽きることのない魅力にもあふれている。最近、個性、個性と謳われているが、実態はどんどんモノトーン化している危惧を持つ。
コメント
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