正林寺御住職指導(H24.10月 第105号)
日蓮正宗の信心では四恩を知り、四恩に感謝して恩を報じることが大切です。
日蓮大聖人は『四恩抄』に、
「仏法を習ふ身には、必ず四恩を報ずべきに候か。」(御書267)
と仰せです。また『開目抄』に、
「仏弟子は必ず四恩をしって知恩報恩をいたすべし。」(御書530)
と仰せのように、仏法を習い信心する身においては必ず四恩を知り四恩を報じることが大事です。
四恩について『上野殿御消息』に、
「仏教の四恩とは、一には父母の恩を報ぜよ、二には国主の恩を報ぜよ、三には一切衆生の恩を報ぜよ、四には三宝の恩を報ぜよ。」(御書922)
と仰せであり、四恩とは父母の恩、国主の恩、一切衆生の恩、三宝の恩をいいます。信心では四恩に報い徳を謝することです。
父母の恩とは、この世に出生して法華経である御本尊に巡り会い信心する身となったのは、父母の存在によるためです。 国主の恩とは、広く人が社会生活を営むに当たり国家社会から受ける衣食住などの恩恵を感じることです。
一切衆生の恩とは、すべての生あるものに皆から恩を感じることです。
三宝の恩とは、仏法僧の三宝の恩で信心をして功徳を積み利益を賜ることに恩を感じることです。特に四恩の中で三宝の恩を報じることが肝心です。
四恩報謝の念を体する信心には、さらに世人の模範となる四徳を具えた姿勢が必要です。大聖人は『上野殿御消息』に、
「四徳とは、一には父母に孝あるべし、二には主に忠あるべし、三には友に合って礼あるべし、四には劣れるに逢ふて慈悲あれとなり。」(御書921)
と仰せです。四徳である孝と忠と礼と慈悲を意識した振る舞いが法華講衆に求められる信心であり、そこに好感や信頼感を得て異体同心することができます。