素浪人旅日記

2009年3月31日に35年の教師生活を終え、無職の身となって歩む毎日の中で、心に浮かぶさまざまなことを綴っていきたい。

交野交謡会夏季素謡仕舞大会(第165回)へ

2013年06月30日 | 日記
 ひと月前になるか、夕方 花に水をやっていると1台のバイクが止まった。3人の子どもがお世話になったあさひ幼児園(交野市は昭和47年から幼保一元化の取り組みがなされているので名称が幼児園となっている)で早朝薄暮のパートで勤められていたIさんであった。

 下の娘が卒園してからは会う機会がなかったが、退職してから私の行動パターンが変化したため青年の家、星の里いわふねでのイベントや近所のスーパーなどでお会いすることがあった。その都度Iさんが所属している交野交謡会の練習を見に来ないかと誘われた。重い腰がなかなか持ちあがらなかった私だが、わざわざ家まで夏季謡仕舞大会のプログラムを届けていただいたならば「行かねばならぬ」となるのは当たり前田のクラッカー。

 会場は私部会館。 2Fの大広間に入ると40人余りの方々がコの字型に座っておられた。午前中の素謡の演目‹養老›‹三輪›‹杜若›‹隅田川〉の本を借りてにわか勉強をする。Iさんは3番目の‹杜若›でシテを演じられた。
 Iさんも先日お会いした時80の大台に乗ったといわれていたが他のメンバーの方たちもほとんどが同じぐらいの年代であった。声に張りがあってとても元気でいらした。
  初めて謡の本を読んだが、故事、伊勢物語、方丈記などの文芸作品の引用など時代こそ違え今の演劇の台本と同じだなということを発見した。クライマックスでは掛けことばを巧みに入れて締めていくのが作者の腕かなとも素人考えだが感じた次第。一番小気味よかったのは〈三輪〉のラスト。「思へば・・・」
 他にも〈杜若〉では「杜若花菖蒲 梢に鳴くは蝉の唐ころもの袖に・・・」〈隅田川〉では〈いよいよ思ひは眞澄鏡・・・〉などと言葉遊びも一緒に楽しんだ。高尚でお高いものではなく、文楽同様けっこう大衆的だなという思いを強くした。ことば、テンポ、表現方法が現代と異なるだけのことである。底を流れるものは同じである。

  
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続・『3』にまつわる話

2013年06月29日 | 日記
2010年12月24日に竹下景子主演の「3分間の女の一生」を観劇した帰りの電車の中で『3』という数字について徒然なるままに考えた

 昨日、久々に『3』という数字を意識した。平野郷の散策の途中や星田駅から家に帰る時に、体操服を着た中学生を多く見かけた。「こんな早い時間に何なんやろ?」とは思ったが、思考はそれ以上進まなかった。夜に現役の方からメールが届いた「今週はテストがあったり・・・」という書き出しを見て「ああ期末の最終日で、クラブの子たちやったんや」と合点した。思考のサイクルから学校の動きがなくなっていることを再認識した次第。当たり前のことではある。退職してから3年目ぐらいから学校時間の区切り方の意識が薄らいでいくのを意識し始めた。

 人間にとって『3年』というのは特別な意味があるのではとまた考えた。「石の上にも三年」などという言葉もある。そういえば♪三年目の浮気♪という歌もある。3年経過すると何らかの心の変化が生じるということか?経験的には当たっている節がある。〈6・3・3〉制という区切り方もあながちでたらめなことはないように思う。

 「三人寄れば文殊の知恵」「盗人にも三分の理」「早起きは三文の徳」「仏の顔も三度」と『3』にとりつかれた夜となった。そういえば「居候三杯目にはそっと出し」というのもあった。幼いころのせつない記憶が重なる。
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デジブック 『平野郷散策・寺社巡り』

2013年06月28日 | 日記
 大槻能楽堂に用があった。地下鉄谷町線の谷町四丁目が最寄り駅である。早く用が済んだので谷町線を使い平野駅まで行き、環濠自治都市として堺と同様に栄えた平野郷を散策することにした。

 平野には2010年5月5日に大念佛寺の万部おねり を見るために行ったことがある。

その時は、時間的な余裕がなかったのでウロウロできなかった。愛読書「目覚めよ仏欲!隠れた(宝)寺、教えます・関西の寺」で全興寺が紹介されていたのでもう一度是非と思っていたが3年余り経ってしまった。中沢新一さんの「大阪アースダイバー」でもふれられていたのでその思いは強くなっていた。ちょうど良いタイミングであった。

デジブック 『平野郷散策・寺社巡り』
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「亀蔵」の引き取り手はなし

2013年06月27日 | 日記
 妻は保護したと言っているが、亀にしてみれば拉致されたということになる。気の毒な亀の雄雌の区別はわからないので勝手に雄と決め、「亀蔵」と名付けた。ちょうど保育園に勤めている娘から「サンショウの木を植えていないか?」というメールが入った。園でアゲハチョウの飼育をしているのだがサンショウの木にさなぎでいたのでサンショウの葉しか食べないとのこと。有ればば帰りに寄るので沢山欲しいというものだった。

 幸い1本あり、しっかり葉もつけていると返信したので18時過ぎにバイクで立ち寄った。ついでに「亀はいらないか?」と交渉に入った。「亀???」と驚いていた。「とりあえず見てみるわ」と亀蔵とご対面したのだがもう一つ魅力がなかったみたいで「考えとくわ」という返事。残念ながら最有力候補に断られてしまった。

 亀蔵は人の気配が消えると必死に脱出しようと悪あがきをしている。
  タッパーの壁に立ちあがっている姿は切ない。次の候補は孫のようである。最終的に引き取り手がないとなれば解放されるだろうがいつの日になることやら。

 国会はとても締まりのない感じで閉会した。ここ数年問責決議と不信任案の安売りでヘリウムガス並の軽さになってきた。参院選は自公が圧倒的に有利な情勢。共産党が都議選の流れを国政レベルまで持っていけるかは今後の政治の流れにとって興味あるところ。民主党はどうなんだろう?連合だのみでは先行き不安。2大政党制へという大風呂敷は風前のともしび。
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大阪市・公募校長3か月で退職

2013年06月26日 | 日記
 昨日、ニュースで知った。記者会見の模様も一部流された。「問題を起こしていないし、保護者、地域ともトラブルはないので謝罪はしない」という言葉が印象的だった。何かの責任をとって退職するのではないという理屈だと理解した。今朝の朝刊に一問一答が掲載されていた。


 「無責任」という一言で片づけてはいけないと思った。外資系の仕事から公募に応じた千葉さんにとっては大阪市教委と『契約』を交わしたという意識を強く持っていたのだろう。先月、京田辺の古民家でのギターサロンコンサートで岩永さんが海外で演奏会をする時の苦労話で『契約』ということについて話された。日本と違って、こと細かなことまですべて契約書という形で文書化し、それにのっとり運営はシビアになされる。そのことに慣れるまで大変だったという。

 一例として、あるホールでの演奏会契約が成立した時、そこに「公演までの1か月間は会場から半径20kmの範囲では演奏活動をしてはいけない」という項目があったという。演奏会までの間宿泊させてもらっていた友人の家でホームパーティーがあったのでお礼に1曲演奏したら契約違反ということで主催者からペナルティーを課せられたという話を紹介された。日本であれば身内の座興で終わるところだが契約社会ではそうではない。スポーツ界でも契約をめぐるスタンスの違いによるトラブルについて報じられたことがあったが岩永さんの話で認識を新たにした。

 グローバルな人材育成を目指し、英語指導の改革に邁進するスピードが加速される中、条件整備が遅れていることを露呈するした出来事だったような気がする。

 外部から入った千葉さんが率直に述べているように、教育現場は奉仕の心を前提にした不合理かつ非効率的なシステムがベースにある。表面的な部分では改革の風が吹きさざ波はたっているが根本的な部分ではなんら変わっていない。

 外部からの人材を活用していくならば人事権、給与体系、学校の指揮権など従来の体制を見直してからでないといけない。ということを勇気ある決断で世に知らしめたという点では千葉さんに敬意を表する。

 外部の人材を活用する道に踏み出したということは「契約」の世界に入ったということを意味しているのではないか。これまでは教育委員会、管理職、教員ともども同じ世界の中で生きてきた身内である。そのことが事なかれ主義、隠ぺい体質と批判される原因ともなってきた。今の全柔連と同じ問題を内包していると言っても良い。

 これを打破するために校長を公募するとなれば、校長と市教委の関係は同等でお互いに条件面における契約書を取り交わし同意の上で任に就くというシステムに切り替える必要がある。でないと同じような軋轢が繰り返されることは目に見えている。

 さてそれが現実的にできるのだろうか?と考えるとハードルは高くしかも数が多い。だから「教育改革」は熟議、熟慮をと願うのである。「公募すれば問題は解決し、前進する」という短絡的な発想では駄目だということがわかったのだから教育委員会はきちっと検証し方向性を打ち出すべきだと思う。今後の動きに注目したい。
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