素浪人旅日記

2009年3月31日に35年の教師生活を終え、無職の身となって歩む毎日の中で、心に浮かぶさまざまなことを綴っていきたい。

賞味期限の切れた?過去

2021年06月19日 | 日記
 昨日、大学時代の友人林君からコメントが寄せられた。変わりないみたいで嬉しかった。「賞味期限の切れた?過去が懐かしいです」とあった。彼とは大学時代の4年間いろいろなことを楽しんだ。もう40年余りも前のことである。しかし、私にとっては賞味期限の切れた過去ではない。その頃の思い出は発酵食品みたいに時間の経過とともに味わい深くなっている。

 考えてみればオギャーと誕生してからいろいろなステージで出会いと別れを繰り返して現在に至る。明確な記憶のない3歳まで、磯部町内で4度の引っ越しをした4歳から小2の途中まで、そこから引っ越しをして中学卒業まで住んだ鵜方時代、高校時代は今の磯部の家から通学した。浪人生活と大学に通った名古屋での5年間、就職のため移り住んだ枚方、交野での47年余り、その間村野中、二中、招堤中、三中の4校に勤務した。退職して12年目となる。

 その中で数えきれない人と関わり、たくさんの思い出ができた。それらは地層のように私の体の中に堆積している。化石を探すみたいに時々掘り返してみて懐かしむ。これも長年生きてきた楽しみの一つではないか。林くんとの過ごしたひと時の地層にたどりつくには50層近く掘り下げないといけないが久々に掘ってみた。

 1つ目は、岐阜県の養老公園でのオリエンテーリング大会。オリエンテーリングという競技を日本に広げ始めた頃で、どういういきさつで参加することになったかは記憶にないが、甘い気持ちで参加したことははっきりしている。制限時間ギリギリでヘトヘトでゴールした。写真は出発前の余裕のある時。

 2つ目は、数学科の仲間と行った伊豆旅行。旧天城トンネルの前。2年連続チャレンジして不合格だった千葉大学の園芸学部造園学科の入試問題に川端康成の「伊豆の踊子」の記述を地形図で読み解いていく問題があった。そのことを思い出しながら歩いていた。他の連中は私がそういう経過で教育大の数学科に入ってきたことなどは知る由もない。逆に、彼ら、彼女らの小、中、高時代を私は知らなかった。それが出会いの妙である。

 3つ目は、屋久島宮之浦岳登山である。この動機ははっきりしている。各地方の最高峰に登ろうということになり、調べてみると九州地方の最高峰が屋久島にあると知り、先ず驚いた。隣の種子島は歴史で出てくるので知っていたが屋久島はそれまで目に入ってなかった。50年近く前だから今と違って情報もなく国土地理院の地図だけをたよりの登山だった。想像以上に厳しいものだった。写真は森林鉄道から登り口に入る、一番元気な時。


 ジェーン・スーさんの本や文藝春秋の田辺聖子さんの日記を読んだりしていると人の歩みの味わい深さを感じる。自分の歩みも時々噛みしめてみるのもいいかなと思うようになった。ボケ防止の効果もあるみたいだし。

 思い出の賞味期間は「生きている間」。お互いせいぜい長生きしたいものです。

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1 コメント

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Unknown (林 重幸)
2021-06-22 08:11:24
ありがとう。
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