素浪人旅日記

2009年3月31日に35年の教師生活を終え、無職の身となって歩む毎日の中で、心に浮かぶさまざまなことを綴っていきたい。

「清盛」

2012年01月31日 | 日記
 大河ドラマ、今回は楽しませてもらっている。タイトルを見るたびに息子の命名の時のことが思い出される。私と弟の名前をつけたのは母方の祖母である。名づけに関してこだわりと自信を持っていた。私たちの命名の基準は単純明快『漢字一文字で11画』である。これがベストだそうだ。幼い頃、祖母にそう言われるとご神託のように思えたが今になって思うと父が漢字一字の11画なので、それに合わせただけではないかと思っている。

 私に男の子が生まれたとき祖母は香里園にいた叔父と同居していた。近かったこともあり産休明けから保育所入所までの間、家に来てもらい息子の子守りをしてもらうことになっていた。そういうこともあり祖母に息子の名前を考えてもらうことにした。祖母は子供に名前をつけるのはこれで最後やなと張り切ってくれた。私たち同様『漢字一字・11画』はゆずれない原則であった。

 これにしようと祖母が示してくれた名前は『盛』。「これで『さかえ』と読ます。いい名前やろ」とご満悦。私は瞬間清酒“日本盛”を連想し、ついで思春期に『さかり』と呼ばれたらかわいそうやなと思い、このままOKというのはまずいと親の責任を感じた。少し時間の余裕をもらった。自信満々の祖母はすんなり喜んでくれなかったことに少し不満気であったみたいだが、これしかない!と言い切って帰っていった。

 妻も私の両親も『盛』はよくないということで一致した。しかし、祖母の名前に対するこだわりはみんな承知しているので「お前が何とかしろ」ということでみんな関わることは避けた。仕方がないので漢和辞典で一字11画の漢字を見ていると『清』が一番無難なものとして候補にあがった。まわりもこれならいいというので、私が言葉の限りを尽くして祖母を説得した。

 今まで本や寺などで平清盛の名前に数多く出会ってきたが、そういうことには思いが至らなかった。しかし、今回ドラマで“清盛”の名前を見ると盛→清のことが思い出されるのである。

 毎年思うことだが、1月は長かった。
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三寒四寒?

2012年01月30日 | 日記
 立春が近づいて来ると『三寒四温』という言葉を使いたくなるのだが、今年は“寒さの底”が見えない。この寒さが底かと思ったら、さらに厳しい寒波が押し寄せてくる。『三寒四寒』という感じである。まだ、雪が降り積もらないだけラッキーと思わなければいけないだろう。

 こうなるとどうしても内向きの生活となる。部屋の模様替えを始めた。いろいろな所がに行ったパンフの類が結構溜まってきているのでちょうど良いタイミングである。

 久々に“万城目ワールド”を楽しみたくなった。暖めていた『鹿男あをによし』を19時からの“鬼平”を見た後から読み始めた。起承転結であればまだ“起”の部分の第二章までしか進んでいない。平城宮跡、東大寺、興福寺、春日大社などおなじみの場所の描写が多くあり、少しづつ“万城目ワールド”に入りつつある。

 第二章長月(九月)の最後、『雌鹿がもぐもぐと口元を動かした。まるでしゃべろうとしているみたいだとふと感じたとき、鹿が「ぴい」と鳴いた。本当に「ぴい」と鳴いたのである。さらには、
「鹿せんべい、そんなにうまいか」
としゃべった。完全に硬直するおれに、鹿はゆっくりと続けた。
「さあ、神無月だー出番だよ、先生」


 いよいよ幕が上がったという感じだが、ここで今日はストップする。時間はあるが、明日にも楽しみはおいておかないと・・・ 
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♪旬感!クラシック*プロムナードvol.10♪

2012年01月29日 | 日記
“メセナひらかた”2Fにある多目的ホールに開場してから5分後ぐらいに入ったが、すでに7割ぐらいの席が埋まっていたのには驚いた。10回という区切りのコンサートで、金子みすゞの詩をテーマに企画されたということが関心を集めたのではないかと思う。開演の14時にはほぼ満員の状態であった。

 ソプラノの木澤香俚(きざわ・かおり)さん、フルートの神野朋子(じんの・ともこ)さん、ピアノの佐野真弓さんの3人によるしっとりと落ち着いた大人の雰囲気の漂う演奏会であった。

 金子みすゞさんの詩に中田喜直さんが曲をつけたものが14あるそうだが、その中から8曲(+アンコールで1曲)を選ばれ演奏された。
♪つゆ♪こだまでしょうか♪みんなをすきに♪わたしと ことりと すずと♪いぬ♪わらい♪おさかな♪たいりょう♪

 ソプラノの木澤さんは♪いぬ♪をイチオシで選んだと言っていた。

  うちのだりあのさいた日に 
  酒屋のクロは死にました。
  
  おもてであそぶわたしらを、
  いつでも、おこるおばさんが
  おろおろないておりました。

  その日、学校(がっこ)でそのことを
  おもしろそうに、話してて、

  ふっとさみしくなりました。


♪おさかな♪たいりょう♪の中に見られるみすゞの独特の視点の話しの中で、フルートの神野さんは「つち」という詩も大好きだと話されていた。
        
こッつん こッつん   ぶたれる土は   
よいはたけになって   よい麦生むよ。 

朝からばんまで   ふまれる土は
よいみちになって   車を通すよ。 

ぶたれぬ土は   ふまれぬ土は  いらない土か。
いえいえそれは   名のない草の   おやどをするよ。


また、「おはじき」という詩とリンクさせて星にちなむ曲♪星のセレナード♪(シャミナード)と♪きらきら星変奏曲ハ長調K.265♪(w.A.モーツアルト)の演奏も粋な演出であった。ソプラノの木澤さんの朗読もよかった。

空いつぱいのお星さま
きれいな、きれいな、おはじきよ。

ぱらり、とおはじき、撒きました、

どれから、取つてゆきましよか。

あの星

はじいて

かう當てて、

あれから

あの星

かう取つて。

取つても取つても、なくならぬ、

空のおはじき、お星さま。


 金子みすゞの才能を見出した西条八十の♪蘇州夜曲♪かなりや♪りんどう峠♪などの演奏も格調高く聴こえた。ジャンルという枠は便宜的なもの。その上に音楽という世界があるということを強く思った。

 




 
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デジブック 『兵庫七福神巡り』

2012年01月28日 | 日記
江戸時代、庶民の間で大ブームとなった七福神巡り、福を呼ぶ神仏七ヶ所を巡礼することで「七難即滅・七福即生」が授かるといわれているが、その七福神はいつ、誰によって七体が集められたのか成立については謎のままである。インド、中国、日本の福徳をもたらすといわれている神仏の多国籍軍というところが日本的であり面白い。

●毘沙門天:インド・古代インドの財宝神、多聞天ともいい四天王のメンバー。勝運の神様で、仏法を守護し道徳を授ける神様である。
●弁財天 :インド・古代インドの女神「サラスヴァーテ」(水を持つもの)水の流れは音楽に結びつき、芸能の神様として信仰されている。
●大黒天:インド&日本・古代インド「マハー・カーラー」と日本神話の「大黒主のみこと」の合体。天、地、人を守る。
●恵比寿:日本・日本神話の蛭子(ひるこ)神または事代(ことしろ)神といわれている。漁の神様→航海安全の神様→商売繁盛の神様
●寿老人:中国・道教の南極星(寿星)の化身。不老不死の仙術をおさめたのが寿老人。長寿への願いと結びついて信仰される。
●福禄寿:中国・おめでたい言葉、三文字の合成。道教の神で寿老人と同体と考える人もいる。
●布袋:中国・実在した僧侶がモデル。中国では発財神(金儲けの神)として信仰されていた。

 ということで、今年は各地にある「七福神巡り」をしてみようと思った。手始めが大河ドラマ「平清盛」ゆかりの地『兵庫七福神巡り』一緒に『清盛七辨天巡り』もすることにした。

 兵庫の港は、大輪田の泊と呼ばれた昔から天然の良港として知られていた。平清盛はこれを改良し、更に便利な港として外国との貿易を盛んにして経済の発展を図った。そのため兵庫に築島(経ヶ島)を造成した。1180年に清盛は安芸国の厳島神社を勧請し、このとき宮島にある七つの海岸にちなみ、兵庫に七つの辨財天をお祀るりしたのが始まりである。

 すべての寺社がいやに新しいという印象を受けていたが、途中で阪神淡路大震災で倒壊したためだと気づいた。済鱗寺はまだ寺の形をなしていなかった。兵庫大仏は戦時中の金属回収で供出されたため現在は二代目の石仏であるとか神戸大空襲の慰霊碑などいろいろなことを考えながらのウォークであった。

デジブック 『兵庫七福神巡り』
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病名について考えさせられました

2012年01月27日 | 日記
  テレビを見ていて2つの病名について考えさせられました。

1つは“慢性疲労症候群”ある日、突然倦怠感に襲われ日常生活もままならなくなっていくという病気である。テレビを通じて患者の方が訴えていたのは病名をもっと的確なものに変えて欲しいということである。

 仕事などを休まざるを得なくなった時、「何の病気?」と尋ねられ「慢性疲労症候群」と答えると「私だって毎日疲労困憊やで」となまけているように受け取られてしまうというのである。がんばりが足りないなどという心ない言葉で傷ついている人も多いという。有効な治療もないまま長期に渡って倦怠感で動くことができないという症状に悩まされるという。

 しっかりとした治療体制を確立するためにも的確な病名をつける必要があり、患者団体を立ち上げ広く理解を求める運動を始めた。医者の側でも論議はしているが煮詰まっていないというのが現状でしばらくは“慢性疲労症候群”を使わざるを得ないと話されていた。

 少なくとも名前から勝手にイメージするのではなく、実際の症状はどうなのだ!という現実を直視することが大切であることを教えられた。

もう1つは “てんかん”これは先週の「ためしてガッテン」であったのだが、従来“てんかん”は「けいれん・意識障害などの発作を繰り返す脳疾患」とされ子供に多くみられるが大人になるにつれ治っていくものだ。という認識が一般的であった。

 これがまちがいである。というのが番組の主旨であった。確かに10代、20代、30代と発症率は低下の一途をたどるのだが、60代から増加に転じるというのである。高齢者の“てんかん”の症状は子供のようにけいれん・意識障害の発作ではなく「物忘れ」となってあらわれる。それで認知症と間違えられ、その治療を受けるのだがいっこうに改善しないで長期間苦しむという。ところが“てんかん”と診断され、その治療を受けると瞬く間に「物忘れ」はなくなり改善したという。

 辞典の話ではないが、“言葉”というものの大切さを感じたのである。
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